コンビニバイト

 

店長:  ...おい

 

悟空:  なんだ。

 

店長:  なんだじゃねーだろお前。何回言ったら分かるんだよ

 

悟空:  おめーなんで怒ってるんだ?

 

店長:  おめーって誰に言ってんだ。 だから、お客さんが来たら「いらっしゃいませ」だっつってんだろ。......あ、ほら、お客さんだぞ。 いらっしゃいませー。

 

悟空:  オッス!

 

店長:  おい!

 

悟空:  なんだよおめー。邪魔だぞー。

 

店長:  お前、ホントクビにすんぞ。 お前みたいな金髪、どこも雇ってくんないから、ウチでバイトしてるんだろ?

 

悟空:  ......

 

店長:  やめろ!すぐ元気玉つくるのやめろ!

 

悟空:  ...なあ店長。

 

店長:  分かっただろ。そろそろ、金髪とか上半身裸とか、バカなマネは卒業して、さっさと就職活動始めろ。

 

悟空:  .........そっか...そうだよな。いつまでも、こんなことばっかり、してらんないもんな。サンキュー店長。目が覚めたよ。

 

店長:  設定守れよお前。

 

 

 

今どき金髪?

 

日本の女性の髪から、金髪が消えつつあるんだって。もっと無難に「愛される」落ち着いた無難な色のほうが増えてるんだって。ここ10年くらいで、グッと変化してきたんだってうるさい!!!!いちいちいちいち語りかけてきてんじゃねーーーーー!!!!でもそうなんだって。そういえば、金髪にした女の子、見なくなったなー。このままいくと、いなくなるな。俺の周りでも、すでに家田荘子しかいなくなったウソです家田さんは周りにはいません。本当ですよ?ねえホントだよ?ホントにいないよ?ねえねえ約束だよ?だからうるせーーーー!!!顔のぞき込んでくんな!!!!

まあいいや。とりあえずまあいいや。日本人いなくても、外国人いるもん。金髪が見たいなら、そっち見に行けばいいわけでしょと思ったらこんなトピッピピじゃなかったトピックスを発見!!!!

 

『カナダの人類学者がWHOに報告した研究によると、天然のブロンド(金髪)は、あと200年で姿を消す。慢性的な栄養不足がブロンドへの遺伝子的な突然変異を起こしたのであり、近年ヨーロッパ地域において、食料問題は大部分が解決したため、ブロンドという劣等遺伝子は無くなりつつある。そして最後となる天然のブロンド女性は2202年、フィンランドで生まれるという』

 

ううううううう...さよならパツキン!あの世で会おうぜ!......っていうか、200年後のフィンランドはすげー観光地っていうか気持ち悪いオッサン世界中から大集合で大変そうだな。心配だぜ北欧の人よ。

そんな時代の流れらしい。ものすごい勢いで『今さら感』が増大中の金髪。しかし。だからこそ今、金髪は最後の光を放とうとしているんじゃないか。断末魔を叫ぼうとしているんじゃないか。遺言を残そうとしているんじゃないだろうか。呪いながら死のうとしているんじゃないだろうか。どんだけ縁起悪いんだよ金髪。

 

今どき、というよりもむしろ、今だからこそ、金髪の人にしか持つことができないクリエイティビティって、あるんじゃないか。


 



 

 

質問: 金髪でも就職できますか?

 

やっぱり、ある程度の覚悟がいるわな。まだまだ難しいですよ金髪。ちょっと検索してみた。googleで。

 

*『金髪不可』の検索結果  約239000

*『金髪可』の検索結果  96

 

96社のみなさまありがとうございます!これで、金髪でも胸を張って生きていけます!

しかし...一般企業、とくに飲食・接客業に関しては軒並みダメですね就職的には。まあそれは了承済み。全寮制男子校の高校1年生くらい受け入れ済みですけども、ビックリ『金髪不可』を発見!

 

とある地方の占いの館が、新人占い師を募集中。それにあたって、望ましい占い師像をご提案していた。

『骨っぽく細身。 髪の毛は長短問わず、金髪不可。 黒髪がベスト』

金髪だと占い師にもなれねーのかあああああああああ!!!!!と思ったら、こんなのもついでに発見!

