あなたの風邪はどこから?

私は人から。

 

 

だから人のいるところに行くの嫌なんだよ。

 



 

風邪を引きました。

これは風邪かな?風邪なのかな?

自分の身体の不調のありかさえ、良く分かりませんが。

 

医者に行って、「風邪を引きました」と言うと、「風邪かどうかは私が診てから判断します」と医者に怒られる、という話を良く聞きまして、それはもう確かにおっしゃる通りなんですが、僕が子供の頃に通っていた近所の医者は、「先生、風邪引きました」「そうかそうか、点滴していく?」だったので、そういうものなのだと思っていました。ゆるかったなー、あのおっさん。

 

僕は偉そうな人が大嫌いなので医者も当然大嫌いなのです、最近は偉そうだと食えなくなるシーンも増えているので無条件に偉そうな人は減ってきているのかもしれませんが、いかなる場合であっても僕に命令する人に対しては拒絶反応があります。

 

「生活習慣を改めてください」

「しばらく激しい運動をしてはいけません」

 

おい。誰に口聞いとんじゃ丈の長い服着やがってダボが。

まずは提案だろうが。

「専門知識と経験から推測した結果○○が良いのではないかと思いますがどうしますか?」

覚えとけよ(命令形)

 

 

医者の話はどうでもよくて、と申しますか、今では逐一キレることもなくなりましたのでアレなのですが、先日皮膚科に参りまして。

髪の毛を長年染めておりながら生まれつき頭皮と頭髪が強いのかトラブル特にないまま過ごしておったのですがついにこの前、頭皮が荒れまして。

 

皮膚科には全く無縁に過ごしていましたのと、そもそも医者嫌いだったためかかりつけもなく、適当に駅前の皮膚科を選んで足を運びました。皮膚科っていっぱい患者いるんですね。平日の昼間っから大勢の男たちが待合室で所在なさげに周囲の様子をチラチラと窺いながら順番を待っておりました。この落ち着かなさ、半分は水虫で半分は性病と見ました。

とは言え僕も、頭皮がフケのようにかさぶたとなって秒速5センチメートルで舞い落ちるような恥ずかしい状況ですので他の方々と同じように隅っこから辺りをチラチラと窺っておりました。

 

それこそ20人ぐらいのおっさんが待合室にたむろしておるわけですよ、これキャパオーバーなんじゃないか、さばき切れるのかとふと心配になったのですが、受付のおばあさんはすごい勢いでバンバン名前をコールして男どもを診察室へと促し、それと同じスピードで男どもはバンバン診察室に入りバンバン診察室から出てくる。とんでもないスピード。築地でしょうか。皮膚科や。

 

流れの中で僕の名前もおばあさんにコールされまして診察室に入りましたところだだっ広い診察室におじいちゃんがひとり座ってこちらに目もくれず何か書類のようなものに目を通していました。

 

「よろしくおねがいします」

「どうしたの」

「頭皮が荒れまして、かさぶたみたいなのができるんです」

「そうか、わかった。薬出しとくから」

- fin -

 

finやあれへん。

驚速驚速驚速驚速驚速驚速驚速驚速!!!!!!!!!!

じじい俺の皮膚を見ろ!!!!! その二つのマナコで見ろよ!!!!!! そして診ろよ!!!!!!!!

 

何と一度も僕の方に目をやることもなく診察が終了したような空気が周囲に流れました。

 

「いやいや、先生、結構広い範囲で赤くなってるんです、ちょっと見てください」

「大丈夫大丈夫、それはね、脂漏性皮膚炎っていうの。薬出しとくから」

- fin -

 

それはねって何や。プルーンの苗木か。お前ワシの頭皮まだ見てへんやんけ。

 

このままでは帰れない。

僕は椅子から立ち上がり、髪の毛を左右にぎゅっと押さえつけて美しいセンター分けを作り頭をおじいちゃんに向かって突き出します。

 

「先生、こんな感じになってるんです、見てください」

「いやいや、いいからいいから。薬出しておきます」

- fin -

 

 

患者の患部を見ることを拒否する医者と患部をグイグイ押し付けてココを見ろと懇願する患者がいる病院。デミムーアとマイケルダグラスみたいじゃないですか。戻って、私を抱きなさい。逆セクハラですか。皮膚科や。

こんなんありますか? ねえ。めちゃくちゃでしょう。こんなんでもらった薬安心して塗れますか?僕は塗れますけど。塗れるんかい。

もう少し若ければもっとワーワー揉めていたかもしれませんが、センター分けを解除して黙って帰るぐらいには大人になりましたがこれ何の話でしたっけ。風邪引いた話でしたね。

 

 

僕は人が多く集まる場所に行くと必ずと言っていいほど風邪を伝染されます。人ごみを歩くだけでもわりともらうんですが、特にライブとかコンサートではほぼ100%間違いなくもらいます。だからこそ、先週も書いたようにマスクを装着しているのですが、「お前らが俺に風邪伝染すからマスクしとんねん」とはなかなか、面と向かっては言えません、宇宙船地球号の同じ乗組員としては。

人のいる場所に行かない。人と会わない。人と会う時はマスクをする。

これらのおかげさまをもちまして、僕はめったに風邪を引かないのですが、マスクだけではなかなか守りきることができずにこうやってもらってしまうことが、数年に一度ほどあります。

 

 

あなたの風邪はどこから?

私は喉から。

 

 

喉が弱く扁桃腺も良く腫れますので、喉が痛くなり首のあたりから発熱し始めたら風邪です。通常はこの微かな喉の痛みを見逃さずバカスカ風邪薬とユンケルを飲んでさっさと寝ることによって初期鎮火できるのですが、今回は旅先ということもあって、夜にお仕事のみなさんで揃って飲み食いをしたのです。「何か喉が痛いんですよねー」とか言いながら。ここで「喉痛いからホテルで寝てます」と言わないあたり、かなりの宇宙船地球号ですよね。飲みニケーションを断らないだなんて。地球号度高い。

「これはまずいな、旅先で風邪引いたな」と思いながら部屋に戻り、案の定の大発熱を感じながら、残りの旅程を過ごす決意を新たに致しました。

 

 

まともに風邪を引いてしまうと、一週間以内に完治することはほぼありませんので、現在、まだ咳や微熱を抱えながらの生活ですが、ともあれ、旅は終わりました。ようやく、腰を据えて自分の仕事を始められるかな。



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このエントリーは、

ルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』

本日配信分の一部を抜粋したものです。

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