宗方仁は言った。「岡、鳥はなぜ空を飛べると思う?それは、鳥が飛べることを疑わないからだ。もし疑えば、逆巻く風に飲まれ地に落ちる」。

 

箭内道彦が『エースをねらえ』を読んでいたかどうかは定かじゃないが、彼はコーチの言葉に従い、2004年、来た仕事は、とりあえず何でも受けてみることにしていた。だからってアンタ。ラジオパーソナリティのオファーまで受けてどうするのか。宗方さえもがそう思ったに違いない。TUGBOATの多田琢さんには、雑誌で「どのベクトルの先にラジオがあるのか、全く分からない」と、半笑いで語られる始末(半笑いは推定)。ゲストに来て、喜んで芋焼酎飲んで上機嫌で帰っていったクセに半笑い。

 

そういうわけで箭内は、20053月までの8ヶ月間、自分が飛べることを疑わず、マイクの前で大きく羽ばたいてきた。ヘッドフォンとかしたりして。曲紹介とかしちゃったりして。彼の真意は最後まで明かされぬまま、半蔵門のTOKYO FMから、毎週毎週、小さな台風を発生させてきた。これは、もしかして伝説にならないかなー...と密かに思っているラジオ番組の全記録である。



『風とロック』(TOKYO FM 80.0MHz 2004/8/6?2005/3/25 金曜・深夜26-2630OA