「ダーメだー力が出ないよー」

 

「大変だ!僕カバ夫だけど月マンの顔が汁的なものでしとどに濡れているよ!」

 

「月マンは顔が汁で濡れてしまうと下半身に力が入らないよー」

 

「大変だ!僕カバ夫だけど月マンの顔は汁で濡れ、膝小僧同士がガチガチ当たっているよ!」

 

「月マンは新しい顔がないとウクライナ人のK-1ファイターに勝てないよー」

 

「大変だ!僕はカバ夫だけど今、月マンが戦っている相手は三角筋がすごく発達しているファイターだよ!」

 

「カバ夫を食べたいよー」

 

「大変だ!僕カバ夫だけど志半ばで月マンに食べられてしまうよ!」

 

「早く顔を変えてくれないとカバを食べるよー」

 

「大変だ!僕はカバのカバ夫だけど月マンの新しい顔を早く探さないといけないよ!」

 

「月的な顔がほしいよー」

 

「大変だ!僕カバ夫だけど月マンは何となく月的な感じの物なら顔になるよ!」

 

「月おじさんー」

 

「大変だ!僕カバ夫だけど月マンの顔を作ってるのは月おじさんだよ!」

 

「月的な顔をくださいー」

 

「大変だ!僕カバ夫だけど早く何とかしないと!それっ!バスケットボールだっ!」

 

「手垢ついたボール人の首にハメてんじゃねーよカバ!!!!!!!!!!!!!!!!俺顔濡れてんだぞこの野郎!!!!!!

 

「大変だ!僕カバ夫だけどいよいよ食べられてしまうよ!それっ!月だっ!」

 

「サイズ気にしろカバ!!!!!月マンだからつって月ハメてくるとかナメてんのかお前!!!!!!

 

「大変だ!僕カバ夫だけど月マンに月を投げたらすごく怒っているよ!月的なものということは、えいっ!月刊 風とロックだっ!」

 

「ありがとうカバ夫くん!これで元気100倍!月マン!」

 

「大変だ!僕カバ夫だけど月マンがウクライナ人のK-1ファイターの目に指を突っ込んでるよ!がんばれ月マーン!」

 




月刊


月刊風とロックが2010年に突入してサンボマスターの山口くんは『月刊風とロックはゼロ年代のカルチャーに燦然と輝く』的なことをラジオ風とロックで言ってくれてゼロ年代おわっとるがな2010。”2度目の中学生”を満喫している男、編集長箭内道彦が贈る、『金持ち中学生のスクラップブック』。それが月刊風とロック。定価0円。好きな人と好きなことしか掲載しない自分のためだけの丸ごと赤字雑誌。ズルさがズルンと表出するようなズルさを感じるカッコよさでありある種の無敵であるこの月刊雑誌に憧れて。「こんな雑誌、全然ダメだよ」と誰からもどこからも言わせない全方位的言い訳が実装されたZURU-GAKKOYOI雑誌。

 

12000万人のうち12000万人ぐらいは家族以外の誰からも興味を示されず生まれて死んでカマキリのオスに生まれ変わってメスに頭食いちぎられながら子供作って死んで次はようやく人間に戻れるかなと思ったらカタツムリの目玉に寄生する虫に生まれ変わってウワウワウワーと思いながら死んで同時にカタツムリの方もウワウワウワーと思いながら死んでいくけどもカタツムリだって自分のコトを誰かに知ってほしかった。自分の話を誰かに聞いてほしかった。それは本当ですかカタツムリ。カタツムリもキッツイ事件に遭遇したら心の声はウワウワウワーなんですか。それともヒエヒエヒエーですか。ツムツムツムーですか

2万字か20万字か知らんけども根掘り葉掘りほじくり回してインタビューしてもらえる人は数えるほどしかいない。僕の好きな食べ物に興味がある人もいなければ、書いたポエムに潜む心の闇に迫ってくれる人もいない。いいなー箭内さんは自分の好きなことを好きなように世の中に広められて注目してもらえて。ズルイーうらやましいー何で箭内さんだけー。

 

