視力検査

 

「これは?」

 

「上」

 

「これは?」

 

「右です」

 

「じゃこれ」

 

「父です」

 

「これは?」

 

「母です」

 

「ちがいます。これは?」

 

「えーっと、兄?」

 

「もっと良く見て」

 

「...すいません、若い頃の父です」

 

「これは?」

 

「父です」

 

「もっと良く見て」

 

「...すいません、父の双子の兄でした」

 

「右目1.5です」

 

「はい」

 

 

 

目が良くて何が悪い

 

どうもこんにちは。目玉のオヤジじゃないほうの目玉です。あいつとは双子です。え?声が低くて渋い?どうもありがとう。弟も本当は私と同じような声ですが、役作りに悩んだ結果、ああいった甲高い声を出しているようです。私はいまだに反対です。

目玉のオヤジの双子の兄はほっときまして。今や日本の高校生の60%近くが、視力1.0未満。0.3未満は30%以上。さて問題です。日本は次のうちどれでしょうか? 1 近視大国 2 近視共和国 3 近視コンツェルン (10)

 

目が悪い=近視が日本のマジョリティとなっております。それに押されてか、目がいい人たちが肩身の狭い思いをしているじゃないですか。どうしてですか。どうして目がいい人をいじめるんですか。良くないと思います。かわいそうだと思います。ちょっと静かにして!どうして私が発言してるのに雑談するんですか。先生がいつも人の話をよく聞きなさいってキーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン。泣き出す学級委員の後を引き継いで単刀を直入して言う。なぜ、目がいいとバカにされるのか。ひがみか。またひがみか。出る杭は打つか。アリクイは鬱か。エサがチョロチョロしてイィィィィィィィィィィってなるからか。

目がいいとバカで、目が悪いと賢い。俗説的に一般論となってはいるが、良く見るとねじくれている。目がいいほうがイイに決まってんじゃん。色々なもの見えるほうがイイに決まってんじゃん。目がいいやつはボンヤリと見ることもできるけど、目が悪いやつが裸眼でハッキリ見ることなんかできないじゃん。絶対目がいいほうがクリエイティブの素質あるはず!

 

 



 

The Interview with 目がいい女

 

お前の目がいいからそんなこと言ってるんだろうが!...という批判をかわすため先に言っておくが、目が悪いです私。今のところ両目0.03くらいで結構なお手前でfeaturing乱視。メガネを外した瞬間どこに置いたのか見えなくなって落ち着いて探そうと腰を下ろした瞬間ケツでメガネをメリメリと踏み潰す事3!!!!開いてるのかと思ってガチンコで閉まってる自動ドアに顔面をヒットさせる事2!!小さいものは乱視のせいで常に3つに見え、つまりは天津飯(©ドラゴンボール)の目が9つに見え、つまりはクリリン(©ドラゴンボール)のデコのワケの分からん点が18個に見え、つまりはドラゴンボールが都合21個に見え!!!!!!!目が悪くていいことなんかなんもねーよバーカ!!裸眼でパソコン向かったらモニターと顔の距離10センチだバーカ!!目が良かった頃の感覚なんか全く覚えてねーよバーカ!!(涙堪肩優叩限界鼻水泣)

相変わらず手近なところでインタビューしてみる。

俺と同じ番組で仕事をしている作家。一見美人ながらコールタールのような粘度の高い薄幸オーラを撒き散らす、土屋ひとみさん25歳。ごめん年齢書いちゃった。作家のくせに、毎日パソコン構えて打ちまくってるくせに、いまだに視力2.0を誇る女。うわーバカっぽいあ、ごめんうっかり言っちゃった。そんな彼女へのインタビューを元に、『目がいい人生』とは果たしてどういう人生なのか検証したい。

 

