ツァ
かつて高名な占い師にあなたは首の凝り過ぎで今年中に死にますと言われて幾星霜。花は枯れ鳥は空を捨て人はほほ笑みなくしてきたけれども僕の首には沼から上がって来たときに知らぬ間についていた吸血ヒルが何本かぶら下がっているぐらいで今年もこうやって首の凝り過ぎで死ぬこともなく半分以上たち、占いが大嫌いになりました。凝り過ぎて。
とは言えこうやってNOUNOUと生き恥と首のヒルを晒し続けてると周りもある程度年をとってくるせいなのか世の流れなのかは分からんけどもスピリチュアルブームですか。相変わらず。Pスポットことパワースポットブームですか。この前加藤鷹がGスポットは3つあるとか言っててビックリしましたけどもPスポット。好きなスポット行ったらええがな。マイスポットに行ったらええがな。いちいちパワーパワー言わんでも。あと朝イチから人の星座をランキングづけるのいい加減不快なのでやめてもらえますか。前も言いましたけど。キキとララに頼んで小惑星ぶつけますよ。
日本は男社会です。中でも放送業界は男社会です。男のためにシステムが組まれていて女性はすごい苦労するというか生き方の選択肢がすげー狭いと思います。今思い出したので書きますがかつて女性の先輩の放送作家さんが言ってて「女がこの業界で生きていくためには2つの道しかない。女で売るか、女を捨てるか」とか言ってて気持ち悪いなーこのオバハンと当時は思いましたけれどもそんだけの覚悟を女性に要求する職場っつーのはやっぱり男社会なんだろうな僕自分のSEXを意識して仕事したことないから。同様に女性はそういうことを意識しないかもしくは男になんか負けねーぞと思って仕事をしているとシステム上何らかの壁にぶち当たることが多いんじゃないかと見てて思って気が狂ったように毎日毎日働いてた女性のディレクターはこいつやるなーと思って大好きだったんだけども結婚した瞬間ものすごい勢いでダメになったというか、あのロボトミー手術後みたいなぶっ取れたセンスが根こそぎなくなってて個人的な感想なことは分かっててダメだった。何か戦友をひとり失ったような気分だった。これは偏見ですか。蔑視的な。個人的には結果以外に何も興味ないつもりですんですが。どこぞのチンコ出し入れした回数だけゲスト入れるヤツとは違うつもりでしたんですが。
スピリチュアルに走る女性も見かけるようになる。ヒマか。いやヒマではないんだろうけども男のために組まれたシステムの中で男と同じモチベーションもしくは目標を持たされていくことに無理が生じるのか目標をズラす。彼女たちにとってはズラしたわけではなくてそちらの方が正しいチョイスかもしれないけどもとにかく石だのタロットだの神社だのPスポットだの前世だの言い始める。ヒマか。僕の立場からすればスピリチュアルとか言い始めた瞬間に戦線から脱落していくそんな女性たちを見るにつけ複雑というか寂しいというか原因探ったってしょーがない気にさせられる。
そしてそれは僕の思いすごしの可能性もあるわけでスピリチュアルがクリエイティブに及ぼす素敵な効果だって期待されてしかるべきであって食わず嫌いというか世界の中心でワーワー言うのをやめてみることにしました。
「スピリツァらざるをえないのよ」
と彼女は言った。ツァ。
彼女は僕と同い年でディレクターでここ1年とちょっとの間にスピリチュアルへの道をツァンツァン歩んできた人で僕の疑念の目は具体的にはこの人に向けられていた。言ってることが本当なのか嘘なのかということには興味がなく、スピリチュアル道をツァンツァンと歩き始めた結果クリエイティブに何らかの良い影響が出ているのか出ていないのかに興味がある。
スピリチュアル対談
山(山本佳宏)
ス(スピリチュアルな女性)
山: 分かりやすくね。
ス: 私的には分かりやすいんだけどなー。
山: でも、これって感覚の話だから、100%NOの人もいるってことじゃん。
ス: それでも全然いいと思うけど。現実的な人がいてくれないと回らないから。
山: …っていう意識はあんの?
ス: モチロン!結局、生きてるのはこの世…現実世界なんで、そこにどう生かせるか、しかないから。ただ、あっちの世界を知ると、急速に理解が早まる。
山: ストレスが少なくなる?
