山本山本佳宏 yanmo.jp

風とロック コラムアーカイブ

『アルデヒド脱水素酵素』(2008.03.31掲載)


父も母も酒が飲めず妹も酒が飲めず、僕も当然酒が飲めず。

いわゆる下戸の家系で育ってきて僕は学生時代、2回救急車で運ばれました。

急性アル中で。

カラオケでベロッベロに酔っ払ってHEBEREKET(←フランス語っぽく)になって、

でもかろうじて意識はあって、何とか酔いをさまそうと思って、表にある自販で、

ポカリスエットを買おうと思ってビーッと押したら酔っ払ってるもんでその隣の

ホットのロイヤルミルクティを押してしまって何じゃこらと思いながらも酔っ払ってるもんで、

そのままがぶ飲みしたらやっぱりあったかくって何じゃこらと思いながらそのまま意識がなくなって、

気が付いたら病院のベッドでチンコに管を刺されて横でオカンが泣いてて、

なんでこいつ泣いてんのかなとボンヤリ思っていた、そんな大学2年の秋。


『PARCO SAYS,』 (2008.03.29掲載)


暗黒面に落ちたアナキン・スカイウォーカーは溶岩で大火傷を負いましたが、

火傷の治療もロクにされることなくあのダースベイダーの黒マスクをダイレクトに被らされて

ギューーーーーーーーイタイイタイイタイイタイ!!!!!!やめてあげてお父ちゃん!!!!!

火傷おさまってからにしてあげて!!!!!!!!

スターウォーズ・エピソード3を観た時の感想は、

麻酔もせずに虫歯を削られたあの日を思い出す。そんな感じ。だけしかないです。

聞いてんのかルーカス。世界のすみっこで愛以外のことを叫ぶ僕の声を。


『ROM専と申しまして。』(2008.03.21掲載)


ブログやら掲示板やらのネットコンテンツを見るだけで、

書き込んだり参加したりはしない人のことです。

READ ONLY MEMBERってことですね。造語です。

英語のようで英語じゃありません。

書き込みをする人が1人いたとしたら、

その10倍はROMの人がいると、よく言われます。

ゴキブリより少ないですね。すいませんゴキブリとかに例えて。

イカより少ないですね。お前イカの生態どんだけ知ってんだ。

僕はネットのプロでも専門家でもないし、資料を調べる元気もないので、

あくまで個人的な意見だと思っていただければと思いますけど、

コンテンツ参加者としての僕はどうなのかと聞かれたら、

絶対絶対絶対絶対絶対絶対に、コメント書き込んだりしません。

間違いなくROM専です。

だって恥ずかしいもん。人に自分のコメント見られるのとか。

あと書き込んだら個人情報抜かれるんじゃないのかとか思って怖いもん。

絶対やんない。


『脳』(2008.3.19掲載)


今でも僕の心から決して離れない。

テレビを見る僕の背中に向かって、父親が言った言葉。

「ヨシヒロは頭がデカイからテレビが見えない」

笑う母。

僕は頭がデカイ。

デカくて親の邪魔をしている。

邪魔になるぐらいデカイ。

今から思えば、別に僕の頭はデカくも小さくもなかった。

でも、当時の僕は自分の頭がデカイと信じこみ、

自分の頭のデカさを恥じた。

今でも忘れられない。

僕の頭を見て笑う父と母。

全国の親の皆様。子供の頭がヨネスケのシャモジぐらいデカくても、

笑わないであげてください。

意外と30歳を過ぎても気にする危険性があります。


『頑張れ、頑張る。』(2008.03.16掲載)


箭内さんは大っ嫌いだと顔をしかめて言ったあと、

そんなに嫌いでもないんですけどねと訂正したあと、

結構好きな言葉でもあるんですけどと付け足した。

こういうとこなんでしょうね。めちゃくちゃやっても憎めない男。

箭内未知彦。

頑張れ。

頑張る。

っていう言葉が嫌い。

「お前に言われなくたって頑張ってんだよ!!!!!

「頑張れねーからヘコんでんだろーが!!!!!

「別に頑張るために生きてんじゃねーんだよ!!!!!

思わぬ反発を招いてしまう言葉。

もちろん、言ってるほうに悪意なんてない。基本的には。

だからこそやっかいな言葉。

思いを伝えたいのに伝わらない。

だったら、違う言葉で。同じ思いを。

『YOU & I vs アート』(2008.03.03 風とロックREALTIME掲載)


僕にはアートを解するセンスが除毛ホットワックスかけたてのデリケートゾーンよりも根っこから欠けている。と自分ではハゲるくらい思っていてつまりはアート周りの人たちに対してものすごい対抗意識という名のコンプレックスがある。お、お、おでのほうがすげーんだぞみたいな。自分の得意分野と相手の不得意分野を並列してほら俺のほうがすげーだろっていうのはよくやっちゃうパターンでそれは僕とホットワックスのどっちがベトベトしてないか対決の開催ぐらい意味がない。

なので僕はアートのことは1ミリも分からないセンス無し野郎であると喧伝してきて自分にも言い聞かせてきた。絵やら映像やらに出会っても、それが良いのか悪いのかの判断は絶対にしなかった、アートチームにバカにされるのがイヤだから。カッコ悪さのカッコ良さみたいなことを考えるのも無駄な気がしてやめた。


『豪くん』(2008.02.02 風とロックREALTIME掲載)