小学生のひとみさん。当然のように視力2.0。高学年になるにつれ、周囲の視力がみるみる落ち始めました。普通に走ってたらいつのまにかグループの先頭で風よけとして走らされていた東欧のママさんランナーのような心境。「やだやだやだいつの間にか私先頭じゃんDASSEEスタートから5キロ地点で先頭とかDASSEE私優勝しませんって言ってるようなもんじゃんDASSEE」

ダッセーをアルファベット表記にしてみたら東欧臭が出るかと思ってやってみたけどかなり気のせいでした。

それはともかく、「わー俺また目が悪くなっちゃったよ?」とはしゃぐクラスメートたちに、ひとみさんはなぜか激しい劣等感を感じました。「目がいいほうがカッコイイ!やだ私まだ順番回って来てないのにこの位置から1番上のランゲルト環までごっそり見えちゃうじゃないの恥ずかしい!」ランゲルト環の説明は面倒なのでその辺にいる視力検査オタクを捕まえて聞いてください。

視力2.0のひとみさんは小学校5年にして、自分の視力を偽り始めました。視力2.0を意味する1番上のランゲルト環を「分かりません」と答え、偽りの視力1.0を手に入れたのです。

一度悪事に手を染めた女は、際限を知りません。堕ちるところまで堕ちてゆきます。

夜、部屋を暗くして本を至近距離で読みふけり、時には、見えているのに見えていないフリをして目を細め、「ん?あれ、何て書いてある?」などと言いながらポスターを見つめたりしました。

ひとみさんは、当時を振り返って、こう語ります。

「あの時は、とにかく目が悪いことに憧れていたわ。メガネをかけている男が、それだけで知的に見えて...フッ、単純ね、私も。とにかく、恋心を抱く相手、全てがメガネ男子だった......いい地ビールが手に入ったの。お飲みになる?」地ビールかい。

そして...ひとみさんは...ついに...自分の体にまで手を出してしまいました。

ある夜のこと。ひとみさんの母が、何気なく娘の部屋の前を通り過ぎようとした瞬間。中から、この世のものとは思えない音がこえてきました。

『ペヂッ、ペヂッ、ペヂッ、ペヂッ...』

何、この音は...もしかして私の愛用しているオモチャが、ひとみに見つかった?いやお母さんホントすいません。みなさんウソですよこの辺の肉付け作業。いかれた30代の雑談だと思ってせせら笑って許してください。

母は高鳴る鼓動を...って続けんのかよ!!まあいいや。母は高鳴る鼓動を抑えきれないまま、そっと部屋のドアを開きました。部屋の中には...娘・ひとみがいて......自分の目を...平手でペヂペヂと狂ったように叩いていましたペヂペヂペヂペヂーーーーーー!!!!!!!!それはまるで誇りある戦闘民族が、戦を前に荒ぶる魂を示すあの舞踏『ペヂ』と、極めてよく似ていました適当なこと言うな。

ともかく。ひとみさんは自分の視力を落としたいあまりに自分の目を叩く高みにまで到達してしまったのです。恐るべし近視信仰。

やがて彼女は、自分をユニークだと思い込んでいる人が集まることで有名な某大学の某学部に入学。そして出会ってしまいました。『The Ultimateメガネ男子』に。ひとみさんは舞踏『ペヂ』の効果も虚しく思くそ2.0をキープし続ける両眼で一目惚れしてしまいました。メガネの似合い方、外す仕草、眉間を押さえて疲れを取る様子、全てが完璧でした。

あまりにもフォーカスオンして、そのメガネを見つめた結果でしょうか。ひとみさんが寄せる想いはアホかと思うくらいあっという間にバレますが、彼女はメガネに献身的に尽くし続けます。

「あー...俺目が悪いから黒板見えねー。この講義出るのやめるわ」

知的なはずのメガネ男子の眼球からこぼれ出したアホ発言にもめげず、ひとみさんは授業に出てノートを取り、足りない部分は知り合いからかき集めて調達し、メガネに単位を取らせ続けました。

メガネマジック。メガネイリュージョン。メガとネー。ゴリとラー。ここまでかと。うら若き女子大生の3年間を捧げさせるほどなのかと。針金とガラスじゃねーかと。ただ遠くが見えにくいだけなんじゃねーのかと。

 

土屋ひとみ。大学3年生のある日。ついにメガネにドライブデートに誘われました。メガネもようやくひとみさんの想いに気づいたんでしょうか。ichiro横浜へ。2.0の視力には、少女を誘拐する異人さんの姿までハッキリと見えました。そしてもう1つ、ハッキリと見えたものが。

「ダメだ!!この人、メガネ過ぎるから、私多分、一生緊張してしゃべれない!!

