巻き
もう時効かなーとも思いますんで一番邪魔な時効警察の霧山を殺害した上で時効を待って告白しますと、しょこたんブログに載って僕はコスプレをしてたよ。ハガレンの。羽賀レンタカーじゃなくて鋼の錬金術師の。しょこたんが番組にゲストに来て生放送中に着替えまくって自分のブログにUPしまくるという企画でスタッフも全員コスプレにお出迎えることになって僕もイヤイヤながら当日渡されたロイ=マスタングとやらのコスチュームを着て本来ブーツ的なものを履くべきコスチュームで僕はアホみたいなグリーンと黄色のスニーカーしか持ってなくて結果として下半身は真っ青なスラックスを履いた体育教師みたいになってテンションが四つんばいとなって地べたを這いずったんだけどもしょこたんブログに載ったよ。コスプレに何の興味もなかったけど、やるなら完璧を目指したいと思ったよ。
番組終わって残された僕らはアホみたいなコスチュームの上だけ脱いで疲れたホテルマンみたいに片膝立てて座り込んでみたりしたけども、話すこともなくて何となくフェチの話になった。フェチってどこまで行くのかねと。
お前『俺○○フェチ』って言いたいだけちゃうんかと言いたくなるくだらないヤツもいるし、一方では目が今日も明日も見れなくて明後日ばっかり見ている冗談抜きのド変態も確実にいる。上品な雑誌なので書きませんけどヒントは生肉とかです。
フェチってどこまで行くのかな。
そんなことをアホみたいなコスプレしてるアホみたいな分際で考えていたら、知人から袖の下に情報が入った。
渦巻きフェチが、いるよ。
あぶな――――――――いキキ―――――――ゴゴゴゴ――――――――――記号!!!!!
記号じゃねーか!!!最近は記号にまでフェチの波!!!!!本当か!!!
確かに、誰だって渦巻きに目を奪われる人生のある瞬間を過ごしたことがあるだろ。なあ。あるだろ。
栓を抜いて流れていく風呂の湯。ひり出されるソフトクリーム。洗濯機の水が回るのを見つめるのが好きだったヤツもいたな。確かにあったよそんなJEDI。回る回るよJEDIは回るのフレーズが脳内を渦巻いて僕もずいぶんダジャレが達者になってきてオッサン化してきた感があるんだけどフェチとなったら話は別だ。何だ渦巻きフェチって。半永久的に性的に好きなのか。渦巻きが。
10年前に付き合っていた女の名前をついつい検索バーに打ち込んでグゲってみて気持ち悪いコスプレ画像とかがヒットしてガッカリしつつもひょっとしたら本人の成れの果てなのかもしれないと疑う心もあったりしてでもやっぱり違ってちょっと安心して検索を続けるレベルで気になって仕方ないので検索バーに『渦巻き』とぶち込んでグゲってみた。みんなもアグレッシブに使っていきなさいよ『グゲる』。
“渦巻きは神であった”(著者:大谷幸市)
いいんですかいんですかあっちサイドにいざなわれてもいいんですかー。いざない過ぎだろ。フェチを越えて神のエリアにまで飛んでいってしまいました渦巻き。
さらにグゲる。うさんくさいペンダントの通販サイトを発見。こんな歯の治療中のとりあえずの詰め物みたいな素材で3万8000円。ブラックジャックの歯科医院か。…歯科医院…なんか叫びやすそうな響きだな…すいませんちょっと話を中断して叫んでもいいですか?歯科医―--------------------院グッッッ!!!!!!!
サイトの深い階層まで掘り進んでいくと商品ラインナップの中に渦巻き型のペンダントを発見。商品説明。
“こちらのデザインは渦巻きです。”
見りゃ分かるな。で?
“渦巻きは新しい始まりを意味します。”
話飛んだ―――――!!!!鳥人間コンテスト――――――――!!!!!!びわ湖の上を渦巻き鳥がクロニクル―――――――――――――!!!!!
