はーイヤだイヤだ。

 

アルゼンチン負けてしまいました。

先日もお話をしましたが、アルゼンチン優勝予想というのは分析の結果ではなくて僕の願望ですので、人に押し付けるようなことは致しません。

「月刊風とロックファン感謝デー」のオープニングの原稿を書いてくれと箭内さんから電話で言われた時、「サッカーどこが優勝すると思いますか」というご質問からスタートしたんですけど、ああ僕なんかにお気遣い頂いて申し訳ないなと思いながら、「ドイツかオランダですね」とお答えしました。箭内さんがどこかでワールドカップネタを話すときに恥ずかしくないよう、まともに当てにいった感じで。それをどうやらラジオでお話しされたそうですが、僕個人のワールドカップにおける予想は常にアルゼンチンでしかありません。




28年間、28年間?長いな。1986年メキシコ大会でマラドーナが高々とカップを掲げてから28年間、28年間?長いな。リアルタイムでアルゼンチンの優勝だけを望んできたサッカー人生でした。今回の大会でアルゼンチンが、宿敵ドイツを倒し、永遠のライバル・ブラジルの聖地、マラカナンスタジアムで3度目の優勝を果たし、マラドーナがピッチに乱入してアルゼンチンの子供たちと共にカップを持って、「アルヘンティーナ! アルヘンティーナ!」と大合唱する。そんな幸せな光景に包まれたままサッカー観戦からも完全に引退するぐらいのつもりでした。勝ち逃げ的な感じで。惜しかったな。でもまあ、こうやってグダグダにフェイドアウトしてサッカーを見なくなっていくのも、僕らしくていいのかもしれません。

 

 

先日偶然、安野モヨコさんの『監督不行届』というマンガがアニメ化されますというニュースを目にしたのがきっかけで、原作を読む機会がありました。エヴァンゲリオンの庵野監督と結婚したということを知っている程度で、マンガは一度も読んだことがなかったんですけど、面白かったです。

オタク四天王のひとりと呼ばれる庵野監督の家庭での姿が面白おかしく描かれているんですが、その中で紹介されているのが、「オタクは一度好きになったものは嫌いになったりしない、ずっと好きである」という庵野監督の話でした。子供の頃好きだった仮面ライダーやウルトラマンへの愛は現在でも同じように変わらないと。

 

愛は永遠なりだとか純愛が素晴らしいとか世界平和とかいうのは、望んでも決して手に入らない、現実として存在できないものだからこそ美化され、「正しい価値」として持て囃されているんじゃないかと僕は以前にも申し上げました。「究極のないものねだり」だからこそ永遠に続けられる。この世にないものだからこそ、反証されずに好き勝手に賞賛することができる。手に入ったり、手が届いてしまったりすると、現実が見えてしまう。

僕は、愛は有限であると思っていますし、好きだったものに飽きて見向きもしなくなったり、突然大嫌いになったりするからこそ愛は面白いし魅力があるんだと思っています。有限であり気まぐれであることは愛の価値を下げないし、むしろ上げている。



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このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

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