ひとみさんは、好きでもないNon-メガネBOYと無理やり付き合い、メガネ男子を脳の海馬からひっぺがしました。

改めまして、視力2.0のひとみさん。振り返ってのご感想を。

「ふーーー。地ビールが美味しいわ...そうね。今でもアイツのアイツのことは忘れられない。ちなみに前者は男で後者はメガネのことよ。きっと...今でも好きなんでしょうね。そう、きっと好き。そして嫌い。永遠にね。今でも私、メガネ男子しか好きになれない。私が2.0の視力から得たもの?そうね...前と両隣、調子がいいときは2つ前の席の答案まで、カンニングできたことかしら。見えるんだもん、しょうがないでしょ。あとは...どこでもすぐ寝れる、ってことかしら?ウフフフフ...」

ひとみさんはミステリアスにつぶやいて消えていきました。彼女も明日になれば、また俺に泥人形のごとくこき使われ、床でボロキレのように寝る日々が待っています。つーか25のサブ作家がこんなんて気持ち悪いわ!!地ビールばっかり飲みやがって!!!地だったらどこでもいいのか!!どこの地だよ!!!土屋さんすいません。エピソード内のどうでもいい部分は全て架空ということにしてあげてください。

 

さて。たかが1人の目のいい女性の話を聞いただけでこのありさま。人生がクリエイティブ。楽しそう。それに比べてド近眼の俺はメガネが脂でヌルヌルしてるだの、鼻の両サイドがヘコんできただの、洗面台で必死に中腰になって新しいコンタクトのラベルはがしながらTUBEを口ずさんでいるだの、ロクなもんじゃない。TUBEはアルティメットだがそれ以外はロクなもんじゃない。ほら、絶対目がいいほうがいいんだ。

 

 

 

目が悪いとカワイく見える説

 

かつてアイドルが、目の悪さを売りにしていた時期が確かにあった。焦点の合わないうるんだような瞳でカメラを見つめられるとその頼りなさに守ってあげたくなる気が起こるとか起こらないとか、そんな話だった気がする。一見アホらしいが、見えないものを見えないまま放置するのは、考えてみれば結構な技術だったりするのかもしれない。見ちゃうもん。目を細めて。見ようとしちゃうもん。必死で。今会いたいんだもん。だって好きなんだもん。何で俺が彼氏の保護を求めているのか。素質ありか。ちがうもん。好きなだけだもん。やっぱあるな素質。男なんかもんもん言ってりゃポーッとなるんだよどーせ。

視力を矯正しない裸眼アイドルから、時代はメガネアイドルへ。メガネっ娘の時代到来か。INA!来ないでしょと個人的には思う。あんなもんただのフェチズムだし、ブームに乗っかってワーワー言って、飽きたら黙るヤツが大半だし、自分がだっさいメガネ野郎であるという負い目をブームの中でこっそり忘れたいだけだし。実際に、ゴールデンの連ドラでヒロインがずっとメガネって、見たことない。王道は歩めない。結局デフォルトで裸眼の子がごくまれにメガネを装着するその瞬間にギャップを感じているだけの話。王――あ字間違えたー―おー――――いつもと違う雰囲気。それがメガネへ寄せる思い。

