山本山本佳宏 yanmo.jp

コラム

業界用語撲滅運動


先日、ちょっとしたお仕事でスタジオを借りたんですけど、何ていうんですか、映画とか広告とかで使うような立派な箱のスタジオではなくて、マンションの一室を改造したような狭いスタジオ。

和室があってその隣はお姫様の部屋で、反対側の壁は古い洋館みたいな感じで階段は骸骨転がってる洞窟みたいな。狭い中に色々頑張って詰め込んであります。

 

で、僕は和室を使いたくて色々探してもらっていたんですが、なかなかイメージに合うのがありませんでした。和室スタジオって基本的には良い具合の侘び寂びを演出した、枯れた感じのところが多くて、僕が望む、大奥みたいな感じのド派手なのはあまりありません。少ない予算でそんなもん希望すんなよって話かもしれませんけど。

で、「こんなところはどうでしょうか」という候補で冒頭のスタジオを挙げて頂きまして、ここいいじゃないですか、他になさそうだしここにしましょうということになりました。


シックスセンスはブルースウィリスも途中から実は幽霊


街ですれ違う人はかなりの割合で僕をチラ見します、正確に言えば僕の髪の辺りをチラ見します。

 

これは当然僕がかっこいいからではありませんで単に髪の毛の色が変だからなんですが、人から見られるのが苦手なもので、「いやいや金髪なんか今日日、掃いて捨てるほどおるやろ、何が珍しいねん見るな見るな」と理不尽なことを思ったりしてしまいます。しかしよくよく考えてみれば、珍しいから見るのではなくて、いい年こいた男が下品なオカマみたいな汚い身なりをしているから、眉を顰める意味で見ているんですよね、きっと。

 

金髪やめればええがなという話はともかく見られるんですがチラ見です一般的には。それが齢を重ねるごとにチラ見ができなくなるのかしなくなるのかは分かりませんが、ジーっと、見るようになる。

サッと見てサッとやめる、みたいな反射神経が鈍っているのか、お前何見とんねんコラと因縁をつけられる危険察知能力が鈍くなっているのかマジマジと、赤の他人である僕を見つめてきます。アホなんでしょうか。

 


サッカー(後編)

 

入学と同時にJリーグが開幕することもあり、同期の中では、「誰がどのチームを応援するか」の会議が行われました。いわゆる、『推し』を決める会議です。

現在のような、地域密着型の地道なクラブ運営とは違って、当時はバブルの最後っ屁とばかりに、いかにも代理店型のイベント花火が上がり、彼らも当然、その花火に乗せられました。地元のチームを応援しなければならないという気分には全くなりませんでした。

 


サッカー(中編)

 

毎学期末に、校内大会というものが開催されます。学年ごとに、クラス対抗でサッカーとバレーボールのトーナメント戦を行うものです。修学旅行もなく、学園祭とは名ばかりの、保護者とだけが見ることのできるつまらない部活動披露会であるこの学校において、この校内大会は貴重な、イベントらしいイベントでした。

中学1年生、最初の校内大会。まがいなりにも彼は、クラスで数少ないサッカーの経験者でした。彼は、「キーパーが下手だとどれだけ頑張っても負けてしまうから、俺がキーパーをやる」と申し出ました。言うまでもなくそれは口実で、彼はそれなりに自信があったゴールキーパーをすることによって、周りに、特に女子に、チヤホヤされたかったのです。


サッカー(前編)

 

日本においては一マイナースポーツに過ぎなかった当時のサッカーの専門誌は、『イレブン』『サッカーダイジェスト』、少し遅れて『ストライカー』と、三誌が細々と刊行されている程度でした。そんな娯楽雑誌を買うようなお金など持ち合わせない彼は従兄の本棚から雑誌を抜き取り、むさぼるように読みふけりました。


コミュニティの一生


お断りしてきますと、僕は名言が嫌いなわけでは全くありません、名言に群がる人が嫌いなだけです。あのバンドは好きだけどファンと取り巻きががキモイから嫌、的な、例のアレです。