雷様。あ、こいつじゃなかった。神様。渦巻きにそんな意味あるんでしたか。僕の知らないどこかの裏側で、渦巻きはそんな地位にまで到達していましたか。何なんでしょう渦巻き。何で僕はこんなに渦巻きに執着しているんでしょうか。自己洗脳?私は彼が好き私は彼が好き私は彼が好き。そう、私は、彼が好き。(←客席を向いて全員で)
コツ、コツ、コツ、コツ…(ロビーをゆっくりと歩く音)
いいですかみなさん。僕がこれまでの人生において渦巻きに執着したと断言できるのは、おそらくたったの1回。奥さんそれはいつですか?「え…私に聞かれても…」そう!忘れもしない、3歳か4歳か5歳くらいの頃!真っ白な煙と真っ黒な煙を交互に吐く製紙工場に囲まれたどうしようもない家から初めての引越しを経験した僕は、その新天地でどうしようもなく僕は…奥さん何を目撃したと思いますか?「え…私に聞かれても…」そう!美容院!僕はその時、美容院というものを初めて見た!店の軒先から突き出したあの正方形の看板の中でワケの分からない色の…色の…渦巻きがウノンウノンウノンウノンと渦巻いているのを!!!!!≪BGM(聖母たちのララバイ) CI≫僕は目を奪われた…目を離せなかった…奥さん、あなたにこの気持ちが分かりますか?「…いえ…全く分かりません…」絵の具全色を混ぜ合わせるとウンコ色になるという伝説を再現するかのように半永久的にうねるウンコ色の渦巻きは一体美容院の何を表現しようとしているのか。理髪店はトリコロールの爽やかポールでスッキリ爽やかなのにも関わらずかつての美容院には必ずあったあのウンコ色渦巻きは一体何を表現しようとしていたのか。幼い僕には理解できなかったし今でも理解できないしむしろ忘れてた。あれは僕にとっての渦巻き原体験か。美容院の看板にエクトプラズムを吸い込まれそうになった僕なりの渦巻きへの復讐なのか。分からない!!あの渦巻きで美容院は何を表現しようとしていたのか!!分からない!!銀河系も渦巻いている!!DNAだって二重螺旋に渦巻いている!!でっかいとこからちっさいとこまで渦巻きってなんですか。なぜ僕はこんなに渦巻きに執着し始めたんでしょうか!!!「え…私に聞かれても…」
渦巻き感覚
今友人に『渦巻きと言えば?』とか質問をちぎり投げしながら書いてるんだけど2人に1人は『ほらあれ、あの気持ち悪いヤツ』とすぐに返答してきてすなわちそれは伊藤潤二の『うずまき』。カワイイ顔した男子と女子の住む町が諸々渦巻きになっていく気持ち悪いヤツ。マンガも流行ったしみんなの印象に残ってるんであろう。渦巻きには人を引き寄せる力があって気持ち悪いとか思いながらもみんなどんどん渦巻きになっていくような話なんだけど、伊藤先生がインタビューに答えてるのを読んだことがあってそこで先生は「渦巻きがテーマになったのは後付けで、何か気持ち悪いものを書くことだけが先に決まってた」的な話をしてらっしゃって、ということは、気持ち悪いものを探した結果見つけたのが『渦巻き』だったと。
渦巻きって、キモイですか?僕の渦巻きってキモイですか?ねえ、僕のどういうところが具体的にキモイですか?言って!直すから!なんでも君江の言うとおりに直すから!だから…だから…赤巻紙青巻紙君がススス好きだ!!!!肝心なトコで噛んだらいかんわー。
美術論的な知識は膝小僧の水分くらいしかないので小僧レベルのことしか分かんないけども線がグルグル渦巻いていると確かに気持ち悪いというか不安になる。不安になるというか吸い込まれそうというか目が回るというか巻き込まれてまっすぐ立ってられないというかグラグラしてるというか不安というか…不安定になる。キモイとかキモクないとかいうよりもむしろ『安定の破壊』?世の中、現状維持よりも上だって下だって構わないからグルグル動いてるほうがイイに決まってる。クリエイティブに決まってる。かつて箭内さんは誰に言うでもなく僕の横でボソッと呟いた。「不変は、罪だよ」。僕もあの時そうだなーと思った。箭内さんと渦巻き神はそうおっしゃってるから、お前もとりあえず壺と線香買えよ。な。