あ、ウソウソ。1個思い出した。キムタク&松たか子主演のモンスター視聴率ドラマ『HERO』。あれで松たか子演じる雨宮舞子は、近眼でいつもメガネだった。

いつもメガネなのに、なぜ人気の役どころとなったか。なぜ。ちょっとメシ食いながら考えてくるから待ってて。

≪カレー鴨せいろセットを食べ白いポロシャツに汁を飛ばして不機嫌な30分。その後≫

それは細かく丁寧な演出にあるんではないだろうか。

一般的なドラマでも、ヒロインの女優がメガネをかけるシーンは数多く存在する。当然。前述したとおりの狙いがあるから。しかしこの先がずさん。双子の兄貴の仇―――ドッゴ――――ン!!!!グワワワワ―――――ッッッ!!!!......ズッサ――――......ン...

ずさんの新しい意味はさておき、そういった場合、調べ物をしたり、自宅でハーレクインロマンスを読んだりなど、とにかく室内で何かを読むシーンでメガネをかけていることが多かった。近くを見るときに、メガネをかける。これはすなわち遠視。または老眼。圧倒的に近視が多い日本社会で、ヒロインが遠視とは、なかなかのレアケース。遠視フェチがもたらす視聴率をカウントしていたのかどうかは分からないままだが、きっと、メガネ演出について、最後の最後でずさんだったんだろうと思う。

その点、「HERO」の雨宮舞子は、書類を見るときは、しっかりメガネを外している。なぜ。近視だから。自然。観察眼というか、細かいところで視聴者をイライラさせないというか、実はすげー大事なことを守っていたからこそ、ひいてはドラマ全体の成功につながっていたのではないかと、はにかみながらそう思う。別にメガネっ娘だからって流行ったわけじゃない。

 



目がいい人々

 

さーって!!そんなビビッドな毎日をくぐり抜けてしかも色々クッキリハッキリ見えてるクリエイティブなオトモダツィ――!!

 

【目がいい人 例1 : ヒロ杉山 (エンライトメント アーティスト)】

いつか、俺も、アソコに。

中学1年。いてもたっても居られず仲間たちがざわめく中さっそうと現れたクラスメートが差し出したのは1本のヴヴヴヴヴヴヴッヴヴッヴVHS!!!!!!1Vの事ヴィとか言うか!!!!ラベルに貼られたタイトルはヴヴヴヴヴヴッヴッッヴヴヴBIRTHDAY!!!!!なんでもかんでもリップ噛み締めてんじゃねーブだブ!!!いやブですらないバ!!!!!兄貴からかっぱらってきた裏ビデオ争奪戦のジャンケンに打ち勝ちトップ視聴権を獲得した鍵っ子の俺は帰宅し親の帰りを気にしながら前のめりに再生!視聴!どこにバースデーケーキ塗ってんだ!!

いつか、俺も、アソコに。

断じてヒロさんに関係ないエピソー(エピソードの略)で始まってしまったが、俺が真に言いたかった「アソコ」とは、ヒロさん率いる先端芸術集団エンライトメントが本誌に連載していたアート作品としての社長の肖像『PORTRAIT OF THE PRESIDENT』。

連載に記された「肖像画お一人価格70万円なり」という一文に、田舎モノ的成り上がり心はくすぐられた。

いつか、俺も、アソコに。70万円払って、アソコに。アソコに。そう思わせてくれるムードが、アソコにはございました。

ホンダHIVCF(木村拓哉)、パルコグランバザーCF、キリンラガー、宇多田ヒカルのCDジャケットなどなどのお仕事の上にVJ、写真集アートディレクションもやっておらっしゃるヒロさん。もういかにも目が良さそう。ツルッと育ち良さそうだなーとプロフィール見たら『歯医者の息子として東京に生まれる』って書いてある育ちいいんじゃねーかヒロさん。俺らのような田舎の中産階級出身のフルーツ牛乳のように淀んだEYEとは比べられない。斜に構えないで、目に見えるやりたいことはとにかく色々やってみる。そんな肩の力が抜けた迫力が伝わってくる。

 

 

