山本山本佳宏 yanmo.jp

2014年1月のエントリー 一覧

シックスセンスはブルースウィリスも途中から実は幽霊


街ですれ違う人はかなりの割合で僕をチラ見します、正確に言えば僕の髪の辺りをチラ見します。

 

これは当然僕がかっこいいからではありませんで単に髪の毛の色が変だからなんですが、人から見られるのが苦手なもので、「いやいや金髪なんか今日日、掃いて捨てるほどおるやろ、何が珍しいねん見るな見るな」と理不尽なことを思ったりしてしまいます。しかしよくよく考えてみれば、珍しいから見るのではなくて、いい年こいた男が下品なオカマみたいな汚い身なりをしているから、眉を顰める意味で見ているんですよね、きっと。

 

金髪やめればええがなという話はともかく見られるんですがチラ見です一般的には。それが齢を重ねるごとにチラ見ができなくなるのかしなくなるのかは分かりませんが、ジーっと、見るようになる。

サッと見てサッとやめる、みたいな反射神経が鈍っているのか、お前何見とんねんコラと因縁をつけられる危険察知能力が鈍くなっているのかマジマジと、赤の他人である僕を見つめてきます。アホなんでしょうか。

 


サッカー(後編)

 

入学と同時にJリーグが開幕することもあり、同期の中では、「誰がどのチームを応援するか」の会議が行われました。いわゆる、『推し』を決める会議です。

現在のような、地域密着型の地道なクラブ運営とは違って、当時はバブルの最後っ屁とばかりに、いかにも代理店型のイベント花火が上がり、彼らも当然、その花火に乗せられました。地元のチームを応援しなければならないという気分には全くなりませんでした。

 


サッカー(中編)

 

毎学期末に、校内大会というものが開催されます。学年ごとに、クラス対抗でサッカーとバレーボールのトーナメント戦を行うものです。修学旅行もなく、学園祭とは名ばかりの、保護者とだけが見ることのできるつまらない部活動披露会であるこの学校において、この校内大会は貴重な、イベントらしいイベントでした。

中学1年生、最初の校内大会。まがいなりにも彼は、クラスで数少ないサッカーの経験者でした。彼は、「キーパーが下手だとどれだけ頑張っても負けてしまうから、俺がキーパーをやる」と申し出ました。言うまでもなくそれは口実で、彼はそれなりに自信があったゴールキーパーをすることによって、周りに、特に女子に、チヤホヤされたかったのです。


サッカー(前編)

 

日本においては一マイナースポーツに過ぎなかった当時のサッカーの専門誌は、『イレブン』『サッカーダイジェスト』、少し遅れて『ストライカー』と、三誌が細々と刊行されている程度でした。そんな娯楽雑誌を買うようなお金など持ち合わせない彼は従兄の本棚から雑誌を抜き取り、むさぼるように読みふけりました。




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