ス: みんなが落ちてる時に、1人だけやろうぜーって言ったって、絶対上手くいかないから。ちょっと合気道に似てる。
山: 言葉だけ取るとさ、コミュニケーション能力の話とも近いわけじゃん。それとの決定的な差がどこにあるのか、ということを知るためにもですね。最初のスピリチュアル体験。『それ以前/それ以後』を教えてもらわないと。
ス: 基本女の子って、占いとか、目に見えないもの好きじゃん。私、おとめ座なんで、理屈っぽいとこあるから、そういうのって他力本願だけなんじゃないかと。
山: 俺もそう思う。
ス: 私ねー、男尊女卑がすごかったの。つい最近まで。自分が女でありながらもね。自分が女に生まれたことを非常に後悔してたし、所詮、ダメな生き物だって思ったから。
山: 日本は男社会だからね。
ス: でも、見えないものは、元々信じてた…そもそも音楽。見えないけど確かにあってすごい良いもの。音楽ってすごい霊的なモノだなーって思ってたし。音楽が入口だと思う。
山: 霊的。
ス: 小学校2年か3年のときに、自転車に乗って、ある曲がり角を全然観ないで曲がっちゃったの。で、車が来て、絶対轢かれるっていう瞬間があったのね。目をつぶっちゃったんだけど、何かに守られたの。何ごともなかったの。車はすごい近かったのに、ふっと守られた気がして。
山: それも霊的?
ス: 大学入るまではあんまりそんなこと考えず、別に占い師に見てもらう事もなかったし、あんまり信じてなかった。高3のときに、急に、宇宙って何だろうとか神って何だろうとか考える時期があって、神って何か絶対的な『エネルギー』だって言ってたのは覚えてる。
山: 誰に言ってたの(笑)
ス: その時、10歳上の人と付き合ってたんだけど、「エネルギーだ」ってことをすごい言ってて。それは今でもそう思ってるし。
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10コ上のオッサンに向かって何の話をしとんねん。
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ス: イメージトレーニングをする癖がずっとあったの。
山: 大事だねー。
ス: 合格して喜んでる絵を想像してたら大体その通りになったし。で、大学でイメージトレーニングの授業があって、先生が言うには、リラックスしてる時って脳にα波が流れる。寝る間際、もしくは起きかけ。その時に、なりたい自分をイメージすると、α波が流れて、脳の中の無意識というブラックボックスがパカッと開いて、その中にイメージをぶっ込める。そしたら人間はそのイメージに向かって勝手に行動すると。
山: 頑張って努力するぞーじゃなくて、勝手に足がなりたい自分の方へ向くと。えらい科学的じゃないですか。
ス: シンクロみたいなこともいっぱいあって。ウワサをすれば影、みたいなことがいっぱい起こって。その人の事を話していたらその人が来るとか、その人のことを考えていたら電話がくるとかメールが来るとか、しょっちゅうだったの。うちの母親もそうで。芸能人の話をしててテレビをつけたらその人が出てるとか。今なんか、その連続だから。
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1万回考えてて1回来たらその1万分の1回の印象が『シンクロ』として焼き付いちゃうのは良くあるパターンだけどなー…つーか全然仕事の話にたどりつかねーなー…ここは揚げ足取らない方向で。
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ス: 親が良く、死んだおばあちゃんが夢枕に立って、とかいう話をしてたから、そんなのもあるんだなーと思ってて。10年ぐらい前、叔父が死んだ日に、私金縛りにあって、体をグーグーって押されたの。疲れてなってるんじゃないなー…と思って、叔父さんが危篤だって知ってたから、もしやとおもったらやっぱり亡くなってて。怖くなって1人でクラブ行ったりとかしてたんだけど(笑) お通夜の時。みんな本当は寝ないんだけど、私もコタツにもたれてウトウトしてて。そしたら夢見たの。死んだはずの叔父さんガバって起きて、「うおー!!!生き返ったー!!!」と思って、みんなに、生き返ったよ、って言ってるんだけど、みんな正座したまま寝てて気づかないの。私だけが気づいてる!!!…って。その時に、叔父さんにめっちゃ重要なことを言われて、その時は覚えてたんだけど、今覚えてないの。
山: …………めっちゃ怖いじゃんそれ…
ス: あれは、ホントにメッセージくれたんだなと思って。でもニュアンスは励ましてくれてたよ。
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怖い話とスピリチュアルはジャンル的には別物なんじゃねーかと思って船を漕ぎだしたら水面を三元豚の群れが走ってきたかのような衝撃でした。死角から怖い話飛んで来たわ。つーかいい加減仕事の話。
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山: 完全なるスピリチュアル開眼つーか、そういうの言い出したのって、ここ1、2年じゃん。
ス: 制作来てからすごい仕事させられてたから。4年ぐらい前って1番仕事量多くて、つらくてつらくて。インプットがなくて、とにかくアウトプットばっかり。でもその時に、すごい意味があるように思えたの。こんなにいっぱい仕事くるのには意味があるんだなと。
私、制作の中でも、担当番組が明らかに多かったの。途中からホテル暮らしみたいになっちゃって、上司が見かねて、番組減らすって言ってくれたんだけど、絶対やる、って言って、やり続けたの。それがすごい良くて。慣れれば自転車みたいなもんで。力少なくても回っていくし。そうなったときに、蝶々さんに会った。
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蝶々さんとは、小悪魔ブームの火付け役である元・カリスマ銀座ホステス&エッセイストです。
先に言っとくとこのあと出てくるemyさんとは、写真家・タロット鑑定士として人気の女性。
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山: 蝶々さんって、今、一緒に神社行ってる人でしょ?