クリエイティブ力とは実現力。あいつより俺の方が面白い。俺の方が絶対に良いモノ作れる。同じコト俺はずっと前から考えてた。それはきっと間違いではない。世の中には面白い人がたくさんいる。そしてそれを実現できずに死んでいく人がたくさんいる。どのアイデアも実現すればきっと素晴らしく楽しい。そして僕は、実現できる場所に行く、そのことだけのために金を稼ぎたいし偉くなりたいし年をとりたい。ウンコチンコ大好きな中学生以下のどうしようもなくイカ臭くて面白いことを誰にも止められず世に発信できる自分になるために嫌な仕事もするし嫌な人にも会うし貧乏も我慢するし寝れなくても我慢する。なぜならクリエイティブ力とは実現力そのもののコトだから。誰にも届かなかった表現は表現ではないから。だから僕は箭内さんのことをズルイとは思わないし死ぬほど悔しいけどズルイとか絶対言いたくないしいつか月刊とかグリンと内臓と皮膚がひっくり返るぐらい面白いことを僕がやってやるしと思って生きてるし似たような思いを抱いてるひとは意外といるんじゃねーのかなーと思ってたら目に寄生した虫のせいで鳥に発見されてついばまれてしまいました。

 

誌面で自誌を褒めるとかわりとダサ目な感じになっておりますけれども、好きな事を好きなように掲載する雑誌への憧れのゴングは鳴りやまないし翻って世の中を見渡せばどう考えても好きじゃねーとできねーだろこの雑誌、みたいな雑誌が値段も付いて販売されていたりして本屋で見かけるとセメ―――――――――――!!!!!!!!!とか思って笑っちゃうんですけど笑ってはいけない理由が僕にはありましたカーンカーンカーンカーンカーン今ごろ鳴りやまないゴングうるせ――――――――カーンカーンカーン―――――――!!!!!!!!!!!

 

前も書いたかしら僕が放送作家という土俵の端っこに登った頃パソコン普及前夜でして上京してマヨネーズ舐めてるような赤貧の僕には所有することすらあたわずドリームキャストに電話線ブチ込んでテレホーダイでポチポチやってるぐらいのもんで手書き原稿でしたなあ10年前は。そんなことで僕が放送作家という土俵の端っこに登った頃の業務はクイズ作家というかクイズ作家見習いと言うかクイズ番組のクイズを毎週持ち込んで採用されたら14000円源泉取られて3600円と言った感じでスタートしまして番組1回でクイズは最大7問。そこに向かって56人のクイズ作家が突っ込んでいきますからまあ1回で2本通れば上々なわけです奥さん。つまりひと月で56本採用されれば良い方で下手したら月2本とかで計算したくないけどしましたら月収は7200円ギギギギギギギギギギギギギギギ。歯を食いしばってのけぞってしまいました。

パソコンが変えない時代のクイズリサーチは当然雑誌に強く強く依存してしまいまして僕は雑誌を買いまくりましてサンデー毎日とか意外に使えたなー。TOKYO WALKER系は真っ当すぎて全く使えなかった。とか言いだすとどんどんどんどん狭い雑誌へと手が伸びていくわけですね雑学本とか使えるの1冊買って2つか3つとかで効率異常に悪いしそもそも雑学本なんて僕らみたいなのが3次情報4次情報で作ってたりしますんで放送で怖くて使えないです。メインの棚から奥へ奥へと進んで『月刊食堂』とか高くて変えなくて必死に立ち読みして覚えたりとかしたりして狭い雑誌がなければあの頃の僕は源泉抜いて3600円を得ることすらできなかったことを思い出しつつもあんな狭い雑誌を毎月お金取って発行するなんてホントに大変だし好きなんだろうなーと。

そう思ったら月刊雑誌を応援したくなってまいりました。行け!月刊雑誌!!!!! 月刊風とロックに負けるな!!!!!!!!! ってことで本屋行ってきます。

 

 

 

行け!月刊誌!

 

★首都圏キャバクラ専門誌『月刊クラブアフター』20101月号

 

まずはこの辺からいきますかっつーか読むとこね―――――な―――――――。店とお姉ちゃんの宣伝しか載ってないわー。巻頭企画はもちろんTVドラマ『嬢王Virgin』の見どころチェックでして旬なキャバ嬢のバースデーを完全告知☆とか言ってまして歌舞伎町『セリュックス』の鮎川詩音ちゃんの1210日のバースデーイベントをやるから来いと。そういった素晴らしく狭い告知がなされておったりしてコレはキャバ嬢が読むのかキャバ嬢になりたい女子が読むのか客が読むのか分からない誌面構成となっております。キャバクラというワードにビリビリ来る人は読みなさいってことですよね。そんな狭い雑誌から得る未知の無関係情報に身震いできるのは地球上で人間だけでございます!!!!

