箭内さんは大っ嫌いだと顔をしかめて言ったあと、
そんなに嫌いでもないんですけどねと訂正したあと、
結構好きな言葉でもあるんですけどと付け足した。
こういうとこなんでしょうね。めちゃくちゃやっても憎めない男。
箭内未知彦。
頑張れ。
頑張る。
っていう言葉が嫌い。
「お前に言われなくたって頑張ってんだよ!!!!!」
「頑張れねーからヘコんでんだろーが!!!!!」
「別に頑張るために生きてんじゃねーんだよ!!!!!」
思わぬ反発を招いてしまう言葉。
もちろん、言ってるほうに悪意なんてない。基本的には。
だからこそやっかいな言葉。
思いを伝えたいのに伝わらない。
だったら、違う言葉で。同じ思いを。
『頑張れ、頑張る』に代わる新しい日本語を考えよう。
これは、元々……
宣伝会議コピーライター養成講座50周年記念特別広告講座
タイトルなげーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
……として開講中の『風とロック広告キャンプ』で、
箭内さんから受講生に向けて出されたお題。
先日、ゲスト講師がTOKYO FMの森田太さんの回のとき、
僕も遊びに行っていいすかと言って聴講生的にお邪魔したんだけども。
そのときに、受講生のみなさんが持ってきた、このお題への回答も、
いくつか見せてもらったんだけども。
YOU DON'T KNOW.
YOUって誰。
伝えたい思いを伝えたい言葉で。
伝えたいのは不特定多数の『誰か』じゃなくて、
自分の目の前にいる『アナタ』なんだ。
その熱が、今のコピーには欠けている。
箭内さんはそういうことが言いたかったんじゃないかと思う。
3/15のオンエアでも編集されるの分かってて思わず熱くなっちゃったんだけど、
そして思いもかけず編集されずにオンエアされちゃったんだけど、
(ディレクターのかどやん、ありがとうございます)
僕は、頑張れって言葉は全然嫌いじゃない。
正確に言えば、言葉なんて、何でもいいと思ってるし、
頑張れのままでもいいんじゃねーの、と正直思っている。
『頑張れ』だろうが何だろうが、言い続けることが大事。
『頑張れ』に、無責任さや、上から目線や、分かってもらえなさを感じることが、
反発の最大の理由だとすれば、隣にい続けること、言い続けることが大事。
そんな僕の思いを、千葉県のラジオネーム:ブラックリーはクリエイティブに解決してくれた。
"見てるから"
そう。
見てるんだよ、ずっと。何があっても。
見ててくれ、ずっと。何があっても。
覚悟がいる言葉。
だからこそ熱が伝わる言葉。
思いが届く言葉。
相手の目を見て言わなきゃいけない言葉。
それこそが今の広告のコピーには足りない。
風とロック広告キャンプのみなさん。
僕のような三下が差し出がましいですが、個人的にそう思ってます。
そしてこのラジオ風とロックも、そうでありたい。
オンエアではカットされてましたが、もう1個イイのが届いてまして、
安江正之さんの案。
『頑張れ!』『頑張る!』に代わる新しい日本語。
『夕張れ!』『夕張る!』
コレもいいですね。
言葉の上っ面にある反射的嫌悪感を上手に取り除いた上に、
いつでも、経済破綻から復興しようと頑張ってる夕張市に
誰もがちょっと思いを馳せちゃう。
「お前、もっと夕張れよ!!!!」
いいっすね。ニッコリしちゃいます。素直に夕張ろっかなと思っちゃう。
みなさん、今日も1日、夕張りましょう。草葉の陰から見守ってます。
http://blog.magabon.jp/radio/2008/03/post_1.html