そんなにも現実の人間関係にくたびれ果てているのかな、的な。ありがちな憶測ですけどね。

 

 

業界の隅っこで濁った三白眼を動かしながら観察をしていたひとつの結果報告として、仲が良いのが大好きなんですよ。ファンって。どれくらい大好きなのかというと絶頂するくらい好きですね。ファンって。

これは正解ではなく単なる観察の結果報告ですけども。

 

それがアイドルでもバンドでも何でもいいんですけど、グループのメンバーが仲良くしてるの大好きじゃないですか。

そりゃあ人が仲良くしてるところを見るのは誰だって嫌な気分はしないだろ、という真っ当さを遥かに飛び越えて大好きですよね。




 

ツーショットで写真撮ってるううううう!!!とか、一緒にご飯食べにいってるううううう!!!!とか、ステージのMCでイチャイチャしてるうううううう!!!!とか、何か見つめ合ってるううううううう!!!とか、ツイッターで子供みたいな言い合いしてるうううううう!!!!とか。

それどころか、世間では仲良くないと思われてるんだけど実は心の奥底では強い絆で結ばれているそれが時折垣間見えたりして私はそれを見逃さないいいいいいンオホオオオオオオ!!!!みたいな妄想まで作り上げてしまったりする。

 

僕がかつての業務上、最も気をつけたのは、ある意味ではそれでした。担当する番組の出演者、グループ、メンバーが、仲良いように見えるように作る、ということです。本当に仲が良いかどうかなんてどうでもいい、そう見えるかどうか。内容が面白いかどうか、世の中にとって意義のあるものなのか、なんて極論すれば二の次で、仲良くさえしていれば面白いとか意義があるとかは後付けで勝手に勘違いしてくれる。

アイドルファンだけの話ではありません。バンドでもグループでも、大体同じです。

 

こういう感じって女性だけなんですかね。どうなんでしょう。あんまり男のファン、つまり女性アイドルとか女性グループを追っかけてる男性には見ないイメージだったんですけど。でもあの界隈って意外と、グループ内の誰と誰がくっついてツーショット写真撮ってるとかで盛り上がってる時があるか。「にゃんみなキタ―――!!!!これは貴重!!!!」みたいな。適当なイメージなんで間違ってたらすいません。やっぱ男も、女同士がいちゃいちゃ仲良くしてるところ、見たいんですかね。女性に比べたら、そこまで重視してない気はしますけど。

 

 

いつも申し上げているとおり、これらのことって僕からは最も遠いんですよ。ファン心理の欠片もない乾いた人間なので。仲良いとか悪いとか、そんなことどっちでもいいんじゃないかと、つい思ってしまいがちです。表舞台でのパフォーマンスに支障が出ないんなら何でもいいというか、仲悪さが結果的に面白かったらそれでいいんじゃないのと。

でも、仲悪い結果、解散でもされたら困るわっていう理屈も理解できますし、今や作品じゃなくて人間にしか金払わない時代ですから、作品の良し悪しよりも、好きな人たちの人間関係のほうが気になるのは仕方ないのかもしれない。

 

そんなに好きなタレントの仲良いところ見たいですか?

芸能人の仲の良いところを追い求めてしまうほど現実の人間関係が破綻してるのかな、的な、ありがちな憶測もしてしまいますよね。

 

 

そんな性格の悪そうなことを考えておりましたところ、歯茎腫れました()

罰当たりましたね。

めっちゃ腫れた、パンパンに腫れました。初めてですよこんなの。腫れ上がったり炎症を起こしたりみたいなことが今までほとんどなかったので驚きました。

腫れて痛いというのも当然あるんですけど、腫れすぎて口が横に開かないんです。突っ張ってしまって。

で、急いで歯医者さんに行きましたところ、歯茎にばい菌が入って膿が溜まって腫れていると。冷静に考えればそうでしょうねって感じの診断なんですけど、恥ずかしかったです。ばい菌とか膿とか言われると、まるで自分がすごく汚らしい存在であるかのように思えてきますよね。恥ずかしい診断。

もっと病名とかあれば悲劇にも酔えるというものです。ギランバレー症候群とか。ギランバレー症候群とか。ギランバレー症候群とか。ドクターハウスで覚えた病名ですけど。あのドラマ、ギランバレー症候群って言いすぎじゃないですか?何回言うねんと思いながら観てました。今思えば、声に出して読みたい日本語ってことだったんですね。ギランバレー症候群。

僕は当然ギランバレー症候群ではなく、歯茎にばい菌が入って膿が溜まっただけの汚らしい存在だったんですけど、歯茎をぐさぐさ刺して膿出されるわ歯に穴を開けられてしまうわで最悪な時間を過ごしまして、その足で仕事に向かいました。

 

会う人会う人に、「ストレスじゃないですか!?」って言われたんですけど、そんなにストレス溜めこんでそうですか? そりゃまあストレスないかと言われたらありますけど、病気が何でもストレス由来みたいに言ったらそれっぽく聞こえるみたいなの、どうかと思うんですよね。ストレス社会っていうのは、ストレスがすごく溜まる社会って意味じゃなくて、ストレスっていうものが存在すると信じてる社会のことでしょ。ストレスも病気も、仲悪いなら仲悪いなりに一生一緒に生きていくしかないものですから。お前のせいで私は嫌な思いをしている!みたいなケンカを売る相手ではないような気がします。ストレスも病気も。



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このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

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