今、首都圏のキャバ嬢に人気のドレスショップの名前は、『sugar』と『Jewels!!!!!!覚えたかそこの高校球児!!!!ムダな知識だと思ったヤツ!!!だからお前はレギュラー取れないんだ!!!!歌舞伎町のキャバ嬢なら誰もが知ってるヘアサロン、それは『studio Remix!!!!区役所通りと花道通りの交差点にあってホストも利用している!!!!!これを覚えておくと主将を任された時の懐の深さが変わってくる!!!!!!そんな中、唯一と言っていいコラムを連載しているのは………掟ポルシェ大先生ですおめでとうございます!!!!!

キャバクラ専門誌で、女結婚詐欺師の一連の事件を「結婚願望が強くて相手が困ってる男性は、ヤレそうになったら死にものぐるいになるから」とコメントしてらっしたことを付記しつつ『月刊クラブアフター』をよろしくお願いします!!!!!

 

 

★プロのお仕事サポートマガジン『月刊ナーシング』200912月号

 

ナースィ――――――ングッ!!!!!!!!!!ナースにINGでナーシング!!!! ペラリとめくって表2に掲載された広告はいきなり電子機器に静電気の影響を与えないための静電シューズ、ミドリ安全の『メディカルエレパスシューズ』!!!!!!そして第1特集は『消毒・滅菌の疑問を解決! 感染症・消毒薬の新常識』だ!!!!!!!!狭いだろうとも!!!!そして大切だろうとも!!!!!いいですかみなさん!結核菌に有効な消毒薬は、フェノール、エタノール、グルタラール、ポビドンヨードです!!!!!ポビドンヨ――――――――――ド!!!!!!光の剣を抜いたかと思ったらその手には消毒液!!!!!今こそ確信しています。高校球児のみなさん!ポビドンヨードを知っていれば巨人に入った後のキャバクラでのモテ方がワンランク違います!!!!ポビドンヨードと『sugar』と『Jewels!!!!この3つでアフターやってこい!!!!!なぜなら…ポビドンヨードとは………イソジンのことだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!お行きなさい!!!!!!そしてキャバ嬢が元ナースだった場合!「最近は血圧計のカフもディスポーザブルのものが増えてるみたいですね」コレで行ける!!!!!!!歌舞伎町に行ってこい!!!!そして『月刊ナーシング』を今年もよろしくお願いします!!!!

 

 

★武道・武術の秘伝に迫る『月刊秘伝』200912月号

 

ブメシ!!!!!! 『武飯』と書いてブメシ!!!!!!!!俺秘孔の場所とか知りたかったのに特集はインフルエンザに勝つための体内護身『武飯』!!!!!!知らず知らずのうちに日本人が失ってしまった免疫力をサムライの食で取り戻せ!!!!!!サムライじゃなく農民の食では取り戻せないのかとか質問したら鎖骨粉砕されて高校球児は最後の夏を棒に振ってしまう可能性があるから黙って食べろ!!!!!!

『武飯』とは、雑穀米!味噌汁!鰯!漬物!以上!わりと普通!!!!!!ものすごくいい感じに予想の範疇の真ん中へん!!!!!!しょうがないだってそれが『武飯』!!!!!!!

そして高校球児は甲子園に覚えていてほしい!!!!!俳優の榎木孝明は武術の実力者であることと、沖縄武術伝統の打撃法、『当破(アティファ)』を覚えれば衝撃波が打てることと!!!!!!相手校の主将と握手しながらの態勢で衝撃波を打ちこんで勝利を目指せ!!!!!!!そして触れるだけで三半規管を操作して人を転がすことができる俳優、榎本孝明を目指せ!!!!!!!

 

 

★『月刊むし』200912月号

 

やさしいオス達のさりげない誘いを ‘×'と大きく前足で書いた 少し蜜吸った む――――ぅぅぅしぃぃぃぃ――――いーいぃぃい?いいいいいぃいいいい?(むし / Dreams Come True)

むしだよむしだよ月刊むしだよ丸ごと虫だよ虫ちょっと怖がった方が可愛く見られるんじゃねーかとか思ってキャーとかウソっこで言ってる女子はこの雑誌見たらオッサンが炭酸入り味噌とんこつスープ飲み干した後にするゲップみたいな声出すよ。エフン。そんなかわいいんかい。

「今月のむし」は東京都港区の青木さんの投稿によりますシリゲホソカタムシ!!!!!!!尻毛細堅虫!!!!!!虫怖い!!!!!もうそういう名前の虫いるだけで虫怖い!!!!!こんな名前付けられて小中高をsurviveできる人間いない!!!!!山本尻毛細堅夫!!!!!!もしくは細堅彦!!!!!!