ゴッホ巻き
アートに関しての僕の猛烈なコンプレックスにさらにホタルイカの沖漬けをグリグリして痛めつけると傷口から思い出がこぼれ出たよ。
小さい頃オランダに住んでて近くにあったゴ比類巻かほる、愛称ゴッホの美術館が好きで毎日のようにゴッホの絵を見るためだけに走って行ってたという友達がいて、まあオシャマなエピソードだこと。ホホ。ホホホ。ウホホホ。僕は自分がアートコンプレックス剥き出しの反応を示すのを抑えられなかった。後悔している。もしも許されるならば今すぐに会って「すげーじゃん!!」と言ってあげたい。でも、もう彼女は………
アートに関しては全く分からないけど知識なら丸呑みできるんでゴッホのことは少し知ってるよ。ゴッホといえば股間を陽気に隠してくれることで知られる花、ヒマワリを描いたあの絵なんだろうけど、僕にとってのゴッホは親の仇みたいにグリギリ描かれた渦巻き模様のイメージが強い。見たことないですか空をグリングリンの渦巻きが埋め尽くしてる的な絵を。ゴッホの渦巻きには結構な秘密が隠されているらしい。
乱流っていうものがあって、空気とか水とかが不規則に渦巻くああいった流れのことです。タバコの煙がウネウネクルクル昇っていくのを見てくださいそれが乱流です。不規則です。でもただ不規則なんじゃなくてその中に数学的物理的なパターンがあるらしいです。
で、だ。何でそんな急に偉そうなのか。で、で。デデって何だ。口ギターのイントロか。
で、だ。ゴッホの描く渦巻きのパターンは、水やら気流やら、自然界で見られる『乱流』と科学的にほぼ同じであると。そしてそんなことができる画家は、今も昔もゴッホしかいないと。そんな研究結果が発表された。
ミスター渦巻き、ゴッヒー。そんなちょっとエエ話で終わるはずだったんだけどまだ続きがあって。
彼が『科学的に正確な』渦巻きを描けた時期は限定されている。
1889年から1890年。彼が耳を切ったのち、完全な狂人として精神病院に送られ、自殺するまでの間。彼が絵の空に描く渦巻きは、科学的に数学的に正確だった。僕が小学生なら夜寝れねーな、この話。怖すぎるわ。
正気と引き換えに得るクリエイティビティって何だろう。ある種のぶっ壊れた『本物』の人たちが生み出すものに僕たちが感銘を受けることは確かに良くあって、その類のモノでさえあれば思考停止してニャーニャー群がる人たちも確かに存在する。
でもそれ、本人楽しいのかしら?楽しいって感覚があんのかしら?”楽しい”みたいなありきたりな感情を押し付けるのが間違ってるのかしら。でも僕はやっぱ、違うと思うわ。本人が楽しいと思ってないんなら、思えてないんなら、思える心体じゃないんなら、それは僕の考えてるクリエイティブじゃないわ。
話が逸れましたな。ゴッヒーは耳を切った直後にお医者さんでお薬をおもらいになっていらして、その時に描いた絵には乱流も渦巻きもどこにも全く登場しない。薬のおかげで『絶対平穏の中絵を描いた』と言ってたらしい。効き目抜群じゃねーかよ。どっちもやだな。完璧な渦巻きを描くのも、全く描かないのも。どっちも何か楽しい気分にならない。自分の好きなように好きな渦巻きを描こう。耳の中の小さなゴッホがそう言ってるよ。
インタビュー巻き
渦巻きフェチがいるいるとは聞いていたが知人の知人の知人的なウソみたいなバトンがつながって人類皆兄弟だと一瞬思ったんだけど渦巻きフェチがいた。メールにて質問をパスってみるとあまりにも返信が早くて若干引いた、と、思春期女子みたいなことも言ってみるけど社会人的にガ早く返信寄こせよ的にガッツいてたのはコッチでした。
-なぜ渦巻きが好きなんですか?
