山本山本佳宏 yanmo.jp

キーワード「アート」の一覧

『YOU & I vs アート』(2008.03.03 風とロックREALTIME掲載)


僕にはアートを解するセンスが除毛ホットワックスかけたてのデリケートゾーンよりも根っこから欠けている。と自分ではハゲるくらい思っていてつまりはアート周りの人たちに対してものすごい対抗意識という名のコンプレックスがある。お、お、おでのほうがすげーんだぞみたいな。自分の得意分野と相手の不得意分野を並列してほら俺のほうがすげーだろっていうのはよくやっちゃうパターンでそれは僕とホットワックスのどっちがベトベトしてないか対決の開催ぐらい意味がない。

なので僕はアートのことは1ミリも分からないセンス無し野郎であると喧伝してきて自分にも言い聞かせてきた。絵やら映像やらに出会っても、それが良いのか悪いのかの判断は絶対にしなかった、アートチームにバカにされるのがイヤだから。カッコ悪さのカッコ良さみたいなことを考えるのも無駄な気がしてやめた。


『アート is クリエイティブ』 (2008年4月号掲載)


ATフィールド

 

ぎゅ――――――おるるるるるるるるぅぅぅぅああああああああああああ――――――おぅらカカトがめっちゃ痛い―――――――――――――――――!!!!!!!!!

ブーツが脱ぎづらい季節も終わりまして街にはメキシコシティ並みにマスクマンがウロつく春なのにお互い不機嫌そうにすれ違うだけで誰も組み合おうとはしなくて毎日街角で組み合ってるメキシコ人をもっと見習えそして花粉と同じだけ飛べそして舞え牙を抜かれた白い恋人マンたちよ!!!!!!!!

キン肉マンと白い恋人を試験的に混ぜたらキケンだと分かった。そんな春。

最近ではすっかりユル目になってしまったけど僕は基本的にブカブカする服や靴が嫌いでどっちかっつーとグリグリグリーっとブーツのヒモ締め上げて脱ぐのに一苦労したり体にピターっとくっつく服が1枚入ってないと不安でファンファンで不安でファンファンでしょーがないって時期が結構長く続いた。それは何。包帯クラブ。そんなイイもんじゃねーよ。締め付けがあると安心した。それ以上の理由は全く分かんなかったけど今なら分かる気がしてる。っつーか何かの本を読んで分かった気がした。本の名前はまた忘れた。

 

ATフィールドってことさ、いかりや長介くん。

 

自分と世界との境界線。自我。自分を世界から守るための壁。その輪郭作り。

 

例えば激しい運動をすると、汗をかいて蒸発して気化熱が奪われて皮膚がKi/oonと収縮する。体の表面の緊張が高まる。自分の輪郭を意識する。

例えば激しい運動すると背筋だの裏モモだの普段使わないし気にしたこともないような筋肉が張る。自分の輪郭を意識する。

 

見つかりました鷲田清一さんっていう大阪大学の一番エライ人が書いてた話です。

 

例えば酒を飲むと血がグワーッと巡って皮膚の表面を走り抜けるような感覚がある。自分の輪郭を意識する。

女子と裸で抱き合う。興奮して血が海綿体と海綿体以外を巡って皮膚が赤く火照る。自分の輪郭を意識する。

子供があぐらをかいてるオヤジの膝の間に体を潜りこませる。押入れに入ったり小さい穴を見つけて入ったりして遊ぶ。自分の輪郭を意識する。っつーか求める。

輪郭が欲しくて輪郭は自分が世界とは違うと確かめるもので自分が自分であるためのもので自分を攻撃するものから自分を守る囲いで、そんな確認がしたくて僕たちは服を着ます。

こすれるでしょ?皮膚と?縛るでしょ?靴ヒモで?目じゃ確認できない部分も?服が刺激して?脳内のイメージだけじゃ?不安な自分のカタチを?再確認できて安心する?ための服?みたいな?

糸色文寸糸色文寸糸色文寸糸色文寸絶対にアホみたいに軽い体が感じないぐらい軽い服ってとっくの昔に作れるはずなんですよ。マナカナが大学を卒業する時代です。でも、そんな服になんか意味がないから作らない。体表を刺激して体の輪郭を意識させて自分と世界の間にはATフィールドがあると思って安心させてくれない服になんか意味がないんです。

 

僕は靴ヒモをギューギューに縛ってATフィールドを発動させてATフィールドが何なのか分からない人は勝手にGoo-netで検索してほしいんだけどGoo-netで調べたらATはオートマ車のことでした――――――――!!!!!!!!!!!!!

Goo-net以外で検索してほしいんだけどATフィールドを発動させるがために服を着てて僕が守りたかったものは色々あってそのうちの1つが、「アートを解するセンスが全くない」こと。

 




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