【目がいい人 例2 : 川口清勝 (TUGBOAT アートディレクター)】

...なんか多田琢さんもイイらしいんだけど目が。もうこの連載に名前出過ぎだし。何か俺が多田さんのこと好き、みたいになってクラスで話題とかになっちゃって変に気まずくてしゃべりたいけどしゃべれないまま卒業して同窓会で会ったら30キロぐらい太って砂ズリ食いちぎってるのを見ちゃって目まいを覚えたりしたらイヤなので。他の人にしようと思ったら同じTUGBOAT内にいらっしゃいましたよ視力のいい川口さん。富士ゼロックス『Docu Print C620』、サントリー『DAKARA』、フジテレビ『私を笑え。キャンペーン』、JR東日本『SKIキャンペーン』・『大人の休日倶楽部』など、数々のアートディレクションを手がけてきた川口さん。カンヌ国際広告祭では銀賞、NEWYORK ADC、アジア・パシフィック広告祭ではグランプリなどなど、トロフィーに囲まれる川口さん。

「これからは『垣根を越えていく時代』だ」と語る川口さん。嗚呼川口さん。名前呼びすぎだろ。それはともかく視野が広い。

電通入社1年目で将来の身の振り方を考え、「コピーライター」「CMプランナー」「アートディレクター」といった肩書きの境界線意識がまったくと言っていいほどない。余分なものは見えない。必要なものは遠くまで見える。パーフェクト超人でしょうか。敵いません。視力の良さが、モノの見方にまで影響するのかもしれませぬ。

 

 

なんか...視力検査の結果がいい、ってだけじゃなくて...メンタル視野、広くない?ずるいなー、何か。

 

 

 

 

視力回復ブーム

 

正直、目がいい人の調査は困難を極める。元々数が少ない上に、申告する人も非常に少ないからだ。

その上、いやその上の上、最近は視力回復の手術を受ける人が多くなり始めたからさあ大変。もうわけ分からん。

今までは、後天的に視力が良くなる人なんかいなかったから『目、いいですか?』『はい、いいです』。これだけで済んだのに。手術を受けることによって、クリエイティビティに何か変化は起こるんだろうか。いや、ない!!!!!あすいません、舌先の気持ちよさに負けて否定してしまいました。いや、起こる!!!これまで、『クリエイティブは限られた一部の人間だけの特権ではない』『クリエイティブは生まれもった才能とは関係ない』と、口とヘソの穴を酸っぱくして言い続けてきた手前、この主張は独断であろうと偏見であろうと譲れない。手術だろうとなんだろうと、視力が良くなればクリエイティビティに変化はある。結論ありきで考えていきたい。例えば手術を受けて視力回復したこんな方々はクリエイティブになったはずだ!!!!!

 

※タイガー・ウッズ(金持ち⇒大金持ち)

視力回復手術を全米に、そして全日に広めた第一人者はこの男。全日?それまでコンタクトレンズを使用していた虎木さんは、遠近感の狂いに悩んでいた。少しだけ、ゴルフボールが実際よりも小さく見えるとのこと。少しだけってどれくらい小さく見えるのかいうと、普段は男らしくて頼りがいがあって気前のいい彼氏が自販機で2本のジュースを24枚の10円玉で、しかもリズムよく投入しながら買っているのを斜め後ろから見ている彼女の脳裏を横切る感情のように小さく見える(憶測)

悩める虎木さんは思い切って手術を受け、手術後、PGAツアー6連勝。『グリーンのカップがバケツに見える!』と黄色い歓声を上げたらしい黄色いか?彼氏も『自販機のコイン投入口がバケツに見える!』と悲鳴を上げ、彼女も悲鳴を上げた事だろう。この結果、日本を含む世界中のアスリートが次々と回復しまくり。今日も世界のどこかでホイミホイミホイミホイミである。

 

とはいっても、アスリートの成績が上がったって正直納得しづらいかもしれないよね。それ以外で。

 

 

※ブラッド・ピット(妻⇒若い妻)