ス: 2006年かな。神社デビューの旅。蝶々さんとemyさんと一緒に、福知山(京都府)にある『元伊勢内宮』はアマテラスを祀ってるんだけど、そこに連れて行かれた時に、神社ってこういうとこなの?って初めて知って。
山: 違う?
ス: 違うね。みんなが普通に参拝する、開かれたメジャーな神社とは違って山奥にあるし、大きな杉がバーっとあって、もう鳥居をくぐったら空気が違う!で、雨がパラパラと降ってたんだけど、参拝が終わった時に、雨雲が割れて光の筋がブワーッと。天使が下りてくるみたいなう景色だったの。そのあとに満月が出てきて、すごい景色!
山: それはすごそうだなー……
ス: 初めて神社でそういう体験をして、翌日新幹線で東京に帰ってきたの。爆睡だったんだけど、ふと目が覚めて外を見たら目の前に富士山がくっきり見えたの。なんでこのタイミングでこの景色を見れたんだろう。またすごい景色を見ちゃった…ちゃんと『サイン』みたいなものが現れるって確信した。そっから私、ひとりでも神社に行くようになって。確かめに。
山: サインを?
ス: うん…私、神社に行くようになって1番の収穫は、何て言ったって、鏡なんですよ。
山: ご神体のこと?
ス: ご神体なんですよ!神様に会いに行ったとき、そこに映っていたのは『自分』だった、っていうトリックだった。これはジョークだろと思って。でも、神道って『神様は自分の中にいる』っていう教えなのかと思って、そしたら結構、その考え方がどれにもハマるの。他人を見ていても、鏡だから、自分の立ち位置が分かる。
山: お、それはクリエイティブにも活用できそうじゃん。
ス: つまりね。私が見た景色は『サイン』かもしれないけど、問題は受け取る側。見てどう思うか。だから、気づかない人は、「わーキレイ」で終わるの。あ、歓迎されてるんだ、とか、月には何か意味があるんじゃないかとか、それが大事だと思う。世の中すべてがメッセージありサインであるってことに気づくのよ。そうすると色んなことの理解が早まるの。例えば、1週間ですごい良く聞く言葉ってあるの。去年、私が良く聞いた言葉は、『変容』っていう2文字だったの。『変容』ってそんな聞く言葉じゃないじゃん。ふっと広告に書いてあったとか、小説読んでて、めくった1行目に変容って出てきたりとか…去年は、体の入れ物が変わったっていうイメージが強いから。
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意外にもちょっと使えそうな香りを漂わせましたよー!!! ポジティブな思い込みはある種のクリエイティブ整形にもつながりましょうしね。目に見える全てのモノが自己の投影。広告は自己の投影になってるかな。コマーシャルメッセージの受け手は、広告に自分を感じとっているか。もしくはその人の明日にとってのポジティブな解釈を生んでいるか。人をバカにした広告は自分がバカであることの投影でしかないのではないか。
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ス: 今…すごい龍が現れるんだけど(笑)
山: 龍。
ス: 去年ぐらいから…とにかく竜の名前が着く人と仲良くなったり、ここぞという大事な場面で、竜の名前が着く人がばっと現れたり。人に連れてってもらったレストランの丸テーブルの上に龍の置物が偶然あって、私の方を向いてるとか。竜神雲もいっぱい見たし。その辺の意味が天川(奈良県)に行ったときに分かって……emyさんって、竜神様とお話ができるんだけど。
山: はあ。
ス: 天川には、八大竜王っていうすごい竜神様がいて。奈良県の山奥。聞いてもらったの。あまりにも龍が出てくるから、
「竜神様、もしかして私の周りに、たまに来てくれますか?」って。そしたら、「行ってる」って。試されてんのかなと。神様って良く、試験出すから。ホントにこいつに運を授けていいのかって。そしたら、違うと。「お前を守ってるってことを分からせてやってるんだ」と。もう私、ひれ伏しちゃって。
山: ………竜神とどうやってしゃべんの?
