ドアが半開きになっていると、霊が隙間から覗きますよ的な話は良く聞きますけども。オトナイさんって言うんですか?

 

僕はわりと積極的にドアを少し開けてしまうタイプです。

引き戸もそうですしノブを回すドアもそうです。すーっと閉めて行き、すっと少し隙間を開けて手を放す。よしっ。よしやあらへん。閉めろと。最後まで。

 




無差別に何でもかんでも隙間を開けていくわけではありません。

押し入れとかタンスとか、そういうのではこの症状は出ません。わりとちゃんと閉めます。

大雑把に言ってしまえば、道が分断されるのが怖いんです。ドアを閉めることによって。

だからちょっとだけ隙間を開けてしまう。

 

幼い頃から母親に何度となく「なんで最後まで閉めないのか」と言われ続けても全く矯正できなかったのは、なぜ自分がドアを半開きにしてしまうのかの理由を分かっていなかったというよりも、閉めたくない理由が体内のどこかに確実にあったんだと思います。閉め切って向こう側にいる人と、向こう側の部屋と、向こう側に続く道と、分断されてしまうのが怖いという。だからドアを少し開け続けたと。

 

確か小学生くらいの時に読んだ星占いの本に、「双子座は仕事やプロジェクトの中での自分の役割が終わってしまうのを寂しがる」的なことが書いてあって、そんなもん誰だってそうだろうがというありがちな占いツッコミは置いといて幼い僕はああ、だからドアをちゃんと閉めないんだなと思った。そんな記憶があります。

どんだけ間を想像で埋めているんでしょうか。よくそんな2つをつないだなとしか言いようがありませんが、ドアを閉めきってしまうことによって、そのドアの向こうにいる人に対して自分が果たしていた役割が終了してしまうのが寂しい、だから少し開けたまま、まだ向こうとつながっていると安心したいのだと、少年は思ったんでしょう。勘違いもいいとこですよね。子供に占いなんて見せたらいけないです。エロ動画と同じように厳しく管理すべきです。

 

 

何度か申し上げております通り、僕には霊感が一切ありません。何かの気配を感じたことはありませんしエクトプラズムを出したこともありませんし恐怖新聞が届いたこともありません。繊細さのかけらもない生ゴムのような鈍い人間です。

ただ霊感が一切ないのと、霊的なものを怖がらないというのは別物で、僕はオカルトとか恐怖映画みたいなのは怖くて観れませんし、お化け屋敷も怖くて絶対に入れません。幽霊怖いです。見たことないしこれからも見ないと思いますけど。

 

ですから、何でもかんでもドアを半開きにして怖くないわけがないんです、ベッドに入って電気消して、リビングのドアが半開きなのが目に入ったりするんですよ、わーやだなーやだなー、ちょっと開いてるなー。稲川ちゃんちょっと開いてるなー。だから閉めろよ。いや閉めたいのはやまやまなんですけど何か葛藤がある。閉めたい心が何かと戦っている。それが何かは分からないですけど。分からんのかい。分かってから書けと。

 

きっと誰かが、「何でちょっと開いてるんだよ」と言って無慈悲にピシャッと閉めても「おい!!!!!!!!」みたいな反応はしません、そこまで戦っているわけではありません。「あー…そうですか」みたいな感じで寝ると思いますけど、また次の日もちょっとだけドア開けて出かけていくんじゃないでしょうか。

 

 

そういえば昔、車の半ドアから必死に覗いてくる幽霊みたいなネタを書いたことがあります、僕は飽きましたけどネタ的には面白いので書きたい方はご自由にどうぞ、差し上げます。



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このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

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