ホモセンサーというものがですね、あるんですよ。知りませんけど。

 

僕は男が嫌いでもっと言えばおっさんが嫌いなんです、極端に言えば。それはなぜかとよくよく考えれば、ホモへの恐怖心なんですよ。これ毎回言ってますよね。知りませんけど。

 




男が嫌いというと誤解がありそうですが誤解されようと知ったことではないんですが、僕は人生において最も大切な思春期にホモの痴漢に数々の被害をこうむったため、ホモが嫌いです。これは性差別ではありません。痴漢をしない善きホモがいることも知っています。ただその前に、ただただ、ただただ謝ってほしいだけです。ホモたちに。形だけでも。ホモという肩書きに少しでも身を任せて生きたことがあるのなら、ホモが痴漢してすみませんと、その責任の一端を担ってほしいだけです。

 

善き教師もいる。善き警察官もいる。善き政治家もいる。善き大学生もいる。善きオタクもいる。

そんなことは知ってるんですよ。肩書きじゃなくてひとつのインディビジュアルとして向き合わねばならないというのも分かってるんですよ。そうじゃなくてですね。

その肩書きによって利益を得たことが一度でもあるのならば、その肩書きが誰かに与えた影響、もしくは損害についての責任の一端も、当然背負わなければならないと、申し上げているわけでございます。都合の悪い時だけ、「それと私は無関係、私という個人を評価して」というのは、通らないですよそりゃ。

 

 

ここまでの話は完全にどうでもいいんですけど、ホモセンサーというのがですね、あるんですよ。僕の中に。

 

それが正しく機能しているのか、単なる主観や妄想の範疇でしかないのかは全く分かりません。しかし存在している。

鋭い感性とか観察眼によってホモかノンケかを判断する、という意味のセンサーではなく、「あれ…こいつホモじゃないかな」と思った瞬間、怖くて震えだす(身体が)、という、おそろしくしょうもないセンサーでございます。何の役にも立たない。

 

僕は見知らぬ男との距離が近くなることを極端に拒否しますが、そういうわけにもいかないのが、みなさまもご存知の美容室ですよね。ヘアー、サロン。僕にとっては、そしてホモセンサーにとっては、まさに鬼門とも言える場所です。

まず、どうしたって距離が近くなる。触られてしまう。そしてホモが多い。(偏見)

 

先日散髪に行きまして、僕もめっきり老いてしまいましたのだろうか、最近髪の傷みが激しい。

以前は「強いっすねー」と褒められるほどの強く多い髪のおかげで、どれだけガンガンブリーチしようとカラーしようと、びくともしなかったのですが、ここにきてボサボサ具合が加速しております。みなさんが想像する、いわゆるバービー人形の髪の毛を風呂に浸けてしまったあの感じ、あの感じに最高潮に近い。

よって、柄にもなくトリートメントが欠かせなくなってきてしまいました。ペッとかケッとか死ねとかお思いなのは承知しておりますが、髪の間に入れた手櫛が囚われてビクともしない。もはや髪の役割を半分果たしていないんです。羊羹みたいなのが頭に5本ぐらいぶら下がっているような、もう髪の毛とか11本細くなくていいんじゃね的なことになっておりますので、キモいのは十分承知の上でトリートメントをやらせて頂いております。

 

さてそのトリートメントの段になりまして、またいつもとは違う新人のアシスタントの方が僕の所にやってまいりました。

女性ならいいんです。どんな人でも。別にブサイクだろうが身長4メーターあろうが全く気にしない。

男が来たんですよ。まず反射的にウッとなりますよね。知らない男が近くに来ると。ならないですか。

そもそも男に身体とか髪とか触られるの、ウッとなりませんか。息止まりませんか。

しかしここは美容室、僕の緊張とは無関係に彼は僕の髪をイジり始めます。

あーなんか嫌だなー、前にも何かこんな嫌な感じ、この店であった気がするなー覚えてないけど。

 

指。指の感じ。耳や首筋に当たる手の動き。あれ。何か。このねっとりとしたこの、立った小指のこれ……

ピロリピロリピロリピロリピロリピロロリピロリピロリピロリピロリピロリピロロリ

はい鳴ったーホモセンサー鳴ったー。

 

再三申し上げておきますけど、ただの主観ですからね。このアシスタントがホモかどうかなんて分かるはずないんですよ僕みたいなアホに。ただ、そうだと思ってしまったら、個人的にはどうしようもなくなると言っているだけです。



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このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

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