社長

 

シャチョサーン、デンワテテヨワタシサミシヨー。シャチョサンワタシヨサリーヨー。タマニハカオダシテシャチョサン。シャチョサンワタシキョウヒマヨアイタイヨー。デンワナンデデテクレナイシャチョサうるせ――――――――!!!!!どこのサリーかあるいは小文字使いのサリィかしんねーけどカタコトで留守電3分埋めつくしてんじゃね――――――――――!!!!!!!と思ってたら最近電話来なくなって寂しいです。あとプロミス四谷店からの新規借り入れのお誘い電話も最近来なくなってさらに寂しいです。ウサギなら死んでます。北国住まいなら自殺してます。南国住まいなら泳いでます。ほら水が冷たくて気持ちいいからそんなとこで前立腺マッサージしてないでサリィもこっちおいで。ミニ丈のチャイナ服のままで。ありのままで。

今日も社長を誘う訛った日本語が飛び交う赤坂とか新宿とかでなぜサリィが客を社長と呼ぶのかというとサリィはそういうふうに教育されているから。

 

島川丈男という人が書いた『夜逃げからの出発』というわりとテンションヌがチアノーゼしてしまうタイトルの本があってその人は叩き上げの焼き鳥屋の社長なんだけども客を社長と呼ぶ理由は『社員がいただいている給料は島川社長からではなく、お客様からいただいているのだと常に意識し、お客様の満足のために働いているということを確認するため』らしいですよシャチョサン。

世の中でオッサンヌと呼ばれる年齢にさしかかりつつあって多少は分からないでもないマインドではあるけども世の中に社長と呼ばれて嬉しい人数って何人ぐらいいるのかしら。嬉しいすかコレ読んでる人。いきなり社長と呼ばれて。そんなの顧客満足とか言って内輪の自己満足じゃないんすか。客が呼ばれて嬉しいかどうかのほうが重要じゃninthか。中学の時、棺桶にフライング警告されるぐらい片足を突っ込んだ昇天直前の英語の先生に『ninthは”e”がないんス!!』と絶叫されたのでeは間違いなくないんスけども。社長って呼ばれて嬉しいすか。

 




肩書き

 

日に日に肩書きが足枷のような気がして自分を縛るもののような気がして肩書きが嫌いになって久しくなっていつかは忘れたけども、箭内さんに何かの拍子に愚痴的なニュアンスでゲロゲロゲロッピ(←新キャラ)したことを覚えてる。

 

(山)「僕もう肩書きが邪魔で邪魔でしょうがないです。作家だ作家だと言われて作家以外の仕事をしちゃいけないんじゃないかみたいな気持ちに外側からグイグイされてるような気がしてさっさと脱ぎ捨てたい」

 

(箭)「いやー、そんなことないよー。世の中に『先生』って呼ばれる人なんてなかなかいないよー。『作家先生』って呼ばれる仕事は、大事にしたほうがいいよー」

 

ねえホント?箭内さんそれホントに言ってる?分かんないよ…あなたの考えてること…私…私分かんないタッタッタッタ!!!!サリィ は にげだした!しかし まわりこまれてしまった!やない は ふしぎなおどり を おどった!

作家を先生呼ばわりする件についてはサリィが客をシャチョー呼ばわりする件と感触があんまし変わんなくて現在先生と呼ばれるほど僕が偉いのかと言われるとそんなこともninthけど先生と呼ばれ作家と呼ばれた結果は周りに作家っぽい仕事しか渦巻いてないんじゃないかということで違うことがやりたくてやりたいと言っても「だってお前作家だろ?」と言われることで、「俺はもっと違うこともやりたいんですわよ!!!!」と大声で叫んで外に飛び出していくためには肩書きがとっても邪魔になる。邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔と思って逃げ回って気づいたことは、だったら自分の好きなように肩書き変えればいいんじゃねーのかっていう単純な話でクリエイティブ整形の一種なんじゃねーのかという気づき。

箭内さんが提唱していることの1つにクリエイティブ整形っていうのはあって、自分の外見を変えてみる。金髪にしてみる。派手にしてみる。ビックリするようなカッコしてみる。その外見を常に一番身近に感じ続けて目に飛び込ませ続けているのは自分である。外見から中身に外圧をかけてみる。それが肩書きにも通用するか。通用する気もする。勝手に名乗ることによって自らをなりたい自分へと近づけられるか。近づけられる気もする。肩書きisクリエイティブ。

 