ス: 龍泉寺っていうのが天川にあって、そこに八大竜王が祀られてる御堂があるの。すんごいカッコイイよ。天井に竜の絵が描いてあって、もう男らしくてさ、私行くといつも目がハートになっちゃうんだけど。
山: ハートか――――――――――……それが八大竜王?
ス: ううん。何か剣みたいなのに、登り竜が彫ってある置物があって、それなの。誰が作ったかとかいつからあるのかとか全然知らないんだけど、竜神様はお線香と生卵とロウソクの火が好きだから、お供え持ってって。竜は蛇の化身だから生卵なんだけど。で、竜神様のところに行くといつも雨が降るの。帰りに。晴れるんじゃなくて。竜は水の神様だから、水がすごい来るんだよね。
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女性のみなさん、こういう話って普通なんですかっつーか普通に聞けますか。僕は肯定も否定もしないって決めて話を聞いてるんでアレですけど、ともすればキチガイ扱いされてもおかしくないラインに差し掛かってるじゃないですか、こういうのって日常会話なんですか。一応注釈しておきますと彼女は今日現在も社会人として業務を遂行してる人であって「あいつアカン、仕事にならん」と後ろ指さされ組な事実はありません。
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山: 仕事のやりかたも変わったの?
ス: とにかくね…自分の感覚をすごい信じるようになった。頭で考えるのはやめた。頭で考えるのは検証する時だけ。何か、AとBとCがあってどれを選ぼうかって時に、「Aだったらみんなに受けるなー…でも何かが違うなー…」って、心の中でNOを出してるものあるじゃん。結局自分の直感とか…自分の良心とか信じるようになった。今までは人の意見を聞きすぎてたかも。
山: …でもさ、直感とか良心で動くって言うのは、現実的な問題で言うと、誰かとぶつかる意見も出てくるわけじゃん。
ス: 私がもし正しくない道を選んでたら、神様も自然といなくなっちゃう。神様はすごく効率化を図るから、運を授ける人を選んでる。すべての人にエネルギーを与えることはできないから、この人に運を授けると1000人、1万人、10万人に届けられるって人にチャンスを与えるの。だから受け取ったものを自分のために使うんじゃなくて、周りの人に使わなきゃいけないって自覚したし、そうしたら色んなラッキーが起こり始めて。出会う人が変わった。話が早い、って人とやたら出会うようになったし。勝手にお金が入ってくる。困らない。「そんなことで困ってるんなら金なんかやるから、どんどん自分に投資して、次の仕事をしろ」って言われてる感じがする。ただ贅沢するとかじゃなくて、次に進むためにお金を渡されてる感じがして。だから貯めようと思わないし。旅行して見分を広めるとか人とどんどん会うとか。服にしても、周りの人を楽しませるマナーだと思うから、って意識に変わればそれに使ってもいいし、そしたら超楽しいもん。
山: 徹底的に周りの人だね。
ス: とかく雰囲気とかムードとかを軽視しがちじゃん。一番大事だと私は思ってて、ムードを変えるというのが一番賢いやりかたかなーって。そういうことにすごい気づき始めたかも。より見えないものを上手く活用しようって思えるようになった。態度とか行動で分かってもらう、とか。あの人楽しそうだなーとか。
山: 難しいよね意外と。
ス: 自分から行動を起こせる人ってほとんどいないと思ってて、ある程度チャンスが転がり込んでくるもんだと思うのよ。何かをやり続けて、その行いが正しければ、勝手に出会いはやってくる、その時に意味をもってやれるかどうかの繰り返しだから。風がない時に飛行機が飛べないのが一緒で、なきゃないで目の前のことを黙々とやってればいいと思うんだよね。
山: 黙々とやってる人っていっぱいいると思うんですよ。
