07/10/11 @ ZEPP OSAKA
レミオロメン、チャットモンチー、LOST IN TIME
『風』
ザワワザワワザワワギュイ―――――ンチャリチャリ――――ンガチョコン!!!!!SCHOOL
OF LOCK!ズンタンズンタンズンズンズタンタン旗ブリンブリンブリンスポ―――ン!!!!!イタタタタタタLOST IN TIMEドズ―――――ン海北ヴオオオオオオオオヴオオオオオオオ中学生女子ピック――――――ンでもお構いナシに海北ヴオオオオオオオオオ!!!!チャットモンチースッコ―――――ン!!!!ニャーニャーニャニャー中学生女子キャーキャーキャキャーでズッチーズッチーズッチーズッチーアーアァ?スッコ―――――ン!!!!レミオロメ―――――ン!!!!オッケー!!オッケー!!フヮ?!!!ウラガエーッタ―――――――!!!!!フヮ?!!!ラーラララーララーララーラララ―――――――――アア?ア?ァ?カッカッカカカカッカッカ以上!!!!!!!!!!!!!!!!!
07/10/12 @ ZEPP FUKUOKA
ASIAN KUNG-FU GENERATION、YUI、ジン
『跳べ』
太郎は音もなく笑い 次郎は音もなく笑い
空気の温度はやさしく上がる
桃は狂って身を弾ませ 桃も狂って身を弾ませ
栗はやさしく実を守った
桃は空に置いてきた
大事なものも 大事じゃないものも
桃には区別がつかなかった
大事なものと 大事じゃないものと
跳んで弾んで叫んだら
口から全部出て行った
空に浮かんだ桃の種 床でしぼんだ桃の皮
栗はやさしく見守った
どっちが桃で どっちが桃じゃないのか
栗には分からなかった
栗も跳ぶことにした
07/10/19 @ ZEPP TOKYO
BUMP OF CHICKEN、銀杏BOYZ、THE BACK HORN
『自分』
ザ・ブルーハーツが『未来は僕等の手の中』と宣言して20年。その間の僕の手の中にはチンコとチンコ周りのモノ以外に何もなくてつまりは未来なんてなかった。未来の鍵とか夢見んのもたいがいにしとけよ。今日には今日のチンコがある。ただそれだけ。未来なんかなくたって夢なんかなくたって生きていくし絶望して自殺するほどハナから人生に期待なんかしちゃいない。未来も鍵も夢も夢だ。
『死ぬ瞬間に残る魂の記憶は、美味いものを食べた記憶と、人に良くしてあげて喜んでもらえた記憶だ』と誰かが言ってた気がするけど誰だか全く思い出せないので当たり障りのないところで牛若丸が宙をクルクルクル――――ンと舞って着地すんごい失敗した瞬間に言ったコトにして牛若丸を踏みつけながら先に進みますけども2年前の僕は未来なんて考えるような男じゃなかった。
個人的な話をします。
SCHOOL OF LOCK!という中高生向け番組の企画書に出会った。ラジオの中の学校。2年前僕はラジオに失望していてこんな場所にいたら自分の脳みそが腐ると思ってとりあえず今のラジオの仕事は全部辞めますサヨウナラと言おうとした2日前に企画書に出会った。出会った瞬間はオッサンが押し付けてくるマズイ酒ぐらいイヤだったけどまだ腐ってなかった脳みその一部がラジオではない匂いを感じてラジオという瀕死メディアが殺される前に自分の手でぶっ殺せる匂いを感じて僕は僕のラジオでの遺作として今後20年誰も到達できない高みを見せてやろうと思って引き受けた。地雷を踏んだらサヨウナラ。ニコッ。そんなキモチ。
過去は記憶に縛られて、未来は夢に縛られて。僕たちの人生はがんじがらめ。僕たちはどこにも行けない。僕たちには今しかない。今という瞬間を強烈な閃光として刻んでいくしかない。その光の連続を、僕たちは『未来』と呼ぶ。
そんなことを堂々と言えるようになったのも年をとったからで中高生には絶対に分からない。キラキラした未来が欲しくて成功した人生が欲しくて幸せが欲しい。ただただ欲しい。誰でもいいから自分の未来を保証してほしい。そんな中高生の願いは昔も今も変わらない。ほっときゃいつか分かる。アドバイスなんて何もない。