僕が物心ついたときから丹波哲郎と若林豪はすでにオッサンで丹波さんは霊界に帰ってしまったけども若林豪は今も変わらず僕の心の中で渋いオッサンのイメージ像を構成していて一文字でカッコイイ名前と言えば『豪』だなといつも思っていてアゴが割れてるのってすげーなと思っていて自分のどーでもいい4文字の名前とどーでもいいアゴに若干萎えていた。

若林豪のスピリットを受け継ぐ憧れの国、豪ことオーストラリアから帰国してラジオ風とロックの収録に箭内さんがやってきて、「箭内さんどうでしたオーストラリア」

「別に何も。あ、お土産持ってくるの忘れた」

で豪トークは終わった。


にんにくと次男坊 (2008.01.17 風とロックREALTIME掲載)


風とロックTシャツをギャラとしてもらうことを条件に書いたり書かなかったり飛んだり跳ねなかったりして数回のヒンズースクワットとブログテキストを始めたんですけどもヒンズースクワットは数回しかやんないなら最初からやんないほうがマシだとヒンズーさんに叱られたので落ち込んでいたら、風とロックスタッフのmiyasakaさんから

「風グループで、あのブログ書いてる人誰?って話題になってますよ!!

とか嬉しそうに報告されて、あのー月刊風とロック創刊号から3年ぐらい連載続けてるんですけどもけどもけどもけどもけども…(山から明瞭なこだま)…僕の連載って身内にも読まれてなかったんすかすかすかすかすかすか…(こっちは口で人工的に作ったこだま)

人間にとってモチベーションっていかに大事かってことを連載の原稿の遅れの言い訳に使えるなと思った、そんなラジオ風とロック収録。ちなみにこの原稿と一緒に連載原稿も送信しました遅れてすみません。ギャングスター・プランナーの件について書いたよ。そんなラジオ風とロック収録。あ、月刊風とロック1月号はサンボマスター総力大特集ですけどサンボマスターとかままどおるズとか以前にににんにくくせ―――――――――――――――――――――――――――!!!!!!

「にんにく」というひらがなを、『に』と『く』でメガマック的に挟んでみたよ。そしてにんにく臭。


FURUSATO (2007.12.29 風とロックREALTIME掲載)


兵庫県の尼崎市という中途半端な中都市で

生まれて育って泣いて笑ってケンカして

飲んで飲まれて20数年暮らした

酒と泪と男と女のうちの男の僕だけども、

僕は尼崎というFURUSATO

愛を感じたことがなくてそれはなぜかというと

愛された記憶がほとんどないから。故郷に。

故郷はなぜ愛を与えてくれないのか。

こっちが与える一方か。ハーレムか。

ちょっとぐらい愛してくれたっていいじゃないか。大奥牛耳るぞコラ、将軍コラ。

ボケだのツッコミだのテンポだの何だのアホ面さらして街なかでデカイ声でしゃべってる関西人が大嫌いだった。お前ら法の下に等しく平等に面白くねーんだよ。

故郷を愛せなかった。愛されてる実感がなかった。気づかれないように逃げるように僕は上京した。

.故郷は僕の上京に気づかなかった。

風とロックと福島民報主催、ままどおるズツアー?207万人の天才?。東北出身者限定LIVE

福島に背を向けて上京した男2人。サンボマスター山口と風とロック箭内。

特設サイト2人のLIVEレポートというかお客さんからの感想メールが載ってたから見た。

僕は『好き』の反対は『嫌い』じゃなくて『興味がない』だと思ってて、

『好き』と『嫌い』はほとんど同じ意味なんじゃないのかと最近すごく思ってて、

それは全部ひっくるめて『愛』なんじゃねーのかと思ってて、

感想には愛があふれてる。故郷が嫌い、自分が嫌い、それも愛。

僕が再び故郷で暮らすことはきっとない。箭内さんが福島で暮らすこともきっとない。

故郷なんか嫌い嫌いだと東京で言い続ける僕らみたいなどうしようもないやつも

放置してくれる故郷はエライと思う。ちょっと惚れるかも。今夜だけ。明日は東京の女。

好き勝手言いましたが、ままどおるズの長兄、山口さんは来年1月ラジオ風とロック出演決定。

まちがいなく面白いなコレは。ダラダラしゃべること確実ですけどみなさん聞いてください。

何日出演かは、ラジオ風とロックのサイトで決まったら言います。チャオ!!!

なんで最後だけ陽気になった今。


http://blog.magabon.jp/kazetorock/2007/12/urusato.html


「クリエイティブ」について (月刊風とロック連載を振り返る)


ここまで、月刊風とロックでの連載コラムをアーカイブとして久しぶりに引っ張り出してまいりました。

まとめての注釈となりますが、これらのコラムは当時の僕の考えていたことで、

今は全く違う考えであることも多数ございます。

日付も書きました通り、最新のものでも、もう2年前のものです。

 

もちろん、過去であろうと現在であろうと、自分の言ったことには責任を持ちますが、

今も一貫して同じ意見であれというご指摘には残念ながら沿うことはできません。

同時に、ご批判には素直に反省いたしますが、書いたものの訂正は一切いたしません。

なにとぞご了承ください。

 

 

なんとなく、『クリエイティブ』という緩やかなテーマで書かれているようにも見受けられますが、

僕個人としては『クリエイティブ』ということにあまり興味がありません。ないんかい。ないんです。

ただ、こういった、連載ものには、無理やりにでもいいのでテーマがないとなかなか続かないので、何らかの縛りを設定したほうが書きやすいのは事実です。

連載をするにあたって、「何かクリエイティブみたいなことについて面白いの書いて」と編集長の箭内さんに言われた気もしますが、それももう忘れてしまいました。

 




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