誰にだってできる、代わりがいくらでもいるような事を、誰にでもできるレベルで行うことに、誇りとか喜びを感じることは難しいのかなと、ずっと考えておりました。
みなさんも薄々勘付いていらっしゃるとおり、僕たちは替えが利く存在です。自分でなくてはならないことはない。自分にできることは、他の誰かもできる。代わりはいくらでもいる。突然いなくなったって特に困らないし、何とかなる。
替えが利く、利かない、という感覚は、他人と関わりを持ちながら生きていく限りは付いて回ります。
とは言え、「自分は替えの利かない、特別な存在であると他人から認められたい、可能であればできるだけ多くの人に」という欲求から離れることはなかなかできない。そして人生の大半を、その矛盾、その乖離に心を奪われて過ごします。