いつか分かる前にピョンピョン飛び降りて首吊って死んでいくヤツラがいる。自分が嫌いで人間が嫌いで未来が不安で押しつぶされて死んでいく。
僕はSCHOOL OF LOCK!をやるに当たって、そいつらがもう少しだけ年を取るまでごまかしでもペテンでも言いくるめでも何でもいいからとりあえず自殺だけはしないようにしようと思った。崇高な目的なんかどうでもよくて、ただ馬鹿丸出しのガキが馬鹿丸出しのオトナになるまで自殺しないように。ペテン野郎と言われようが応急措置でしかなかろうが別にいい。オトナは死にたきゃ勝手にすればいい。
番組開始から2年たった。傲慢と誤解と非難を恐れずに言えば日本のラジオはSCHOOL OF LOCK!とSCHOOL OF LOCK!以外に分類されるようになって全国のZEPP3会場でLIVEツアーができるようになった。大阪、福岡ときてZEPP TOKYO。
BUMP OF CHICKENと銀杏BOYZとTHE BACK HORN。濃。特濃。特濃豆乳。8.2。単位が分からん。バックホーンと銀杏とバンプが連続して同じステージに立つのを僕は見たことがない。中華料理の回るテーブルの端っこで秋の大三角形を描きそうなバンドとバンドとバンド。テーブルを回せる人は3つとも味わえるけど回せない人には他の2つが遠くに見えているだけのバンドとバンドとバンド。
THE BACK HORN。山田くんも栄純も裸足。裸足が無骨プラス妖艶。ほねなしじゃないよぶこつ。生放送で”初めての呼吸で”を歌ってくれたとき、栄純の足の指は板をぶち割りそうなほど床をつかんでいて、山田くんの口は目の前のマイクを噛み砕く一歩手前だった。THE BACK HORNのどうしようもない不器用さを見たあの日以来スキがダイスッキに変わってこの日。原始人のセクシーダンスを見るようなTHE BACK HORNのLIVEは荒くてエロイ。
銀杏BOYZ。峯田くんが宮沢賢治に語りかける。宮沢賢治はあの日から峯田の心の中。峯田くんがヨダレを垂らしアビちゃんが白目を剥きチンくんが爽やかに細かい変態的ポーズをとり村井くんが横向きの安藤美姫のように中途半端に回転しながらダイブし峯田くんが2階席でやしろ教頭とベロチューをかます。破綻すればするほど、いつも銀杏は美しい。泣けるほど美しい。僕は1度も笑ったり叫んだりすることなく銀杏BOYZの世界を凝視した。
BUMP OF CHICKEN。銀杏の嵐が去って放心状態。中学生女子の瞳孔は閉じない。この空気を一瞬にして吸引して自分のパワーにできるバンプは本当に偉大。ステージ袖でバックホーンと銀杏のLIVEを観てた藤くんは「泣きそうになったよ。え?みんなはならなかったの?」と言いながら歌う。藤くんの声がいつもよりデカイ。デカくはないかもしれない。いつもより強い。興奮してる。届けようとしてる。分かんない。でもそんな感じ。
やましげ校長とやしろ教頭。箭内さんは「こんなにド直球で”青い”なんてなかなかないよ。スプリングスティーンみたい」と言った。僕は褒め言葉だと思った。それができるから、校長教頭はBUMPのLIVEの後にステージに立って”トリ”を務められる。ポッカリ空いた心の穴に、音楽で『自分』という名の旗を立ててやれ。恥も外聞もなくそんな青くせーコトが強く言えるコトだけが、SCHOOL OF LOCK!の存在意義。
不安だ不安だ不安だ。ツライツライツライ。分かってくれない分かってくれない分かってくれない。キライキライキライ。そんなヤツばっか。未来は夢に縛られてる。
音楽を聴いて”今日死ぬのは、とりあえずやめておこう”。そう思ってくれるならそれで十分。それ以上のことなんて望まない。未来の鍵なんてどこにもない。未来は僕たちの手の中にはない。でも、持ってると信じて、あると騙されて、手を鍵のカタチに握ってるガキは死なずに済む。そしてまた明日。地雷を踏むまでは。