薄く高くなった雲に小さな小さな丸い穴が開いて、半分の月が顔を出しました。

 うねりながら果てしなく続く大草原に小高い丘があって、枝が茸のように広く横に張った大きなクスノキがぽつんと、立っています。永遠に続くかと思われた長く強い雨がようやく止んで、雨粒が落ちているのは樹の下だけになりました。

 クスノキが落とした最後のひとしずくがまぶたに当たって、トキは目を覚ましました。雨宿りをしているうちに眠ってしまっていたのです。