メールいくつか頂きましたので足早にお答えしておこうかと思います。

皆様いつもご感想ありがとうございます。拝読しております。

 

2020年東京オリンピック開催決定しましたね。

「やんもさんは東京でオリンピックを開催して欲しいと思いますか?」とのご質問も頂戴しました。

 

今日の僕たちは主に、『リアクションのみ』で生きています。寝転んでいる巣の中に、ゲロ状の栄養物がドバドバと引っ切り無しに降り注ぐ状態。腹が減ったら寝転んだままで口を開ければ事足りて、満腹になればまた口を閉じて寝る。

 

太郎を眠らせ、太郎の屋根にゲロふりつむ。

 

近いうちに僕たちはこのニュースのこともすっかり忘れます。何年も何年も前から、原発爆発以前も以後も、誘致活動は続いていた。そして僕たちはずっと寝ていた。ゲロの照射を受けながら。

 



 

僕個人の感想で言えば、オリンピックが東京で開催されようがされなかろうがどっちでもいいです。

まず7年後に僕が生きている可能性が極小であるということと、開催そのものよりも興味深いことがあるということからです。

 

やだー、また時事ネタで人の興味を引こうとしたりして。卑しい人間ですこと。

 

卑しいついでに、もう少しだけ続けますか。

もちろん東京オリンピックを誘致し招致に成功するに至る一連の事は、僕たちを大きく分断する美味しいネタとなっています。原発と全く同じです。僕たちは今、二十一世紀にいます。二十一世紀は変化と共感の時代ではありません。加速と分裂の時代です。

 

オリンピック開催賛成派と反対派の熱いバトル。あほらし。

開催があほらしいのではもちろんありませんし、開催に賛成することや反対すること自体があほらしいのでもありません。

そして同時に、「考えの違う人たちも手に手を取り合って進もうよ」なんて言うつもりも、ありません。

 

開催に賛成なのか反対なのか、で線引きをすることが、あほらしいんです。

 

僕たちに必要な線引きは、「みんなのために何かをしたいと思っている」か、「自分のために何かをしてほしいと思っている」か、です。

こういうと、「うんうん、私もみんなの幸せをいつも願っているよ、ピースピース、ワールドピース!人類皆兄弟!」とか大抵の人が必死にアピールするんだろうと思いますが、そのウソはですね、バレますよ。

 

もしあなたが「みんなのために何かをしたい」と思っていて、相手も「みんなのために何かをしたい」と思っていれば、それは同じグループなのです。あなたがその相手を殺したいほど嫌いであっても。

 

原発を推進するのも反対するのも、五輪に賛成するのも反対するのも、目的を達成する手段のひとつです。

五輪に賛成するのは手段。反対するのは手段。目的ではない。

目的が同じであっても手段が違う、あるいは、目的が違っても手段が同じ、ということは頻繁に起こります。

 

そんな時に、僕たちはどうしますか。どうしたらいいんでしょう。

あなたは、「みんなのために何かしたいと思っている」人間なのか、「自分のために何かしてほしいと思っている」人間なのか。

 

 

それがお分かりになれば、経済とかキャッシュフローといった意味合いだけでなく、

「五輪もいいけど他にやることあるだろ」「他に金の使い道あるだろ」

などという御意見をおっしゃる方も少しは減るんじゃないかとは思うんですが、あまりにも予想通りに人々が分断され、極小の群れとなって四方八方に加速して飛んでいくさまを見るにつけ、大変興味深く感じました。

 

 

それはさておき、僕の記憶に残る最初のオリンピックは、商業主義の先駆け、ロス五輪です1984年。開会式で宇宙飛行士プシュー、戦闘機ビューン、カールルイス速いー的な大会。僕はわりかしスポーツ好きなほうですので、子供の頃はわりと五輪をテレビで見ておりました。東京五輪は夜の良い時間に観られることでしょう。

1964年の東京オリンピックを知らない世代の僕にとって、オリンピックは競技そのものの魅力を感じるよりも、遠い異国の雰囲気を嗅ぐためのイベントでした。わー海外やなー、外人いっぱいやなー的な。自国開催は、それがなくなってしまう寂しさもどこか覚えますね。マラソン中継で完全に東京マラソンと同じ、見飽きた景色を2時間映されるのかと思ったら、少しつまらない気持ちになります。

サッカーのワールドカップの時はそういうの全く感じなかったですけど。電車に乗ってワールドカップを観に行ける喜びだけで身体が満たされていました。オリンピックは、まあ別に、そんな必死で観たい競技もないし。その違いもあるでしょうね。

 

 

やばいやばい、時事ネタはやっぱり良くないですね。



........


このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

全文は是非、メルマガでお読みください。


★登録:http://www.mag2.com/m/0001310550.html