暗黒面に落ちたアナキン・スカイウォーカーは溶岩で大火傷を負いましたが、

火傷の治療もロクにされることなくあのダースベイダーの黒マスクをダイレクトに被らされて

ギューーーーーーーーイタイイタイイタイイタイ!!!!!!やめてあげてお父ちゃん!!!!!

火傷おさまってからにしてあげて!!!!!!!!

スターウォーズ・エピソード3を観た時の感想は、

麻酔もせずに虫歯を削られたあの日を思い出す。そんな感じ。だけしかないです。

聞いてんのかルーカス。世界のすみっこで愛以外のことを叫ぶ僕の声を。




ダークサイド・オブ・クリエイティブ。

先日、箭内さんがシブヤ大学で開講した授業テーマですけど。

自分の思いを届けるために必死になるときの手段としての、

胡散臭さ、汚さ、姑息さ、ズルさ。

全ては思いを届けるため。クリエイティブを大回転させるため。

実現するため。

企画力とは実現力。

ズルいこととか抜け駆けとかせずに、みんなと完全に同じ条件で、

私の才能を見出してほしい。評価してほしい。ほめてほしい。

「あいつ、きたねーなー」って周りからヒソヒソ言われるのはイヤ。

白馬に乗った王子様、早く私をカワイイと言って連れ去って。

私はここで、たけのこの里食べて待ってるから。

イノセントに見えて、傲慢。

 

告白はしましたけど、彼氏がいるのと言われて玉砕しました。

でも、思いを伝えられてスッキリです!!

…もう、そんなスッキリには飽き飽きです。だって結局付き合えてないんだもん。

 

俺は私は顔も性格もブサイクだからモテるわけない。

彼氏彼女なんか一生できない。

そう言ってズブズブと腐っていく人もたくさんいるでしょう。

全くの逆です。

人間は、ブサイクでもモテることができる、唯一の動物です。

こんな素晴らしい事実を見逃してはいけません。

羽の小さいクジャクは、何をどうしたってモテません。

非力なライオンがハーレムを作る事は絶対にできません。

孤独に死んでいくのみです。

でも、ブサイクな人間は、交際できる可能性があります。

それどころか、めっちゃくちゃモテる可能性だって秘めてます。

人間は、ブサイクでもモテることができる、地球で唯一の動物です。

 

閑話休題。

 

数年前、僕は箭内さんに誘われて、PARCOのキャンペーン広告のコピーを書きました。

放送業界でしか仕事をしたことがない僕にとっては、何もかもが初めてで、

すげー緊張したし、ドキドキしたし、不安だったし、

期待に応えなきゃというプレッシャーもあったし、もうワケの分からん状態でした。

結局、期待に応えられたのか応えられなかったのかは、聞いたことないんで分かんないし、

お金をもらってやった仕事を勝手に自己採点するのも失礼だから、

今まで振り返りはしませんでしたし、これからもしないと思います。

昔の仕事にも興味ないし、将来やるはずの仕事にもあんまし興味がない。

どんだけダサい転びかたをして失笑を浴び続けても、

今この瞬間にやってる仕事にしか興味が湧かない。なぜでしょうか。

 

その広告に出演してたのが木村カエラちゃんです。

 

僕はぬるま湯で何も考えずに育ってきたおかげで、

脆い脆い理想主義を身にまとって生きてました。

姑息とか、胡散臭い、とかが大嫌いでした。

実力とか才能で全てを評価してもらえると思ってて、

その才能の伝達手段については、潔癖という名のノープランだったと思います。

最近まで、その傾向はありました。

だから、仕事でカエラちゃんに会っても、

「あのCM、俺がコピー書いたんだよー」って言うのはすごく恥ずかしかったし、

何かつながりをアピールして仕事を有利に回転させようとか取り入ろうとか、

そういうことをする自分が許せなかったというか、勇気がなかった。

そういうの抜きでいい仕事して、「おっ」と思わせてやろう。

そう思ってました。

 

もう…ゲストで来てもらっただけで何回あるかなー…

78回ぐらいは会ってるかもしれない。

でも、カエラちゃんは、そのことを全く知らない。

全然いいんです。今のままで。

たまーに会って、「あ、この人、前にどっかで見たことあるわー」とか、

そんなんで十分です。裏方ですしね。

いずれにしても、ちっちゃい話。ダークサイドですらないです。

でも、当時は、そう思ってました。

今から思えば、普通に言えばいいじゃんって感じなんですけど。

でも、僕がもし、姑息さやズルさを持って仕事を続けてきてたとしたら、

今頃は、どうなってんのかなーと。

カエラちゃんに会うと、いつもそのことがリマインドされます。

「たられば」を言うようじゃ、僕もまだまだ過去に引きずられて生きてるんでしょうね。


http://blog.magabon.jp/radio/2008/03/parco_says.html