『婦人警官は、金髪不可・スキンヘッド不可』

そりゃそうかもしれんんんんんんんん!!! 誰か俺の原作で、『スキンヘッド婦警さん』っていう漫画描きませんかああああああ!!!!

 

 

 

金髪にしてみよう

 

この困難、乗り越えてみるか。よし俺も金髪にしようよし俺も金髪にしようよし俺も金髪にしよう。だめだこんだけ自分に言い聞かせてんのに全く腰が上がらん!!!そもそもなんでパツキンになんかしなきゃいけねーんだ!あ、クリエイティビティがあるかもしれないってさっき言ったんだっけ。えーやだなー。

俺は髪の色をいじることがほとんどなかったので、一般レベルの知識がないしイイきっかけなので、歯磨き感覚で髪の色をいじる知人を荒縄で縛り上げ、金髪について話を聞いてみた。そのまとめがこちら。まとめなくてもみんな知ってることだらけだが。

 

?ほぼ色がなくなるまで繰り返し脱色した上に、ブロンドで染めていくため、時間がかかりすぎる!

 ⇒えー...たかが髪の毛に、そんな時間かけてらんないなー...

 

?髪の毛がバービーちゃんか釣り糸かというくらい、ものすごいナイロンぽくなる!

 ⇒俺の子供の頃の苦い記憶が蘇る。妹はあまりキレイ好きじゃなくて、妹のバービーちゃんの髪の毛が汚ギャルの元祖かと思うくらい汚れていたため、超キレイ好きだった俺は、妹のいないスキを見計らってバービーちゃんを手に取り、彼女の着衣を11枚はぎとる...のは今回やめにして、小さな鍋にお湯を用意したんでございます。そうですお湯で髪を洗ってあげようと思ったんでございます。

まずはまんべんなくお湯に髪をひたそうと思い、バービーちゃんをさかさまにして、髪の毛の先から根元まで、すーーっとお湯に入れていく、ところまでは上手くいったんですが、そのまま引き上げてみた瞬間、驚きのあまり、俺は大空を羽ばたいたんでございます!

バービーちゃんの髪の毛が、スト2のガイルのように(またはジョジョのポルナレフのように)天に向かって根こそぎそそり立っているっっっ!!!!固まっている!!!!ガッチガチに固まっている!!!!! おかしい!バービーちゃんの髪の毛って、なんだか...なんだか...ナイロンのようじゃないかーーーーーー!!!!!

......という忌まわしい過去を思い出して涙した。

 

1 頭皮のあちこちにカサブタができて、デカめのかさぶたをゲットしてよく見ると、小さい穴がいっぱい開いてて気持ち悪い!

 ⇒その穴は生きている証拠!呼吸をしている証拠!ほらご覧、この絆創膏!ソックリだぜ!...とか言ってたら知人は実際に自分の頭をペリペリっとやって、5ミリ四方のカサブタを見せてくれた。気持ち悪いいいいいいいいい!!!!ちょっと珍味みたいな雰囲気なのもむかつく!!!

 

2 下手くそな美容師に当たると、しみてしみて仕方ない!ずーっとイライライライラしながら座ってるのは地獄!

 ⇒2時間も3時間も椅子に固定されてアタマをチクチクされるの耐えられん!金髪を21世紀の拷問に認定!!

 

 

よし決めた。金髪にするのやめよう。

無理!イイコトなんにもねーじゃねーか!なんだ金髪!アホか!終わり終わり!...そう思って、知人を荒縄に縛り上げたまま帰ろうとした瞬間、俺の視界の端っこで、そいつがニヤリと口を歪めたような気がした。...そうか。俺がココで金髪をあきらめれば、日本の金髪人口の少数優位性が保たれる。全ての金髪たちは、己のクリエイティビティを確保するため、人に聞かれたら「痛い長いハゲるめんどくさい」とネガティブ面しか言わないようにしているんじゃないだろうか。いやそうに違いない。あいつらは、金髪のヤツラは結託している。間違いなく。ここであきらめてはいけない。金髪にすることによってクリエイティビティを授かった人たちを、徹底的に洗い出してやる!!!

 

 

 

クリエイティブ金髪ファイル


■ファイルナンバー1 『ペットリ型金髪』 : 堤幸彦 (映画監督)

 

今、映像界で、最も『ワールド』を持つ人物の1人!『ワールド』といえば『堤ワールド』か『東武ワールドスクウェア』!