「分かりませんが、とにかく渦巻きを見るとソワソワします」
-最初に渦巻きフェチを実感したのはいつですか?
「小学生の頃、親と動物園に行って、他の動物を見ずに、トグロを巻いている蛇に目が釘付けになりました。親に怒られた記憶があります」
-どんな渦巻きに興奮しますか?
「ラーメンに入ってるナルトや、スイスロールなど、食べ物には特に興奮します。最近では、”うずまき”という言葉を聞くだけで興奮します」
-ナンバーワン渦巻きは何だと思いますか?
「鳴門の渦潮ですね」
-ありがとうございました。
渦巻きを見ると、ソワソワする。ソワソワ?何で?落ち着かないの?僕が勝手に言ってた『安定の破壊』って意外と合ってんのか?短大を出て3年、社内恋愛で結婚して子供も生まれ、鶯谷に一戸建ても買って、そこそこ幸せ。そんなマダムの前に突如現れた真っ黒な馬。馬にソワソワするマダムがいましたら僕までご一報ください。
DOTCH巻き
渦巻きフェチにとって渦巻きを『見る』とソワソワすることが何となく分かった。では、『身につける』とどうなるのか。
北半球だの南半球だの言うじゃないですか。雑学daisuki青少年は。排水溝の渦巻きが。右とか。左とか。あんなにも周辺環境で左右される渦の方向を。子供の頃1回も納得できなかった渦の方向を。これは今どっちに巻いてるんだと。
そんな不確かな排水溝よりも今僕がココに描く渦巻きのほうがよっぽど確かであってグルグルグルグルグルグルグルグルグルグルカッ!!!!この前書いた『落書き』!!あのときのあのアホの象徴であるところのカッ!!ほっぺグルグルにもカッ!!右左があるんじゃねーかカッ!!うるさいルー大柴!!!
マンガにて検証。
※バカボン(赤塚不二夫『元祖天才バカボン』)
かつてグルグルほっぺの金字塔として輝かしい功績を残したバカボンのパパの息子のバカボンのほっぺはグルグル。さあどっちに巻いてるのか確認…先生、気分が悪いので体育倉庫のマットの上で休んでていいですか石灰まみれで。だってバカボンのほっぺには右巻きの渦巻きがあって着ている着物の柄も全部右巻きの渦巻きで気持ち悪いんですもの!!!!!何アレ!!!バカじゃないのバカボン!!!何個渦巻いたら気が済むのか!!!!
※うずまきナルト(岸本斉史『NARUTO -ナルト-』)
バカボンに代わって21世紀の渦巻きを担う存在となった週刊少年ジャンプ連載中のナルトだけども名前に”うずまき”って入ってるくせにほっぺみたらドラえもんみたいな3本線しか入ってなくてどこが渦巻きなんだと思ったらそれはオデコというかオデコに飾っているもので、額当てみたいなバンダナ的なやつに描かれているのは木の葉隠れの里の紋章でその紋章は木の葉を象った渦巻き!!!そして左巻き!!!ロゴマークであっても渦巻きは渦巻き。&左巻き。
※渦巻きによるバカボンとナルトのクリエイティブ比較
バカボンは一時代を築き上げたほどのバカであるが、ただのバカではない。水たまりで魚を釣ろうとし、頭を下げる代わりに足を上げて挨拶してすっ転ぶ男、バカボン。バカボンのこと『男』呼ばわりすると新鮮ですね。彼はバカなのか!!稲!!否!!彼はダウターである!!DOUGHTERである!!常識を疑い、慣習を疑う!!失敗したっていいじゃないか!!相当バカだもの!!!
一方のナルトは、別名『意外性NO.1のドタバタ忍者』。主人公には人並みはずれた才能が眠っていて人との出会いや戦いを通じて才能が開花していくというのはジャンプ主人公の王道ではあるんだけども。ナルトはただそのフォーマットに沿っただけの男なのか。否!!彼はチャレンジャーである!!!意外かどうかは自分に限界を設けた者が感じていることであって、彼は飽くなきCHAGE精神でCHAGE&ASKAを続ける(チャレンジのスペルに自信なし)。ダウトを超えてチャレンジ!!これが新時代のクリエイティブ!!キレイにスマートにやることだけを考えてるやつにはドタバタだの意外だのを言う資格なし!!!