広告業界に必要以上の憧れが集中する要因の1つに肩書きが何かとワケ分からんカタカナだってこともきっとあってクリエイティブディレクターとか、僕はクリエイティブなディレクターだよって自分で自分褒めて気でも狂ったのかと思うし『面白作家の山本佳宏です』って言ってんのと同じじゃん。違う違うバカだなーとか思われるのも知っててそれ込みでイライラするしコピーライターとか言ってコピーってなんやねんだからってことを『コピーも知らないの?カワイそうにフフフフフン』みたいに福田首相ばりの鼻笑いされてそうでイライラするしアートディレクター略してADとかだからディレクターって何なんだっつーんだよとか思うし、結論を言うと、カッコイイすよね。憧れる。関西の片田舎で中産階級に生まれた引きこもりからはキラキラしててまぶしすぎる。

日本人は相変わらずワケ分からんカタカナに弱い。無条件降伏好き。舶来のモノは良くわかんなくても必ず全部イイもの。だったら僕は肩書きクレーマーまたはブルペンキャッチャーでいいですお前野球やったことねーだろーが。とか言いながら今手元にある名刺をパラパラパラパラと眺めてたら『Superディレクター』とか書いてあるのが出てきたよ-――――――――(平坦に伸ばす)。

 

 

【風とロック Dream Maker 箭内道彦】

僕と箭内さんが初めて会ったときに当然名刺交換をしてすっかり有名になったイチゴの香りが強烈に漂うイチゴ名刺をもらったんだけど名刺の肩書きのところに、『Dream Maker』って書いてあって僕が「ドリームメイカー…」ってつぶやいてたら箭内さんは「その肩書きちょっと失敗したなーと思ってるんですよねー…」って恥ずかしそうに言ってた。今の名刺に書いてあるかどうかは知らない。多分書いてないかも。ドゥリーメイクゥェァー。あいまい母音って大変ですね。夢を作る人。恥ずかしそうにしてたのには必然性があって恥ずかしくなるような照れるような付けるのに勇気が要るような肩書きだからこそ付ける意味がある。箭内さんは世の中ではクリエイティブディレクターとかアートディレクターとかCMプランナーとかひとり広告代理店とかジャージ上下とかジャージ左右とか呼ばれたりしてますけど、もはや俺はそういうんじゃねーんだ!!!!!!という思いの発露だったんじゃないかと振り返ってみて思ったけどドゥリーメイクゥェァー。何か今となっては超正解な肩書きな気がしないでもないっつーか自分の夢を実現していこうとする人ですよねむしろ。

 

 

【ロックンロール食堂 課長 稗田倫広】

課長?課長っていうか……社長が箭内さんでしょ?同い年キャンペーン実施中なのでくん付けですが稗田くんから風とロックBARで名刺をもらったときに課長って書いてあって課長?役員と部長いないですよね?だってロックンロール食堂行ったって稗田くん1人しかいないでしょ?

(稗田)「部長募集中です」部長に生まれて、良かった-――――――――!!!!!!!!

かつて地元で『店長&店長候補募集』という張り紙を掲げてた喫茶店があってやる気の無さと店長と店長候補を同時募集する戦国時代村的な下克上風雲録を感じたあのとき以来のSUGA-SUGAしさ!!!!!!!!!!!!!

自分の上司を募集するその心中は察する気がさらさらなかったけども一応察してみるとやっぱり分からん!!!!!!!僕を仕事において使役してくれる人はいませんか!!!!社会的マゾ!!!!!!!!!

(稗田)「山本さん部長なりませんか」きた-――――――――――――!!!!!地球に生まれて、きた-――――――――――モノマネのフレーズぐらいちゃんと覚えとけよ。

わたくしの女王様になってください的香りが漂う誘い文句に思わずよろめき!!!!!!!!!!これこそが課長という肩書きによるコミュニケーションの醍醐味なのか!!!!!!!

先日、東京メトロのマナー広告『家でやろう』のポスターが話題に、みたいなニュースで稗田くんが新聞に登場してて記事の中でクリエイティブディレクターの稗田倫広さんみたいなことになってて違うじゃないですか稗田くん。課長の稗田さんにしてくんないとヤダヤダヤダヤダって電車内でダダこねてメトロの人に「家でやろう」って言われて欲しかった!!!!!

