何で僕がこういった『コミュニケーションする日記』というお題目で何がしかの講釈を垂れているのかは、以前お話ししたことではございますけれども、そうです。
シブヤ大学のコミュニケーション・クリエイティブ学科で、箭内さんと一緒に、講義をしましてこのお題で。
その流れで今回、
さて。続きです。
本題を続ける前に、軽くつぶせる角度はつぶしておこうかなと思います。
昨今、どんな感じのブログが人気なのかということでランキングを見てみたりしますと、わりと人が集まりやすいジャンルは、
犬猫日記
僕はペットに全く興味がないですけども、犬猫の写真乗っけときゃキャーキャー言って見に来るっしょ、っていうのは全く理解できます。実際アクセスもありますからね。
何も考えなくていい手軽な快楽っていうかね。そういうのを提供してくれる場所には人気があります。
エロ日記
まあわりと根源欲求ですんで当然っちゃ当然ですよねー。
ビデオもDVDもネットも、みーんなエロで大きくなりました。
お姉ちゃんが乳放り出してるって聞いて、見ないっていう判断をする男には明日はないですよ。
特殊世界の裏事情日記
芸能界の裏側とか暴力団の裏側とか風俗の裏側とか、そういう実話系の話だけじゃなくて、サーカスの人とか動物の飼育係とか、一般性の低い職業に就いてる人の裏話には、人気が出ます。これが、以前にも話した、『いるだけで価値がある』人たちですね。
毎日の仕事風景を日記にするだけで、人の知的好奇心、もっと言えばのぞき趣味を満足させられる。
この辺だろうと思いますんです。
こういった人たちも、「私たちだって日記でコミュニケーションしてるわよ、このハゲ!!」とおっしゃるでしょうし、そのとおりだとも思いますが、犬猫を飼ってない人も、乳を放り出せない人も、サーカス団員じゃない人も、自分の日記でコミュニケーションしたっていいじゃない。
『自分の持ち物の価値』から解放されてコミュニケーションしたっていいじゃない。
そういう趣旨でスタートしておるわけですんで。
しょこたんが、「ブログは、その瞬間の脳みそそのもの」とおっしゃっているように、ブログ日記がコレまでの日記と完全に違う特徴、それは、
リアルタイムであること。
前の月の15日締め切りで翌月末に公開とか、そんなまどろっこしい手続きを踏む必要はない。
書いた。ボタン押した。全世界に公開。
紙の日記でも可能かもしれない。でも5分おきに書く人はいない。
送信という魔法が踏み越えたリアルタイムの壁。
ブログ日記がコレまでの日記と完全に違う特徴、それは、
パートナーがいること。
ブログはコメント込みで1つの日記です。
誰かの感想とそれに対する自分のリアクションがからみあって、日記が完成していく。
いや、完成しないのかもしれない。自分の意図とは離れた、永遠の未完成。
日記はコミュニケーションを始めました。
さびしんぼたちの出会い系のツールとして、ではなく、僕たちにとっての、自己プロデュース、自己ブランディングの場所として。
他人を巻き込んで、その反応が自分の背中をさらに押して転がっていく。
そんな毎日のための日記。
http://blog.magabon.jp/radio/2009/03/20095.html