涙くんサヨナラ2006
可燃ゴミ「どうして!どうして一緒にいられないの?!」
不燃ゴミ「理由は聞かないでくれ」
可燃「私の...私のコト、嫌いになったんでしょ!」
不燃「ちがう!それはちが...」
可燃「じゃあどうしてSAYONARAなんて言うの?」
不燃「だから理由は聞かないでくれって言っただろ!」
可燃「どうして...」
不燃「すまん、大声だして。ただ、これだけは分かってほしい。俺は今でもお前のことを、心から愛してる」
可燃「(泣)」
不燃「SAYONARA。元気でな」
うわああああああああああん!お互い好き同士なのに、どうして別れなきゃいけないのよおおおおうあわああああああ、あスーパーに買い物行かなきゃ。
おらー!!何で泣く!何で泣きたい!偉いか!そんな偉いか泣くのが!そんな楽しいか!なんだよ最近!どいつもこいつも「泣けるもの」ばっかり!大体『泣ける』ってなんだ!『I can 泣く』か!『感極まって自然と涙が出る』ことだろうが!泣くんならおのずから泣け!気軽なオナニー感覚で泣いてんじゃねー!
...そんな主張を常日頃からしておる中、先日リリー・フランキーさんの『東京タワー オカンと僕と、時々、オトン』をyonda。グッと来た。いい本だった。でも泣かなかった。内容の如何は問わず、俺は他人の作品や他人の体験談で泣くことが一切合財イッサイガッサイワッショイワッショイソレソレー!それくらいの勢いで全くないのでいつもの通り泣かなかった。ただそれだけ。
俺よりも少し前に、リリーさんの本を読み終えた仕事仲間が俺の元にやってきた。
「読んだ?」
「読んだ」
「どの辺で泣いた?」
「どの辺でも泣かなかった」
「え?おかんが笹塚に引っ越してきてからあとは、俺泣きっぱなし」
「確かに。たまんないよなアレは。感動する」
「泣けたでしょ?」
「だから泣いてないよ。」
「...お前、人間じゃねーよ。人間じゃない。人間じゃない......(フェードアウト)」
何で?感動したって言ったでしょ。どうして泣くことを強要するの。ねえ。♪こなーーーーーー兵頭ゆきーーーーねえ。
そんな怒りに任せて乱暴にサジェストしてみる。『何でもかんでも泣かないほうがクリエイティブじゃねーか?』
思わず涙する感動作は、この世に数多く存在する。けど『作品を見て泣く』のと、『泣くために作品を見る』のとでは大違いなんだと。目玉焼きと目玉くらい違うんだと。河童巻きと河童くらい違うんだと。その違いを見分けることをもってクリエイティブとしてみないか。