 

 

 

先生という肩書き

 

僕の両親はすでに定年退職してますけど教師で特に父親のことが大嫌いだった僕にとっては教師という肩書きさえも敵で将来何になりたいかなんて夢は何にもなかったけどなりたくないものだけは決まっていてそれは教師。教師にだけは死んでもならないと心に固く誓ってた。全国の教師のみなさん気分を害したらすいません。でもこれは純粋に体験からくる振り返りであってもし何かありましたら僕の両親にお問い合わせいただければと思いますけども教師なんかホントにクソでしかないと思って思って思って今先生と呼ばれてたりする。しかも『作家先生』の先生じゃなくて無免許教師としての『先生』。

何の因果か電波の中に生まれた学校、SCHOOL OF LOCK!の先生。子供たちは僕のことを先生と呼んで最初の3ヶ月は吐き気がした。何よ先生って。気持ち悪い。お前らに教えることなんか何にもねーよ。好きなように生きて好きなように死ねと思ってた。吐き気がおさまらず子供たちが僕を先生と呼ぶ声も止まらず僕はこの波に流されるしかないと思ってそれはどういうことかというと肩書きに丸ごと乗っかろうと思って自分がホントに先生なんだと思い込んで仕事してきた。先生と呼ばれることに麻痺したっつーか慣れたっつーかむしろタメ口聞いてくるガキとか引っぱたく勢いだったし自分のやるべきことはこいつらをちょっとでも幸せにすることだと本気で思い込むようにした。吐き気はなくなった。大嫌いな『先生』という肩書きから逃げて逃げて逃げて逃げ続けてたどり着いた場所は先生。何なのコレ。何なのコレクション。そんな略あるか。何なのコレ。肩書きは中身を整形する。そういうことか。あるいは人生は中3で終了するってことか。(先月号参照)


 

 

クリエイティブな肩書きとは

 

クリエイティブな肩書きっていうのはクリエイティブっていう言葉が配合されてるとかされてないとかそういうことじゃなくてクリエイティブ整形として自分を刺激してくれるかどうかなんじゃねーのかというところにトンボの複眼を着眼して思いつく肩書きを並べてみます。

 

【トータルライフアドバイザー 叶姉妹】

いつもトータルにアドバイスしていただきありがとうございます。

 

 

【お魚らいふコーディネーター さかなクン】

おさかなサンおはようございます!!1個下ですけどお前もう33かい!!!!と言いたくなるさかなクンの金目鯛のような瑞々しさに敬意を表しておさかなサンおはようございます!!!!彼を見れば見るほど『ホンモノ感』が濃厚に漂ってきてあー…こいつホンモノだなーとしか思えなかったんだけど海洋大学客員准教授、農林水産省水産庁水産政策審議会特別委員、環境省「環のくらし応援団」メンバー、全国漁業協同組合連合会魚食普及委員と着実に社会的成功の階段を登りつめる様子に、真のホンモノって怖いなーと思うようになった。つーかお前もライフをコーディネートすんのか。俺のライフにいちいち触わんな。あなたの人生をコーディネートとか生活の新しいコンセプトを提案とかそういう偉そうなのはホントにやだ。あ、おさかなサンに言ってるわけじゃないですよ。

 

 

【臭いもの研究家 小泉武夫】

東京農業大学教授であるこのお父さんのもう1つの肩書きっつーかコレが肩書きであるかどうかすらもはや僕の脳内タンスの引き出しが正常に開いたかどうかにかかってますんで正しい肩書きが何なのかは各自ワールドワイドウェブでご確認いただきたいんですけども、このお父さんについての僕の衝撃は何なのかというとテレビで見ました。何かプンプン匂ってる発酵的な食いものの樽に手を突っ込みながら「いやークサイねー!クサイわコレ!ハハハ!」とか言いながら手づかみでベッチョンベッチョン食っててやめて愛しのクサいロクサ――――――ヌ!!!!!!僕の鼻は匂いに敏感で一定度数以上に強い匂いを嗅ぐと体調を崩したりしてしまったりして小学校の時、冬になってストーブに火を入れる時期になってプイーンと漂う灯油の匂いを嗅ぐと100%風邪を引いてた。クサイのホントダメ。そんな僕がテレビで出会った自分と真逆のお父さん。何?何でクサイもの研究してんの?もう気になってしょーがない。僕の本能の中にいる小さな天狗ちゃんが気になる気になると顔を真っ赤にして飛び回ってる。この鼻では死ぬまで研究することがないであろうモノを研究するお父さんが気になる。僕も『臭いもの研究家』を肩書きにすれば、きっつい匂いに対処できるようになるかしら。むしろ『”クサイ”の反対って何?』みたいなアプローチで意外といい線いけるかも。

 

 