せっかく良いなーと思うんだけど、その周りに群がる人たちがキモイせいで、その良いなーと思うもの込みで、丸ごと避けてしまう。僕は群れそのものがあまり好きではないので、さらにその外周から火事場見物のように眺めるのも苦手です。なのでより一層そう感じてしまうのかもしれませんが。

 


選ばれるということ

 

「放送作家のなり方は100人いれば100通りある」

 

作家がガキに聞かれる質問の2TOPは、「○○(芸能人)と会ったことある?」ともうひとつ、「どうすれば放送作家になれますか?」なんですが、どうすれば作家になれるかと尋ねれば、作家は100人が100人とも同じように答える。

 

「放送作家のなり方は100人いれば100通りある」

 

そこは100人いれば100通りの答えを言いなさいよ。

ひねりなさいひねりなさいと嘉門達夫に言われながらひねりなさいよ作家のくせに。

 


何かメルマガのお題募集(後編)

 

さて先週号に引き続き、皆様からTwitterでお寄せいただいたお題を元に、何ごとかを書いていこうと思います。お題をご提供くださった方のほとんどはメルマガをご購読されていらっしゃらないかとは思いますが、一応、読んでらっしゃるつもりでお答えするような感じで。

 

 

 

*本気について。人間どこで本気を出すべきなのか、出さないまま終わることもありなのか。一体本気て何?…などとふと考えました。いかがでしょう。

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何かメルマガのお題募集(前編)

 

あまりにも筆が進まない、メルマガはまあ別にいいとして筆が進まない、筆が進まないなんていう理由で僕の蝋燭が源平討魔伝のごとく着実に減っていくのを見るのは本当に悲しくなります。あと何本残ってるのかしら。

 

そんな悲しさや焦りは冷静な判断能力を奪ってしまいますもので、僕はTwitterに何かを頼ろうとしてしまいます。

「何かメルマガのお題募集」

 

これまでもメルマガでお答えしてきたこと、さらにはもっともっと気が遠くなるほど昔に正解を見つけ、気が遠くなるほど繰り返し答え、全く伝わらなかったことも、含まれているかもしれません。それ前見た、というものにつきましては何卒ご容赦ください。

今の僕はお悩み相談室でも、学校の先生でも、番組スタッフでもありませんので、かつてに比べればなお一層、媚びは減少してしまっておりますので、お気に障った方に対してはお詫びしますが、訂正はしません。

 

 

ともあれ、Twitterでのワガママなお題募集にお付き合い頂きまして誠にありがとうございました。できる限りお答えしてまいりたいと思います。

 


やっぱりスタバ好き


人を殺してそうな顔と言われて久しく、僕も全くそう思いますので全く不快ではありません。「人を殺していないことに違和感」と意識高い違和感ババアにツイートされる日も近いのでしょうがそんなことはどうでもよくてですね、夜道などではむしろ申し訳なくなるほどには自覚しております。

 

家への帰り道、少し後ろを歩く僕を何度もちらりちらりと不安げに振り返り、ついには小走りになって遠ざかって行く女たち。私の上を通り過ぎて行った男たち。そうそう、それぐらい警戒するぐらいのほうが安心だ、何かあってからでは遅いのだからお逃げなさい、お嬢さんお逃げなさいと一応鷹揚に構えてはみるものの、やはり奥歯には不快感がのカスが残っています。

誰がお前なんか襲うか! と心の中で叫び残りカスを飲み下したのち、僕は考えました。やっぱりちょっとは傷つくので、もう少しくらいは、人を殺さなさそうなオーラを纏いたいです。


 

どれだけかわいらしく、あるいは爽やかな格好をがんばってしてみても走って逃げられてしまう。この前なんか若妻がベビーカーをボブスレーのごとく押してカーブを曲がって行きましたから。

そんなイカ墨色の感情に襲われたことのあるブサキモは僕だけではないはずです(ビュッと落涙)

 

しかしご安心ください。僕はこの、待ち針で手のひらをチクチクと刺され続けるような心の痛みの蓄積から解放される術を、先日偶然発見することに成功いたしました。もう大丈夫ですみなさん。




山本山本佳宏 『二十世紀の未読』 完全版(pdf/epub)

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