ハリウッド界に視力回復手術の波を持ち込んだのは、愛称「ドピ」ことブラッド・ピット。撮影が終わったらスグに坊主にしてしまうドピ!手術前は、『12モンキーズ』『セブン』『ファイトクラブ』と、狂ってるというか狂っていくというか今日のドピの評価の重要なファクターだと思われる『イッちゃった目』をする映画に出演しまくっていた。6歳下のジェニファー・何とかとも結婚し順風満帆な人生を送りそして手術。どうなったか。『オーシャンズ11』とか『12』とか『トロイ』とか『Mr.&Mrs. スミス』とか!また2枚目役多くなり始めてねーか?「俳優は基本カッコよくないとダメでしょ」ってことか?離婚して今度は13歳下のもっと売れ売れのアンジェリーナ・何とかと籍入れてないけど再婚して子供までできてるし!!おいドピ!!ベタじゃねーか最近!!若いころにありがちな「狂ってればとりあえずカッコイイ」からの脱却か!!やるじゃん!!視力も良くなって考え方もシンプルになったか!!2枚目で奥さんは若くて美人いいじゃねーか!!ええじゃないか!!(江戸末期、全国各地の神社での御札の降下をきっかけに、祭りの形で大流行した騒乱状態)

 

※倖田來未(エロ⇒脱エロ)

彼女が日本でデビューしたばかりの2001年ごろ、俺は見たことがあってというか当時担当していた小さな番組にゲストとしてきたことがあって。俺もまだまだ駆け出しのゲーゲーで、ゲーゲーって全くフレッシュじゃないのでやめた。俺はまだまだ駆け出しのペーペーでカラダを伸ばして寝るとアタマと足が両側の壁に着く細長い家賃5万の部屋に住んでいたがそんなことはどうでも良くて。当時の彼女はエロもカッコよさもまったくないただの新人で、「アメリカからの凱旋帰国だしオシャレな華のある感じで売れたいはずなのに、番組選ばず出まくってんなー」という印象だけが残った。その後『エロ』を武器にして当時予想だにしなかったスターダムに上った倖田來未。否定するつもりはさらさらなくて、アメリカではアイドル的に売り出した女の子がいつまでも純情アイドルとして露出し続けることはほとんどなくて、あっというまに濃い化粧して乳を上下左右に放り出し始める。ロリ不要。乳必要。大人は大人のセクシーさで売る。そうしないと受け入れられない。

倖田來未。2005年春、エロ絶頂期。視力回復。同年末、レコード大賞受賞、紅白出場。コレを境に、『エロとか言われるのやだ』オーラを出し始める。これを売れたからってえらそうにと思うのはカンタンだ。ただし、確かにいえることは、乳を上下左右に放り出したままネクストステージへ進む事ができる土壌は、日本にはまだない。グラビアを捨て、乳を隠し、化粧を大人しくして広く受け入れられていく。その見極めができたのも、ひとえに視力が回復したおかげと言っていいであろう。

 

 

 

目の良さをアピール

 

裸眼なのかコンタクトなのか回復手術済みなのか。目がいいことをひと目で分からせることは非常に難しい。だからと言って、目が悪いヤツにだけ、目が悪いアピールをされ続けるのもシャクに触る。何とかして『I am 目がいい』と主張することはできないだろうか。

 

A案:目の周囲を飾る】

飾る。分かりやすい。自分の長所を目立たせる事に100%の力を注ぎ込む。象だって牙だけ白いじゃん。猿だって尻だけ赤いじゃん。アンパンマンだって顔だけ美味そうじゃん本当に分かって書いてるのか俺は。視力がいいなら目を飾ろう。目が悪いヤツのメガネなんかに負けたくない。が、かつてのヤマンバGALみたいにラメと白マジックでグルグル囲むのも芸がない。まつ毛をスターにしきのの袖の下のビラビラみたいにするか。ファッサ?ファッサ?。風でビャ?。あ、お母さん見て!目がいい人がいるよ!本当ねマサル。素晴らしく風になびいてらっしゃるわ。僕もいつか、あんな風になりたいな!そうねマサル。うちのパパは、どうしようもないメガネ野郎だもんね。アハハハハハハ