【料理愛好家 平野レミ】

半分脳みそなくなったんじゃないかと思うような内容をもう半分の脳みそもないんじゃないかと思うようなNo breathでしゃべり続ける女の人を僕が意外と嫌いじゃないっていうのもありますけど研究家じゃなくて愛好家なのは芯食ってんなーと思ってて研究してます、よりも、大好きです、のほうが相手への浸透度が圧倒的に違うわけで研究してるってだけのヤツより大好きなんですってヤツのほうが信頼できる気がする。気がするだけだけど。でも気がするのが全てだったりもするんで。

 

 

【プレイヤー 夏木マリ】

『肩書きにはこだわってないけど、すべての仕事を楽しくPLAYしたい、という意味で、プレイヤー』かっけ-――――――!!!!!!!!!!っていうか肩書きはこうありたい!!!!!!!!

 

 

【特殊写真家 山中カメラ】

品質と信頼の山中カメラさんを初めて見たのは先日の風とロックBARで白衣を着たサラリーマンみたいな人が何かステージ周りをウロウロしてて何の人かしらあの人ヒソヒソ( ゚д゚)( ゚д゚)ヤダァ(゚д゚ )(゚д゚ )ネェ、キイタ?(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )(゚д゚ )集い(゚д゚ )すぎ(゚д゚ )だろ(゚д゚ )お前ら!!!!!!!!!!!!!1人で生きれなきゃ1人のままだぞずっと!!!!!!!!!!

文字で山中さんのステキなパフォーマンスを伝えるのもツライのでカンタンにいうと映像と音と写真と白衣と歌とフィルムカメラのフィルム入れるところに酢飯詰めてガチャコーンと握るカメラ寿司なんですけども。

以前はパフォーマーとかアーティストとか色々名乗ってたらしくてどれも当てはまらないような気がしてたらしくてジャンルにあんまり縛られたくないと思ってたらしくて人に自分の活動を説明するのが大変だったらしくて落ち着いたのがこの肩書き。特殊っていいですよね。何か違うという香りをプンプン漂わせながら何が違うのかは一切分からないワードです。そういう意味で僕は大型特殊っていう言葉が大好きです。スケール感とエッジ感がハンパないです。ダンプに乗りたいという願望はゼロです。

山中さんはコメディアンっつーかお笑いだと思われたりするのが困りものだとどこかでおっしゃってましたけども僕は別にお笑いだと思われても芸人だと思われてもいいじゃんと思ってる人間で、絵も写真もインスタレーションもアートもコントも漫才も音楽もストリートパフォーマンスも全部同じだと思ってて要は目の前の人をどんだけ揺さぶることができるのかってことが全てでアートでだって笑うしコントで感動することもあるしアートを気取った時点でそれは手段の目的化で、山中カメラさんはそういう意味で特殊だし素晴らしいと思うから人がお笑いだと思おうが白衣着たサラリーマンだと思おうが気にしないで寿司を握って歌ってほしいです。

 

 

 

『元○○』

 

箭内道彦がラジオをやってることはご存じですか。『風とロックとTシャツSHOP』ってのをその中でやってることはご存じですか。『交通事故被害者ホットライン』についてはご存じですか。竜巻から身を守る『竜巻注意情報』についてはご存じ日テレのくらしナビ最前線みたいになってきたたたたた-――――――――――!!!!!!!!!!!!新しい肝炎総合対策の推進』についてご存じですか―――――――――――――!!!!!!!!!推進については存じあげませんでした―――――――――!!!!!

Tシャツを着ることはメッセージを着ることで胸にメッセージが刻まれたTシャツは着ている人と一体化した『広告』そのもので時代に向けたリアルタイムのメッセージをみんなに自由気ままに発信してほしくて僕らが始めた『風とロックとTシャツSHOP』。この号が出る頃には第1弾商品化作品が決まってるはずだと思うけども、その魂は箭内さんが連載しているところのTVブロスにも飛び火して先方にもアイデアが寄せられて北角文月さんの作品。覚えてない人はhttp://blog.magabon.jp/radio/からどーぞ。

 

『元○○』

 