ページをめくればめくるほど、全国の虫っ子たちから届いた『虫採ったよ報告』が虫のように掲載されております!!!!MUS48!!!会いたかったー会いたかったー会いたかったー蝉!!!

『山形県未記録のアラメハナカミキリを採集』良くやった!!!! 『京都市内で無尾型のクロアゲハ♀を採集』いいぞ京都!!!! 『ミンミンゼミを捕食するシオヤアブ』なんか写メのタイトルみたいになってきたけどグッジョブ!!!! 『フタツメノミハムシの2例目の記録』2例目いらん!!!!!多分『むし界』的には絶対に必要な記録かもしらんけども一応言っとく2例目3例目報告いらん!!!!! 『アカマダラセンチコガネの交尾目撃例』コラ――――!!!!!!交尾を目撃すな―――――!!!!!!アカマダラセンチコガネがどれだけ心に傷を負ったことか!!!!!!赤いまだらを真っ赤にして泣いてるぞギチギチギチギチギチギチキモイ!!!アカマダラセンチコガネの泣き声キモイ!!!!交尾のぞかれて良し!!!!

各ご家庭のお父上はこんな所で楽しんでらっしゃいますよという報告に見えてきて親知らずでもあり虫知らずな僕ですら楽しめる月刊むし。もちろん有用な情報も載っておりまして、『むし社』発行のクワガタムシ飼育の最新情報誌のタイトルは『BEKUWA』だそうです。ビー・クワ。アウトドア雑誌BE-PALと間違えないようにするためには、表紙を見て下さい。BEKUWAは表紙がクワガタです。そして虫採集グッズ情報も満載でして、まず毒ビン(コルク栓付き)の中は1270円、大は1320円。毒ツボは5180円となっております。あ、あとドイツ箱の茶色・UVカット仕様・大型は19900円。ちょっとお高めですけどもドイツ箱ですし。しょーがねーよドイツ箱は。

ここまでの情報がお気に召さないみなさまに向けて最後に1つ。虫っ子たちが利用する虫よけシール、その名も『スーパーカコーン』カコーン。銭湯音かと思いきややっぱりダジャレだったってことに気づくのに5分ぐらいかかりましたスーパーカコーン。『ペタリ!貼るだけ即効果!! 安心無害の天然ユーカリ油配合で、虫が寄り付きにくくなります。虫採りの強い味方!6枚入り210円』。ああああああああああああああああああああ虫が寄り付きにくくなる虫採りの強い味方!自分のお誕生日会でテンション上がって思いっきりウンコ漏らしたガキみたいな状況が味わえるってことですね!

 

 

★『女教師ツーウェイ』201012-1月号

 

さあ来ました!!!!買いあさった雑誌の中でキラキラと輝くこの1!!!!女教師ツーウェイ!!!反芻しようじょきょうしつーうぇいじょきょうしつーうぇいじょきょうしつーうぇいじょきょうしつーうぇい何ですか女教師ツーウェイ!!!!!!誰に向けてどんなことを書いてるんだ女教師ツーウェイ!!!!!!女教師に向けてツーウェイのことを書いてる雑誌だ女教師ツーウェイ!!!!!表紙がけん玉に勤しむガキどもを温かく見つめる女教師のイラストだ女教師ツーウェイ!!!!男教師がいまだかつてこんなに優しく生徒のけん玉を見つめたことがあっただろうかいやない!!!!!けん玉は手首にグルグル結びつけて先っちょで生徒のケツをぶん殴って行くそれが男教師!!!全然ダメ男教師!!!!