ス: そうね…それは足りてないんじゃない。その中できわめて行くと、絶対ある何かに到達するはずだから。どんな仕事でも。その本質にたどり着いたときに、ポーンと次のモノがくるから。私が、『スピリツァらざるをえないのよ!』と言ったのは、その極みにいったんだと思う。5つのモノを一緒にやるよりは1つのモノを極める努力をすると、そういうことか!ってなると、全てのことに実は応用できるから。理解が早い。次に次にってどんどん行ける。それに気づけないと一生同じことを延々とやってくことになる。どうせこんな仕事、ってなると。
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スピリチュアルは是か非か
「今のままの自分でいい」「ありのままでいれば特別な存在」っていう現状肯定はゼロ年代の日本を席巻した。むき出しのリアルも時代の気分だった。その結果テン年代に残されたのは、うずくまって立ち上がることができない人たちで、現状肯定が対処療法的な1日分の処方箋であることに気づかず、その薬に依存してしまったからだと思う。ゼロ年代には誰も言ってくれなかった。「結局はお前が頑張んなきゃしょーがねーんだよ」と。頑張れって言われるの嫌い。私だって私なりに頑張ってるもん。頑張れって言わないで。私に努力を強要しないで。これが本当の私なのに、何かを変えなきゃいけない理由がどこにあるの。
そんな人を生みだしちゃうリスクを知ってか知らずか、ゼロ年代は望まれるがままに処方箋を出した。
僕は「今のままの自分でOKなヤツなんて1人もいない」と中高生に言い続けた。見向きもされなかった。今飲んでる薬を減らして外に出て運動を始めろなんて、誰も望んではいなかったから。そしてテン年代。耐性がついた上に、薬を無責任に与えてきたヤツらもどっかに行ってしまった。
中高生と一緒に毎日を過ごして5年間。僕が感じた時代の風は大体こんなような色あいで。むき出しのリアル、ありのままの自分が、むしろ苦痛にすら感じ始めて、時代はさらに現実から逃避する。よりファンタジーへ。より現状とかけ離れた方へ。
例えば、スピリチュアルは、その典型的な一例だと思ってた。心を安定させる薬の1つ。彼女は僕に神社に金を払えなんてことは一切言わないし、石や壺を買えとも言わない。彼女が生きていく、あるいは仕事をしていく上での拠り所を1つ見つけたに過ぎない。竜神様としゃべったかしゃべらないかはやっぱり僕にはどっちでも良くて、仕事においては結果を出してさえくれればそれでいいいし、友人としては楽しそうであればそれでいいし。何よりも彼女は楽しそうでモチベーションに転化できてて何よりネタとして面白い!!!!!!!!!!!ズルイズルイズルイ!!!!!!!彼女は全く思ってないだろうけどズルイズルイズルイ!!!!!!
ということで、結論は、「ネタとしてしゃべれるかどうか」がクリエイティブの分岐点ってことにしときます。
おまけ
ス: emyさんに前世を見てもらった時に…前世ってたくさんあるんだけど。マグダラのマリア、フランス、ジプシーっていうキーワードが出てきて、あと自分で調べてって言われたんだけど、その3つでググってみたの。そしたら南仏のある町が出てきて。マグダラのマリアはエルサレムから逃げて、フランスにたどり着くの。そこがジプシー発祥の地って言われてて。港町。で、この前の退行催眠でも……
山: え、退行催眠までやってんの。
ス: 私の前世はエルサレムから来た女の人で、旦那と引き離されフランスに逃げるんだよね。「私たちは普通の人間なのにー」って言って囚われ縛られ。そんときに、旦那の顔が…いわゆるキリストの顔だったんだよね(笑)
山: 退行催眠ってことは、誰かが質問して答える、みたいなことなんでしょ。
ス: そう。で、「あなたの旦那様は、現世で誰かに生まれ変わってますか」って聞かれた瞬間に、キリストの顔が、パッと自分のめちゃくちゃ仲のいい友達の顔に変わったの。確かに似ててちょっと笑ったんだけど、そのあとに、そいつと飲んだ時その話をしたら、「マジで?俺小学校の時からあだ名がジーザスだったんだよねー!」って(笑) お父さんユダヤ教で宝石商やってる子なんだけど(笑)
山: ええ話やなー…
ス: で、その退行催眠の時とか私、ボロボロ泣いてるんだよ?夫と引き離されるときに。その時に「誰に引き離されようとしてるんですか?」って聞かれて、私、「…ううううう…無知な一般人……」って言ってた(笑)
山: 持ちネタやないか完全に。