車のシートを倒して寝転んでサンルーフを開けたら、そこには満天の星空が広がっている。

空には言葉が、ゆっくりと、しかしとめどなく流れていき、僕はそれを眺める。

 

この世界のどこかにいる、名も知らぬ人たちが今、ひらめき、望み、こぼしている心の欠片たちが空に昇り、ひとすじの川となって流れているのだ。

 

言葉の川を見て、僕も何かをひらめき、何かを望み、なにかをこぼす。

そしてそれも同じように空を昇り、川の一部となる。

地球の裏側にいて、僕と同じように星空を眺める男の、あるいは女の上を、流れていくのだ。

 

それが誰であっても、彼らが僕の欠片に気づかなくても良い。

この川はずっとここにあって、僕はまた明日も、星空を眺めるだろう。