注)これは昨年、どこぞに書いたモノの転載です。
現在とは事実関係が異なることもあるかもしれませんが、いじらずそのまま掲載します。
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『自分探し』という名の現実逃避。
そのブームも定着して結構たちましたね。
現実から目を背けても、とりあえずは餓死しないで生きていける。
日本はそういう意味でとても恵まれた国です。
僕がやったことは、『自分探し』だったんでしょうか。
そうかもしれません。
お恥ずかしい限りです。
俺のやりたいことって、何だっけ?
俺って将来の夢、あったっけ?
俺の人生、これでいいのか?
生来持ち合わせていた『引きこもり気質』が、
久しぶりに顔を出しました。
東京でのTOEIC研修から数日。
外界との連絡を完全に遮断して、
部屋に引きこもりました。
多分丸2日くらいかな。
彼女への言い訳が結構大変でした。
東京にいたときでさえ、夜はニャーニャー電話してましたから。
それが翌日からいきなり電話に出なくなる。
ワケわかりませんよね。
僕は、彼女に理解して欲しいとは思っていなかったのか。
極論すれば、そうだったのかもしれません。
彼女のことは大好きでしたし、多少なりとも結婚を意識した瞬間が、
何回かあったんじゃないかと思います。
でも、自分の心の闇を分かち合おうとは思わなかった。
考えた末に決断したわけじゃありません。
最初から最後まで、そうでしたね。
例え別れに至ろうとも、誰にも触れられたくない部分が、
僕にはありました。
部屋にこもって考えても、答えは出ません。
答えが出ないというか…踏ん切りがつかなかったんでしょうね。
3日後、煮詰まってバイトに行くことにしました。
特に何事もなくバイトを終え、家に帰り、
メシを食って、風呂に入り、家族が寝静まり。
僕は久々に、テレビの前に座って、
いつものように、MTVとスペシャをカチカチやり始めました。
カチカチカチカチ。
就職すんの、やめよう。
多分、このまま銀行員になったら、後悔する。
だからって、自分がどうなりたいのか、
はっきりと決めたわけじゃないけど、
その後悔しているビジョンだけは、なぜかくっきり見える。
やめ。就職、やめ。
答えが出るまで、就職、やめ。
僕がしたことは、『自分探し』という名の、現実逃避でしょうか。
多分、そうです。
さて。
彼女に電話するか。
先に親に言えよ、俺www
とりあえず、あんまりやめる言い訳も良く考えずに電話。
「就職やめる」
「え?!!! もったいない!! 何で?」
「冷静になったら、俺銀行員向いてないなーと思った」
「…就職やめてどうすんの?」
「俺現役やし…就職浪人しても、まあいいかな」
「大学教授とかなればいいのに。
サラリーマンより、そっちのほうが絶対向いてるもん。
教授の奥さんとか、ちょっと楽しそうやしw」
教授ね…僕もサラリーマンよりは教授のほうが、
気質としては向いてる気がする。
1人で好きな研究を好きなだけして、たまにやる気のない講義して。
飽きたら家に帰って、奥さんとお茶でも飲んで、
本読んで、寝る。
さすが僕の彼女。誰も捉えられなかった僕の本質を、
なかなか良く捉えられてます。
でも、教授になりたいとは全く思わない。
本質ではあるが、本質の一部でしかない。
まあともかく。彼女が表面上とは言え、受け入れてくれてよかった。
やや拍子抜けするくらいの受け入れ態勢でした。
『ってことは、あと1年好きなときに会える』と短絡的に思ったのも、
あったんでしょうね。
正直、嫌われてもしょうがないなと思ってたんで。
さて、親に言うか。
言いました。
現実味のない話で、
彼らにとっては、なかなか受け入れづらかったことでしょう。
辞める理由も良く分からない。
何を考えているのか良く分からない。
価値観が良く分からない。
分かることは、多分自分たちの言うことに、
息子は耳を貸さないだろうなってことだけ。
信頼関係なんてない。
ただ、世間体としての『カゾク』のカタチを保ちたいだけ。
僕は、母親には愛情を感じますが、
特に当時、父親に対しては親愛も尊敬も、カケラも抱かなかった。
ファザコンなのかもしれませんね。
マジメにコツコツと生き、社会のルールとマナーを遵守し、
地道に結果を積み上げて今の地位を築いた男です。
冒険ができない。ハメを外せない。
己の魂を叫ぶことができない。する意志もない。
僕だって彼に分かってもらおうとは思っていません。
ただ、決定事項を伝えただけです。
就職するのを辞めます。
就職浪人して、来年もう一度、活動し直します。
以上。
今振り返れば、悪いことしたなーと素直に思いますが、
今は今。あの時は、あの時。
仕方ない。
さて。面倒な作業は、まだ残っています。
B銀行に、内定辞退を伝えなくてはいけません。
こわ。
もう9月になろうとしています。
10月を越えると、正式に書類を交わして、
来年からこの会社で働きます、という契約が成立します。
10月を過ぎれば、契約不履行で銀行から訴えられる可能性も、
あるわけです。(まあめったにやらないとは思いますが)
人事に電話しました。
やめると伝えました。
電話じゃなんだから、直接話そうと言われました。
次の日朝から出かけました。
小さな応接室に呼ばれ、座らされました。
そこから10時間。軟禁状態です。
延々説得が続きます。
色んなおじさんから兄ちゃんから、入れ替わり立ち代り。
ある人は情に訴え、ある人は声を荒げ、ある人は僕の人格否定を始め、
ある人は、内々定でも契約不履行で訴える事は可能だと言い、
ある人は、来年就活やってたら絶対に許さないと言い。
何度心が折れそうになったことか。
でも、今さら元には戻れない。
ゴメンなさい。ありがとう。さようならB銀行。
疲れた。
ここまでしてやめる必要あったかしら?
…あとになってみれば不思議なくらい、
何も見えないモヤの中に向かって、僕は突き進んでいました。
やりたいことなんかないくせに。
辞めたからって何をするわけでもないくせに。
何が僕を突き動かしたんでしょうか。
とにかく、やめるための行動力は、相当なもんでした。
さて。
1年間の自由を手に入れました。
自由、ではありませんね。
正確に言うと、モラトリアムです。
目的もなく就職をやめたわけですから、
やめたからといって、何をすればいいのか、全く見当も付きません。
とりあえず、学費がもったいないな。
半年休学しよう。
4単位残して、後期休学。
これ、留年って言うのか?まあどっちでもいいや。
留年ケテーイ。
http://blog.magabon.jp/radio/2008/07/vol7.html