車のシートを倒して寝転んでサンルーフを開けたら、そこには満天の星空が広がっている。

空には言葉が、ゆっくりと、しかしとめどなく流れていき、僕はそれを眺める。

 

この世界のどこかにいる、名も知らぬ人たちが今、ひらめき、望み、こぼしている心の欠片たちが空に昇り、ひとすじの川となって流れているのだ。

 

言葉の川を見て、僕も何かをひらめき、何かを望み、なにかをこぼす。

そしてそれも同じように空を昇り、川の一部となる。

地球の裏側にいて、僕と同じように星空を眺める男の、あるいは女の上を、流れていくのだ。

 

それが誰であっても、彼らが僕の欠片に気づかなくても良い。

この川はずっとここにあって、僕はまた明日も、星空を眺めるだろう。

 




 

何か、大昔に、ウェブサイトの企画を出してくれと言われたことがあって、何だったかなー、イマイチ細部までは思い出せないんですけど、たぶん自動車がらみだったかな? 良く覚えてません。

で、別にウェブサイトでメシ食うつもりないし、とか当時は思っていましたので、企画を通す意欲みたいなのがあんまりなかったんです、もちろん力量も全くありませんでしたけど。

ですから、今自分が使いたいサイトが何かを考えて、それで通ればラッキー、通らなくても別にいいですみたいなナメた態度で企画書を書いたんですけど、それが上記の内容です、ざっくり言えば。

 

昔、エキサイトだったかな? サーチストリームというサービスがありまして、と書いてて今見てみたら何とまだありました!

 

http://www.excite.co.jp/search_stream/

 

“みんなが何を検索しているのか知りたいと思ったことはありませんか?

サーチストリームは、みんなが入力した検索キーワードをほぼリアルタイムで表示します。

流れてくるキーワードをクリックすると、そのキーワードでサーチすることができます。”

 

当時、これ見つけた瞬間に、これだ!!!! と思いましたね。すごく気分にぴったり。イイの作るやん、エキサイトと。この流れていく感じがいいね。

もう今やウンコみたいに無視されているサービスですけど、何のことはありません、検索エンジンとして覇権を握れなかったら根底からこのサービスの意味が崩れ落ちてしまいますもんね、誰もエキサイトなんかで検索してないんだもん。

 

それはともかく、当時の僕は、ブレインストーミングというか、ネタ探しというか、色んな発想をしていく手がかり足がかりを欲していたんです。インスピレーションを湧かすための部屋というか。

 

たとえば、このサーチストリームに、「大根」 「ネイルサロン」 「帝京大学の偏差値」とかが流れてきたとして、むむむ、大根みたいな指したオバハンがネイルサロンに来て、バケツいっぱいのマニキュアに指浸けながら担当の店員の大学の偏差値をしつこく聞く話かな? ええやんわりと、でも大学は要らんか? とか、そういうことをしながらガンガンメモっていく、みたいな。

そういうのがしたかったんですけど、まあダサいじゃないですか、このサイト。どうしようもない。行きたくならないんですよね、どうしても。

 

もっと毎日行ってもいいなと思える雰囲気のあるサイトを作りたかったんです。だからそういう、星空に検索キーワード…というよりも、そういう、何かボンヤリ考え事したり、アイデアを考えたり、脳みその交換をしたい人たちが、思いついた単語とかアイデアとかを入力しあって、眺められるような。

 

そんなんどうですか! 的な。

まあ、通りませんでしたけどね。そりゃそうです、車と何の関係もないですもの。アホみたいなドライブお出かけ情報サイトにしたほうがよっぽどマシですよね。

 

 

一応言及しておきますと、今日現在の僕は、全く欲していないサービスです。成立しない。詠み人知らずの欠片を、自発的に空に放り投げるなんてことは誰もしません。私私私私、私だよ!!!! 何くれる何くれる何くれる、くれないんなら用はない、気持ちよくしてくれないなら用はない、消えろ!!!!! 分かった分かった、消えますから静かにしてください。

自分に何をしてくれるのかしか考えてない人、自分の自慢がしたい人、自分だけ見てほしい人の集団では絶対にできない。やっぱり検索キーワードを自動で引っこ抜いてくるしかないんでしょうね、google先生、作ってください。個人情報死ぬほどプレゼントしたじゃないですか。

 


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このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

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