テレビのディレクターとして出発した堤監督。担当したTVドラマは...『金田一少年の事件簿』『ケイゾク(映画版も)』『池袋ウェストゲートパーク』『TRICK(映画版も)』『世界の中心で愛を叫ぶ』ぶぶぶぶぶぶぶぶ!!!助けてくだすーい!!! ここ10年のTVドラマ史が、丸ごとココにあるーー!スタイリッシュ!伏線が緻密!見れば見るほど発見あり!みんながDVDで欲しがる作品ばかり!この『ワールド』を完成に向かわせたのは、やはり金髪のおかげか!!?

 

■ファイルナンバー2 『オールバック型金髪』 : 佐倉雅彦 (サン・アド クリエイティブディレクター/コピーライター)

 

サントリー・カクテルバー「愛だろ、愛っ」 グンゼ・ボディワイルド「男のパンツの広告してます」 明治製菓・アーモンドチョコレート「中居くんが吾郎ちゃん」&うすまきアーモンド「吾郎ちゃんが中居くん」 若き頃のヤンチャの名残とウワサされる長めの金髪!かつてはリーゼント姿で映っていたプロフィール写真も、いつの間にか、ペットリとなでつけた上からハンチングをかぶって悪フェロモンを滲み出させる男の横顔にバージョンアップ!『自分のスタイルは主張するもんじゃない!にじみ出るもんだ!』というその語りからすでににじみ始める佐倉スタイル。そのにじみ出しに、金髪が一役買ってる!!?

 

■ファイルナンバー3 『マッシュ型金髪』 : マシュー南 (80年代アイドルマニア)

 

チェリストである日本人の父と、元伯爵家令嬢であるイギリス人の母との間にイギリスで生まれたマシュー!フルネームは、MatthewG・南! Gは「弦也」のG! まつ毛まで金髪にしているが、正直どうでもよかったりする!一見、取り柄が「Winkの振り付けがカンペキに入ってる」事だけかと思われたりもするが、彼ほどアイドルの魅力を十二分に引き出した男は、歴史上存在しなかったかもしれない!アイドルに全乗っかり&オカマキャラ&金髪マッシュ!アイドルたちが安心して遊べるフィールドを作り出したマシューの功績の一端は、あの金髪のマッシュルームにあると言っていいんじゃないだろうか!!!

 

■ファイルナンバー4 『リーゼント型金髪』 : 綾小路セロニアス翔 (氣志團 團長)

 

デビュー当時は、誰しもが『色物』扱いをしていただろう。氣志團の、誇り高き團長。まさに1980年代バリバリの不良そのままのリーゼント&学ラン!そして歌い上げるのは、甘酸っぱい青春!...といわれても、彼をまだ、色物扱いする人たちが多いだろう。でも、團長と近くで仕事をする機会がぐっと増えた今こそ、俺は分かる。團長が持っている熱さは、カッコとか髪型とか、歌う曲のスタイルとか、本気で関係なかった。あれは熱いわ。しかもひねくれてさえいない。不良だったのに。伝えたいメッセージの芯が、あんなにブレない人も珍しい。その象徴が、バコーンと伸びた、あの金色リーゼントなのかもしれない。髪型関係ないっつっただろさっき。でもいい。團長はいいわ。あ、ついでに團長情報。本気で最近、全くセックスしてないそうです。

 

■ファイルナンバー5 『キューピー型金髪』 : 辻口博啓 (パティシエ)

 

洋菓子の世界大会で4度優勝。これだけ見ても、彼がどれだけ圧倒的なクリエイティビティを持っているか分かるはず。

レシピ本もバコバコと出版。大丈夫?それ、分かりやすくレシピパクられるでしょ。と思ったら、普段からレシピ帖を全く作らないことが発覚!『その瞬間、自分が1番美味しいと思えるものを、常に自分の「味」にしておきたい。だから、イチゴがなくたって、他の美味しいフルーツを探せるわけです』 流木!違ったさすが!好きなだけパクれと。俺は俺でばんばん作り出すからと。この余裕は、あの先っちょがゴルゴ松本のようにとんがった金髪から来ているのか?