結論。 右渦巻き:DOUGHTER 左渦巻き:CHALLENGER
常識を疑う資質にとどまらず、自らアクションを起こすクリエイティビティを極めたい方は、山手線で渋谷から新宿に行くとき50分くらいかけて左回りで行き、メアドの『@』を描くときは右回りでこねくりまわさず素直に左巻きで書いてください。
先日、渋谷の駅前でラジカセからワケのわからん音楽を鳴らして黒Tシャツと黒タイツの女が頭を振り回しながらひたすらグルグル回転していて完全に無視されていたけど彼女のダンスィンは終始右巻きだった。右巻きってことは社会慣習に疑問を持つ女なんだろうが現状を打破したいのであれば左にも回転すればいいと思ったけど僕も無視した。
フンデルトヴァッサー巻き
なんぼほど乾いたウンコしとんねん。
フンデルトヴァッサー。オーストリア生まれの建築家であり芸術家。ゴッヒーに負けず劣らず、すげー渦巻きの人。蛾が顔に止まりそうになった女が手で払うのと同じくらいすごい勢いで直線を嫌った彼はグニョグニョグネグネグルグルのものを作り続けた。小さい頃から絵が大好きで画家を目指し始めた彼が、25歳のとき到達したのが渦巻きで、そのきっかけは…精神病院のドキュメンタリー映画。その作品の中で患者がひたすら描いていた渦巻きを見て、『これこそ人間の素の発散なんじゃないか』と。それがきっかけ。こわいよー母方のおばあちゃ-――――ん。なんかゴッホとつながってきた。
フンデルトヴァッサーは、人間だって曲がりくねってぐるぐる巡って生きてんじゃねーかよと。それを表現してーんだよと。逆に言えば直線なんか全然人間的じゃなくて大嫌いだと。
嗚呼フンの出るお方…いいじゃん。人間こそ渦巻きそのものなんですか?渦巻きをグリグリ描いてなんか同じとこ堂々巡りしてるのかと思ったら円は結構いびつでちょっと大きく成長してたり縮こまってたりしてあれーこんな経験前もあってそん時も同じような対応して同じような後悔したなーとか。渦巻きそのもの。
彼は東京で個展を開き、パンフレットに一文を書き殴った。『束縛されるな、追随するな、定規で引いたものには不信を 直線は胸に抱くな、自由であれ、そうすれば何者にも脅かされぬであろう』。
フンデルトヴァッサーのこのエピソードを見つけたとき興奮した。これか。これが渦巻きクリエイティブの真髄か。これこそ僕が美容院の看板時代から持ち続けたモヤモヤの答えか。そんな都合のいいことあるか。まあいいや。とにかく興奮した。
世の中、定規で直線引いたようなルールばっかりで、枠にスッポリはまってれば誰からも文句言われずに生活していくことができたりする。自ら望んで直線にはまって心を直線にしてちっさい直線を生み出すことに何の疑問も持たない人もいる。楽じゃない。自由でいるのも楽じゃない。直線に囲まれたってしょうがない。でも心の中はいつだってぐるぐると渦巻いていてそれが自分だけのの心のカタチ。何を面白いと思うか。漫才でもペットでも道路標識でも葬式でも目の前の女に蛾が止まる様子でも。そんなことまで縛られたり人のマネしたりして心から楽しいかしら。それ以上に、心が直線みたいに安定して楽しいかしら。直線はどこまで行っても直線だって中学のとき数学のメスゴリラ(50代男性:当時)が言ってたよ。オスというよりもどっちかというとメスに似てたからメスゴリラだったよ。そんな直線人生だったら、今死ねばいいじゃん。今から50年後まで同じなら、今死ねばいいじゃん。いびつな渦巻きグルグルだから僕たちは生きてるんじゃないのか。同じところを回ってても。