ゲーテは「生活はすべて次の二つから成立っている。したいけれど、できない。できるけれど、したくない」とか言ったわけじゃないですか、ゲーテのおっさんって200年も前に死んどるわけですよ、「名言っていつまでたっても色褪せないわねー」というのもそうなんだろうけど普通に考えたら、「そんなこと言われんでもみんな理解してそれぐらい実践してるがな」ってなるもんでしょ200年もあれば。200年ですよ。町人がアホみたいな顔して『南総里美八犬伝』読んでた時代ですよ。ソクラテスは「生きるために食べよ、食べるために生きるな」とか言ったわけじゃないですか知らないですけども、あのおっさん2400年前ぐらいに死んどるわけですよ、2400年前ですよ。高床式にネズミ返しつけてドブネズミみたいに美しく笑ってた時代ですよ。「そうか!すごい!ソクラテスすごい!気づかされました!」僕らは2400年も何もしてたのかと。いや百歩譲って僕らはしょうがないとする、今日初めて見た名言だとしたら反応まではウソつけない、しかし2400年もあってそんなコトさえ生きて行く上で当然であると生活に浸透させ実践させられなかった僕らはどうなのかと。何をボヤボヤ生きとったんや先祖と。おい亀吉と。曾祖父の名前はやめて差し上げろ。
たかだか100年かそこらの人生を何千年前の人間と同じように生きて死んでいく。「あいつら竪穴式住居で半裸で米かじってるだけじゃん、俺らはカッコイイ服きてiPhone持って表現の自由があるから成長してる」こういうところですよねダメなところは。先達が何千年にも渡って手を変え品を変えああだこうだと講釈を垂れて自由民主主義を生みだして人々は何をしているか。何主義だろうがどんな服着てようが何Phone持ってようが化かし合いか殺し合いかそうでなければオナニーだ。ソクラテスは2400年のオナホールかと言われれば、もちろんオナホールだ。年代物の。裏返して洗って乾燥させてまた使うまた使うんかい。
大事なことはとっくの昔に分かってて、大事にしろと人は言う。感心感動我が意を得たりと共感されてブログやらツイッターやらに感想書かれながら、大事なことはメシ食って排泄するだけのチューブに今日も飲み込まれる。おんなじことをずーっと言ってる。それ食っておんなじウンコをずーっとしてる。名言が不朽なのではない。何食おうが何持とうが人間な進歩も成長もしないだけだ。
これはくっさいくっさい選民主義か。愚民どもめフハハハハハとか言っちゃう引きこもりのアレか。何で何千年も前から繰り返し言われてることを僕らは不達成なまま死んで不達成なこと確実な子孫を残すのか。何でくっさいくっさいババとしてしか排泄されないのが分かってて大事なことは飽きもせず繰り返し発信されるか。それ前に誰か言ってたで。2400年前に。
そんなのはねえ、悲しいじゃないですか。せめてこんな世界の隅っこの青カビのようなメルマガの中ぐらいでは言ってやりたいじゃないですか。ソクラテスの言ってることは全部古いと。全部間違ってると。もしくはそんなもんお前に言われんでも全人類が当たり前のように実行しとると。2400年たったらちょっとぐらい人間も先に進んでるってところをカラ元気で見せときたい。亀吉に。曾祖父の名を2度も晒すのはやめて差し上げろ。
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メルマガ 山本山本佳宏『二十一世紀の未読』
本日配信分の一部を抜粋したものです。
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