 

■ファイルナンバー6 『ベリーショート型金髪』 : 中村獅童 (歌舞伎役者)

 

飛ぶんだろうがああすいません、とりあえず映画『ピンポン』を思い出してみた。役柄やその時の気分に合わせて、コロコロとか髪の色を変えまくる獅童。ピンポンの時はスキンヘッドだったしな。でも俺のアタマの中に焼きついているのは極短の金髪。なぜかというと、どこかで聞いた、あるCM撮影のエピソードが印象的だったから。車のテレビCMに出演することになり、打ち合わせに赴いた獅童は、絵コンテを見て「ぶぉぉぉぉっっっっ!!!」とアタマを抱えたウソです抱えてはいません。絵コンテに描かれた獅童の髪の色は金色。そして本人のその時の髪の色は、茶色だった。普通気にしない。その現場も、「じゃあ茶で」的な雰囲気だったらしい。しかし、俺たちの獅童はこう言ったんだ!!!!「金髪に戻します」ってな!!!!! 何このテンション。

結局、4時間かけて金髪に戻して撮影に臨んだ獅童。奇抜なファッションや、結婚にまつわるワイドショー的報道も目立ったが、本人の仕事に対する熱意はものすごい。それは、自分のベースを金髪に置いているからこその筋の通り方なのかもしれない。

 

■ファイルナンバー7 『黄髪』 : 三輪明宏 (俳優)

 

そしてある意味究極のスタイルとも言えるこのお方!金髪超えちゃったよ。キパツ。完全に神様スタイル。オーラ垂れ流し。出すぎ。つーか、テレビとかで椅子に座ってて、首から下が全く動かないアノ感じを見ていると、映画『トータル・リコール』で、シュワちゃんが火星に乗り込むときに着込んでいた『BIGママ・ロボスーツ』みたいなのを思い出す。わかんない人は自分で調べて。もうあそこまでやられると、どうしようもないですね。これまでのプロフィールそのものがクリエイティブですから。

歌手としての最初のヒット曲のタイトルが「メケメケ」。メケメケメケメケ!!! 2連続で言ってもカッコイイな。日本におけるシンガーソングライターの元祖とも言える存在だし、「ヨイトマケの唄」歌ってるし、俳優としては、寺山修司の「天井桟敷」の、旗揚げ公演に出演した上、あの三島由紀夫に熱望されて「黒蜥蜴」に出演。めちゃくちゃだ。そんな変遷の先にあったのがキパツ。全ての日本人は、キパツになれるように頑張るべきだとすら思うな俺は。

 

■ファイルナンバー8 『その他、金髪の方々』

 

※多田琢 : (TUGBOAT CMプランナー)

もういいわこの人。何回紹介すれば気が済むんだ俺も。色んな切り口で『?is クリエイティブ』ってやってきたけど、当てはまりすぎなんじゃないのか。どんだけクリエイティブな要素持ってんだよ。そんなイライラを込めて、あえてこの程度の扱いにしとく。

 

※桂三枝 (落語家)

人生初の金髪にチャレンジしてたなあ『資生堂 UNO』で。コレで彼が本来持っているクリエイティビティが活性化する可能性も大きい。「いらっしゃーい」に続く名言の誕生も近いか。たとえば「おそれいりまーす」とか言って「いらっしゃーい」と反対の動きでおじぎするとか。師匠どうすか。

 

※手塚眞 (ビジュアリスト)

長年の金髪。あれってひょっとして、お父さんの治虫さんのベレー帽に代わるものなのかしら。

トレードマークとしての金髪。

 

※デーブ・スペクター (自称アメリカ人)

自称なので、裏づけが取れるまではこの程度の扱い。髪なでつけすぎ。

 

 

 

クリエイティブ整形について

 

この雑誌の編集長が提案する『クリエイティブ整形』。外見をクリエイティブに、ファッショナブルに飾ることによって、中身を替えていくスタイルの、1つの典型でもある金髪。ほとんどの日本人にとって、金髪が自然に似合うことはない。違和感を承知で、無理を承知でガッコリ脱色していくわけだ。そしてその日から、どんな人からも『金髪の人』と呼ばれることになる。金髪の人、という称号に見合ったクリエイティビティってなんだろう。ひょっとしたら、「あいつは見かけ倒し」と言われることもあるかもしれない。いや確実にある。そのプレッシャーをあえて背負うこと。背水の陣を敷くことも、クリエイティビティにつながるのかもしれない。カマすって大事だよきっと。後がなくなるから。