 

 

B案:目以外を隠す】

ある意味では、A案を究極にまで高めたものなのかもしれない。大事なものはぬくもりじゃなくて目。目だけ見えてりゃ俺の魅力はそれで伝わる。新聞紙をかぶって首のところをゴムで止め、両目部分をくりぬいて完成。雨に弱い。これが視力1.01.2なら小麦が輸入されてくるときに使われてそうな麻袋。顔がかゆい。1.5はスーパーの袋。惣菜の残留臭気にやられる。2.0はシルク。どこまで階級社会なんだよ視力って。顔を覆うシルクマスクからのぞく2つの目。間違えた。2つのいい目。その目は何を見てるんですか。何でも見てるんです。だってシルクのマスクは2.0の証。怖れることは何もない。黙って見つめ、黙って見られればそれでよし。あ、母さん見て!目がいい人がいるよ!本当ねマサル。美しいマスクだわ。バカだなー母さん、大事なのは目、だろ?そうよそうだったわねマサル。アハハハハハハ

 

 

C案:視力フェス開催】

しりょくフェス。しりょっくフェス。ロックフェスとかかってるんですよ。みなさん鈍いんで説明しときますけど。なるべく広い会場がいいです。できれば緑の多い野外がいいです。視力フェスですから。目が悪くなるような環境では開催しません。持ち物検査で死に物狂いで没収されるのは、『メガネ』『コンタクト』『オペラグラス』この3点です。ステージ設営します。客席はステージから200メートルくらい離して作ります。ステージに次々と登場する最高のバンド・ラインナップ。今まで見たことのないコスチュームとパフォーマンスを展開します。レッチリが股間に白鳥のバレリーナコスチュームで暴れまくります。スカパラは全員ロン毛とゲタと手編みのセーター着用で、さらに手編みのマフラーで10人全員つながってフォークコスチュームでスカを鳴らします。「えー何やってんのー?全然見えないー」目がいい人にとって、周りから漏れ聞こえるこんな愚痴こそ、最高の肴です。見えるぜ見えてるぜすげーことやってるんぜ。「ぜ」の使い方知らないのかお前は。目がいい人だけが楽しめるロックフェス。出演バンドもなんとなくシークレット感があって出演しやすいし、アジカンのゴッチもくるりの岸田さんもZAZENの向井さんもメガネ没収ですから。臨場感を味わいたいなら視力回復しておいでと。そんなしりょっくフェス。

「いやーーーー視力って、ほんっとにいいもんですね」。水野晴郎で、この着ボイス希望。

 

 

 

視野


目がいいことが、どれだけ素晴らしい事か。もう20年以上に渡ってメガネ&コンタクトのお世話になり続けている俺には身にしみて分かる。もう小学校のとき、世の中がどんな風に見えていたのか、記憶のかけらすらない。

視力がいいとは。視野が広い。色々なものを発見できる。遠くまで見回すことができる。なんか肉体的なことだけじゃなくてメンタルでもモロにそうなんじゃないかと素直に感じてきた。バンプの藤原くんは目が悪いが、かつてメガネを買おうとメガネ屋さんに行ったものの、「別にこんなに世の中が見える必要はない」と思って買うのをやめたらしい。藤くんらしいでございます。俺は凡人なので、インナースペースだけ見つめて何かをクリエイトできる自信は、ない。やっぱ見たいわ、見えるものは。世の中のこと、知れるなら何でも全部知りたい。見えるなら何でも見たい。吸収できるものは吸収したい。自分にはでか過ぎるものまで吸収しちゃって破綻するなら、それはそれで人生。裸眼で2.0。最高じゃないですか。あーうらやましい。やることなくなったら視力強盗でもしようかな。