○○には職業や肩書きを入れる。

たまんない。どーでもいいウンコみたいな肩書きが、『元』の後ろに収まった瞬間に人に池田貴史ことレキシが生まれて超いい。

中学生はただの中学生だけど、『元中学生』には無限の可能性が広がる。OLはただのOLだけど『元OL』へは人の歴史を感じる。クリエイターとかどーでもいい肩書きだけど『元クリエイター』にはものすごくクリエイティブを感じる。何が彼をしてクリエイターを捨てさせたのか。そのストーリーに興味が湧いてしょーがない。ハードロッカーはハードロッカーでしかないけど『元ハードロッカー』には放射線状の光を感じる。肩書きに『元』とかいう過去なワードを付けることで現在進行を表現する素晴らしいTシャツ。すべての肩書きは『元』であるべきだとすら思わせるステキな感じ。

 

 

 

なりたい職業よりやりたい事

 

CMプランナーになりたい。広告代理店に就職したい。レコード会社に入りたい。音楽制作がしたい。俳優になりたい。アーティストになりたい。夢の職業と呼ばれるものはそれぞれ持ってたりして日本は特にギョーカイバンザイ社会なので誰もが一度は芸能界やらマスコミやら広告やらの一見華がある職業に憧れるんだけどもだからこそなおさら。何度でも言わなきゃいけない。電通に入りたいと思ってる人は例えばこの世に1万人ぐらいいるとして入れるのは毎年200人ぐらい。200人ってすげーな電通。それでも200人ぐらい。190人とか。つまりアナタは入れない、とかラフ断言をしても9810人には当てはまってしまうわけで道が狭い。お前らオトナは夢をあきらめるなっていつも言うじゃねーか俺は俳優になりてーんだとか文句言われても返事は1つ「僕とアナタは”夢”の解釈が違う」。俳優にはなれるかもしれない。でもなれないかもしれない。それは夢とは呼ばない。叶わない可能性があるものをことを夢とは呼ばない。と個人的には思ってて、だから職業は基本的には夢じゃない。

その仕事を通して、何をやりたいのか。何を表現したいのか。それが夢。人を笑わせることが大好きだからオモチャを作ったっていいし芸人になったっていい。食い物で人を爆笑させることだって必ずできる。人を感動させて泣かせることは映画製作でもアクセサリー製作でもできる。才能ある人をそばで守り運ぶという夢ならローディーでもブルペンカーの運転でもできる。そして、やりたい事が同じなら、同じ人とは必ず出会えます。コレは運命だの星回りだの、そんなオカルトの話ではありません。同じ場所を目指して、違う道を通って、走っている2人の、その2つの道には、どう考えたって交差点があるんです。じゃないと成り立たないもん数学的に。交差点があってそこで必ず会うんです。だから、職業は、走れば走るほど、どっちでも良くなるんです。やりたい事があってやってる仕事なら、大嫌いになることは滅多にありません。職場の環境とか人間関係が合わないことがあります。職業を変えるのも全然いいと思います。やりたい事だけちゃんと見てれば。職業しか見てなかった人は死ぬか引きこもるかしかないみたいなことになりますけど。やりたい事を探してください。見つけてください。大事に育ててください。しょせん僕が話せることは経験談でしかなくてオッサンどもが偉そうにする話はどれもこれもしょせん経験談の域を出ないんですけどコレばっかりは経験してしまったっつーか現在進行形でしかも年食えば食うほど経験してることなんで。言わなきゃしょーがないんで。僕がずーっと大事にしてたっつーかやりたいっつーか知りたいと思ってたことは、時間軸をパックリ切り裂いた『今』という切り口はどんな風に見えるのかを哲学とか物理学とかじゃなくて自分の目で見てみたい、面積も長さもない、『今』という一点を見るためにはどうしたらいいのか、それだけが知りたい知りたいと思って生きてきて例えば箭内さんに会えたわけで。作家なんて肩書きはどーだっていいんです、そういう意味では。そう呼びたいならそう呼べばいいですけど、それは過去に僕がやってきたことのまとめであって、今僕がやりたいと思ってることを表現してるわけじゃない。あーあ、糞(フン)つまんない文章書いちゃった。

結局言いたいことはなんだったのかっつーと、肩書きは『今、やりたいこと』にするべきだってことでございますな。

 

『今、人間の限界まで爪を伸ばしてみたいと思ってる、山本です』

『急に結婚したくなってきた、山本です』

『砂漠緑化を絶対に推進しなきゃと思ってる、山本です』

『その場しのぎのごまかしでもいいから、みんながツライこと忘れて笑ってられるようにしたいと思ってる、山本です』

 

肩書きってそういうことでいいんじゃねーの?人の肩書きで嫉妬したり悔しかったりするなら、こういうので嫉妬したい。「うおーあいつすっげー楽しそうなことやりたがってんなー悔し―――――!!!!!!」って。