今号の特集は……『教師の赤ペン―やりすぎ注意報はここだ』!!!!!先生の赤ペンの入れ方!!!!これが巻頭特集!!!さすが女教師ツーウェイ!!!知りたい知りたい赤ペンの入れ方!!!!「たくさん花丸をつけて自信をつけさせよう」「子どもたちは一喜一憂している!花丸は全員大きく書こう!」「赤ペンで書き直しは一年生の子どもの心を傷付ける」「○は大きく×は小さく」あめえええええええ!!!!!!!ウソ優しいいいいいいいいいいい!!!!!!さすが女教師!!!!男教師じゃこうはいかん!!!!男教師は赤ペンじゃなく茶ペンとか緑ペンとか使うからダメ!!!!全然ダメ!!!!時代は女教師!!!!そして人気コーナーかどうかは知らんが多分全国の女教師に人気のコーナー『女教師はまたまた見た』!!!!!なぜ見る女教師!!!!何を見るんだ女教師!!!今回の内容は「なぜ今になってセクハラ!? アラフォー女教師、万策で闘うの巻」!!!!ナイスタイトル!!!!!男子生徒からの突然のパイ揉みに戸惑うアラフォー女教師!!!!いいぞ中川先生!!!土曜ワイド劇場で赤かぶ検事に続くシリーズ持ってください!!!!

 

 

 

皆編集者

 

学研の学習、少年ジャンプ、マル勝ファミコン、サッカーマガジン、スピリッツ、ワールドサッカーダイジェスト、NUMBER、日経エンタ、GON!BLASTTITLE、広告批評うわー……何かなー………ある一定の世代までは、自分が夢中で読んで来た雑誌を時系列で並べるだけで人生のタイムラインを描写できると思ったんでやってみましたが前半すごく薄っぺらい雑誌ライフであることが分かり薄っぺらいライフであることが分かりました。

 

狭さは強さで自分のやってることっつーかやりたいことに迷いがなくて部数気にしてラーメン記事増やしたりどこぞのアイドル表紙にしたりとか迷いがなくて強い。売れなきゃ意味ねーだろとかオッサンどもは鼻くそほじっておっしゃるのかもしれないけども「やりたいことは金を稼ぐこと」の人がやりゃいいと思うし好きなだけ部数出して好きなだけ儲ければいいと思う。でもそうじゃない人もやっとるわけで。そりゃ少しは儲かりたいけど死なない程度に。

 

休刊中の『広告批評』元編集長である河尻亨一さんと箭内さんがラジオ風とロックで話したときに『一億総編集者時代』みたいな話が出ててインフォメーションの砂漠でラクダにまたがれてんのかまたがれてないのか分からない僕らが今、意識的無意識的に日々やってることは『編集』そのものなんじゃねーのかと。いかに情報を編集して自分と言う名の雑誌を毎日作ってるのかってことじゃねーのかと。むしろ自分こそが雑誌なんじゃねーのかと。月刊誌じゃねーのかと。自分こそが月マンなんじゃねーのかと。そう考えると情報砂漠の乗りこなし方がわりと楽しくなるっつーか結果みうらじゅんさんのエロスクラップみたいなの完成して薄墨のようなキモチになるのも面白いっつーかある意味エロスクラップと女教師ツーウェイは完全同じものなんじゃねーのかと。言いすぎですか。

 

全ての人に道具が手渡され全ての人に『表現』が解放されたゼロ年代を経てきたとは思ってたんだけど「表現とか発信とかしたくない人も、そりゃいるよ」という話も時々耳にして2010年代は『道具を押し入れにしまう人も出る時代』なんじゃないかとふと思ってしまったりもするけれども。受信だけしてれば幸せなんだという人もいるかもしれないけども。発信をしない人、表現をしない人はこの世にはそもそも存在しない。編集は表現だ。テレビのチャンネルをピッピピッピ切り替えてどこかで止まるのも表現だ。お気に入りに新しいサイトのURLをぶち込むのも表現だ。twitterでくだらない事をつぶやいてるヤツを自分のタイムラインから外すのも表現だ。この世から好きと嫌いがなくならない限り表現も発信もなくならない。誰かに届かないモノを表現とは呼ばないのと同時に、誰かが存在しないモノはこの世にはないからすべてのモノは表現である。

もうちょい楽しくなんねーかなとか、もうちょっと思うとおりになんねーかなとか、あの子カワイイなーとか、好きになってくれないかなーとか、思ったら、もうそれは発信なんだから、どうせなら、自分自身のその瞬間瞬間の動きが雑誌の編集なんだとしたら、楽しくなる方を探して歩いてけばそれでいいんじゃないかと。『月刊・自分』に載せたいのか、載せたくないのか、載せたくないけどあえて載せてみるのか、新コーナーは必要か、マンネリ化してきた定番コーナーは辞めるべきか、来月号は倍のページ数にしてみようか、とか。そういう楽しみ方でひとつ。