加湿電気ヒーターと言うんでしょうか。

トイレへの通りすがりにチラと目を遣ると上面にうっすらとホコリが乗っていまして、僕は目の前のことしか考えられないバカですので、気まぐれなやる気が芽生えて、ウェットティッシュを持って来て拭きはじめてしまいました。




上を拭き、表を拭き、裏を拭き、家電をしっとりつやつやに仕上げて吸気口も忘れずに拭き、ウェットティッシュはホコリだらけでした。

やっぱり吸気口は汚れているんだなと思ってもう一度新たに拭きなおしますと、まだまだ同じぐらい汚れています。なんだか意地になってさらに拭きましたが汚れはとどまるところを知らず、それどころかネズミ色の毛みたいなものが溢れ出る始末です。どれだけ汚れていたんでしょうか僕の部屋は。

躍起になって新たなウェットティッシュを激しく動かしますが毛はさらに勢いを増して生えてまいります。淫獣かな?

拭けども拭けどもホコリ、いやホコリを越えた毛玉のようなものを取り除くことはできませんが、僕が望んで始めた闘い、ここで退くことはできません。吸気口の隙間にウェットティッシュを巻いた指を肛門科のごとくグリグリと突っ込み壊れちゃえ壊れちゃえと叫びながらほじくり返して指先に確かな毛の存在を感じ来たと。ついに来たと。俺はこの薄汚い社会の病巣をついに突き止めたと力の限りつまんでズルズルズルズルズル―――――――――フィルターでした。吸気口の。中にある。ホコリの毛玉だと思ってたら。何と。そら毛も延々生えてきますわ。丁寧にまっすぐ伸ばして元に戻し、僕はトイレに行きました。我慢していましたので。何の話なんでしょうか。フィルターは毛が生えないタイプのものにしてほしいわという話と、間もなく暖房も使わなくなる季節ねという話です。オカマかな?



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このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

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